裁判官のプロフィール審査対象の
裁判官の顔ぶれ

裁判官出身・第3小法廷

林 道晴はやし・みちはる

昭和32年8月31日生 64歳(投票日現在)
昭和55年
東京大学法学部卒業
昭和55年
司法修習生
昭和57年
判事補任官
その後、東京地裁、最高裁民事局、厚生省年金局企業年金課、札幌地家裁、東京地裁において勤務
平成4年
東京地裁判事
平成5年
最高裁民事局参事官
平成8年
最高裁民事局第二課長
平成11年
最高裁民事局第一課長兼第三課長
平成14年
東京高裁判事
平成15年
東京地裁判事部総括
平成17年
司法研修所教官
平成17年
司法研修所事務局長
平成21年
最高裁民事局長兼行政局長
平成22年
最高裁経理局長
平成25年
静岡地裁所長
平成26年
東京高裁判事部総括
平成26年
最高裁首席調査官
平成30年
東京高裁長官
令和元年
9月2日 最高裁判所判事

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  • 就任時の意気込み

    最高裁判事の職責は非常に重いですが、原点に立ち返ってしっかり職責を果たしたいです。どの事件・紛争にもそれぞれ個性があります。それらの事件・紛争の真相や実態に迫り、裁判官どうしで自由に意見交換をして判例の形成をはかり、実質的な解決が図れないかチャレンジしていきたいです。

  • 裁判官へのアンケートより

    自分の個性・信念が
    最も体現した裁判や就任前の仕事

    どの裁判にも全力で取り組むように心がけているので、特定の裁判を挙げることは差し控えたいと思っています。裁判以外では、裁判所の庁舎の管理・運営を預かる責任者(最高裁経理局長)の立場にあった際に、東日本大震災に遭遇し、非常時における裁判所の在り方について、改めて問題意識を深めることとなったことが今でも印象に残っています。

  • 夫婦別姓や同性婚を求める
    裁判など、社会の変化や
    価値観の多様化に
    どう向き合うか

    夫婦別姓についての私の考えは、関与した大法廷決定で示したとおりです。同性婚のように下級審で審理が係属している事件については、回答を差し控えさせていただきます。一般論としては、社会の変化、価値観の多様化や、それに伴う国民の声の高まりを十分踏まえて、事件に向き合っていきたいと考えています。

  • 性犯罪に関する法改正について

    性犯罪の事件については、刑事司法の原則を踏まえた上で、被害者の気持ちや立場を十分に考えた審理裁判がされるように努めていくべきと考えています。

  • 再審をめぐる現状について

    判断の誤りを防ぐためには、個々の事件で当事者が適切な訴訟活動をし、裁判官が適切な審理判断をすることが必要であることはいうまでもありません。そうした制度の運用や改善に向けて、法曹三者が裁判の実情を踏まえて率直な意見交換をしていくことが重要であると考えています。

  • 審理のネット中継など
    国民に開かれた司法へ
    工夫できること

    審理のインターネット公開は、重要な課題であると考えていますが、そのためには公開の対象となる審理が分かりやすいものであることが必要です。当事者はもちろん、裁判を傍聴されている人にも分かりやすい審理となるように、法廷で開かれる弁論を活性化する工夫をしています。こうした工夫の成果が積み重なっていき、他の問題についての検討も進めばそう遠くない将来にインターネットによる審理の公開の実現につながっていくものと期待しています。

  • ネット関連訴訟も増加。
    自身のネットとの向き合い方は

    インターネットが関係する事件は多種多様であり、その事件処理の在り方について一概に論ずることは難しいと考えています。情報収集手段としてのインターネットは、公私を通じてそれなしの生活は考えられない状況にありますが、一方で、書面による報道などからの情報収集も重要であり、両者のバランスをとっていきたいと考えています。

  • 最近うれしかったこと
    腹立たしかったこと

    新型コロナウイルス感染症の影響で、日常生活の中でできることが当たり前であったことができなくなり、改めてそのありがたみを痛感することが多くなりました。

  • 趣味

    趣味としての中世の法や裁判の研究に加えて、大宝律令制定過程をドラマチックに取り上げた、澤田瞳子さんの「日輪の賦」を読んだことをきっかけに、古代の法や裁判への関心に火がつきました。こうした過ぎ去りし時代の探究の一方で、SF小説や映画を通じて未来について想像することも楽しんでおり、自宅にいながらにして、過去や未来を行ったり来たりする時間を過ごしてリフレッシュしてます。

  • 最近印象に残った本や映画

    新型コロナウイルス感染症の影響で上映が延期されていた、シン・エヴァンゲリオン劇場版の完結編を鑑賞しましたが、映像のすばらしさ、ドラマの組立て、個々のセリフの深さに感動しました。古代への途を開いてくれた澤田瞳子さんが直木賞を受賞されたこともうれしい出来事でした。

就任時の記者会見より(音声はありません)

審査対象の裁判官
審査対象だった11人のプロフィールや主な裁判での判断など