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2021年2月24日判決公園の「孔子廟」は憲法違反?

どんな
裁判か

  • 儒教の祖の孔子などがまつられた施設の公園使用料を自治体が免除していることが、憲法が定める「政教分離」に反するかどうかが争われた裁判
  • 最高裁は15人の大法廷で審理
  • 15人中14人が「違憲」と判断(退官済みの裁判官1人が「合憲」の反対意見)

那覇市の公園にある孔子などをまつった「孔子廟」。琉球王国時代に中国から渡ってきた人たちの子孫らの団体が2013年につくり、市が公園の使用料を全額免除していました。これについて住民が政教分離を定めた憲法に違反すると訴えました。

市側は「沖縄の歴史や文化を伝え、観光にも活用される公共的な施設だ」と主張しましたが、1審と2審は「宗教的施設とみるべきで、憲法に違反する」と判断していました。

最高裁判所大法廷は判決で「この施設で行われる祭礼は、孔子を歴史上の偉大な人物として顕彰するだけでなく、霊をあがめ奉る宗教的意義のある儀式で、施設には宗教性がある。市が特定の宗教に対して特別な便益を提供していると評価されてもやむをえない」と指摘。市が公園使用料を免除していることは政教分離を定めた憲法に違反すると判断しました。
14人の裁判官が「違憲」と判断、「合憲」の反対意見を示したのは1人(退官済みの裁判官)でした。

この裁判についての最高裁判所の資料はこちら(NHKサイトを離れます)

審査対象の裁判官たちの判断は