裁判官のプロフィール審査対象の
裁判官の顔ぶれ

学者出身・第3小法廷

宇賀 克也うが・かつや

昭和30年7月21日生 66歳(投票日現在)
昭和53年
東京大学法学部卒業
昭和53年
東京大学法学部助手
昭和56年
東京大学法学部助教授
昭和58年
ハーバード大学ロースクール客員研究員(日本学術振興会海外特別研究員)
昭和59年
カリフォルニア大学バークレー校客員研究員(日本学術振興会海外特別研究員)
平成2年
ハーバード大学ロースクール客員教授
平成3年
東京大学大学院法学政治学研究科助教授(同大学法学部助教授を兼担)
平成6年
東京大学大学院法学政治学研究科教授(同大学法学部教授を兼担)
平成10年
ジョージタウン大学ロースクール客員研究員
平成13年
放送大学大学院主任講師兼客員教授
平成16年
東京大学公共政策大学院教授を兼担
平成31年
3月20日 最高裁判所判事

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  • 就任時の意気込み

    行政法の研究者として最高裁の判決や決定をたくさん読んで論評してきましたので、最高裁の判断が社会に及ぼす影響の大きさについては十分承知しています。一つ一つの事件に真摯に向き合い、妥当な結論を導くことが出来るよう微力ながら全力を尽くしたいです。研究者は真理の探究が使命であり、裁判官は適切な解決に導くことが使命です。これまでの研究生活で培った知見は裁判の場でも生かしていけると思っています。

  • 裁判官へのアンケートより

    自分の個性・信念が
    最も体現した裁判や就任前の仕事

    地方議会の議員に対する出席停止の懲罰の適否については司法審査の対象にならないとした大法廷判決を60年ぶりに変更した令和2年11月25日の大法廷判決(※NHKサイトを離れます)です。公法学者として、地方議会の議員に対する出席停止の懲罰の適否を司法審査の対象外とすることには、かねてより疑問を抱いていました。全員一致で判例変更がされたことには、感慨深いものがあります。

  • 夫婦別姓や同性婚を求める
    裁判など、社会の変化や
    価値観の多様化に
    どう向き合うか

    夫婦同姓制度についての私の考えは、最近の大法廷決定において、詳細に述べました。今後も、夫婦別姓や同性婚をめぐる訴訟を審理する立場になった場合、判決や決定において、私の意見をお示ししていきたいと思います。

  • 性犯罪に関する法改正について

    現在行われている法改正の動向については、刑事司法の一翼を担う者として、注視しています。最近の一連の経緯から十分に教訓をくみ取り、あるべき方策について議論が深められることを期待しています。

  • 再審をめぐる現状について

    誤判は絶対にあってはならないことです。再審請求については、そのことを肝に銘じて、人権保障の最後の砦としての最高裁の一員としての役割を果たすべく、予断を持たずに、証拠を吟味し、慎重な上にも慎重に判断するように努めてきました。最近の再審無罪判決や再審開始決定から得られる教訓を活かして、誤判を防止するための取組について、刑事司法に携わる者すべてが真摯に議論することが必要と思います。

  • 審理のネット中継など
    国民に開かれた司法へ
    工夫できること

    審理のインターネット中継は、我が国においても、将来の検討課題と考えています。最高裁の口頭弁論を国民の皆様に広くインターネットでご覧いただくに当たっては、最高裁の口頭弁論の在り方自体をわかりやすいものにする工夫を先行的に行う必要があると思われます。そのような試みは緒に就いたばかりですが、今後、一層努力したいと思います。

  • ネット関連訴訟も増加。
    自身のネットとの向き合い方は

    インターネットは、情報収集に便利ですが、誰でも情報を発信できる社会では、情報の真偽については慎重に判断しなければならないと考えています。よく参照するのは、裁判所(判例検索のため)、電子政府の総合窓口(法令検索のため)、国会(法案審議の検索のため)、国会図書館(文献検索のため)のウェブサイトです。

  • 最近うれしかったこと
    腹立たしかったこと

    長年、大学で研究教育に携わってきた者として、その時点では直ちには実用性が定かでない基礎的な研究にもっと光が当たってほしいと考えていましたので、真鍋淑郎氏がノーベル物理学賞を受賞されたことは、大変うれしく思いました。腹立たしいというより胸が潰れる思いがしたのは、自分では逃げようがない児童への虐待が絶えないことです。

  • 趣味

    美しい自然の中で散策することが、息抜きになっています。

  • 最近印象に残った本や映画

    日々担当する事件に関係する文献(大多数は法律文献ですが、自然科学の文献を読む必要がある事件もありました)を読むのに追われ、趣味で本を読んだり映画を見たりする時間はとれていませんが、週末には「関口宏のもう一度!近現代史」というテレビ番組を見ています。保阪正康氏の深い学識に裏打ちされた解説は、大変示唆に富むもので、日本の近現代史への理解と関心が深まりました。

就任時の記者会見より(音声はありません)

審査対象の裁判官
審査対象だった11人のプロフィールや主な裁判での判断など