裁判官のプロフィール審査対象の
裁判官の顔ぶれ

検察官出身・第1小法廷

堺 徹さかい・とおる

昭和33年7月17日生 63歳(投票日現在)
昭和57年
東京大学法学部卒業
司法修習生
昭和59年
検事任官
(その後、札幌、札幌地検室蘭支部、大阪、大津地検、法務大臣官房司法法制調査部付、東京地検などで勤務)
平成10年
旭川地検次席検事
平成12年
東京地検検事
平成17年
大阪地検検事
大阪高検検事
平成18年
東京高検検事
平成20年
東京地検交通部長
平成22年
東京地検公安部長
東京地検特別捜査部長
平成24年
福島地検検事正
平成25年
東京地検次席検事
平成26年
東京高検次席検事
平成28年
東京地検検事正
平成29年
仙台高検検事長
平成30年
最高検次長検事
令和2年
東京高検検事長
令和3年
9月3日 最高裁判所判事

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国民審査前の主な裁判での判断※令和3年9月3日就任のため
記載なし

  • 就任時の意気込み

    検察官として事件の捜査や裁判に携わってきましたが、事件の真相解明に必要な専門的知識だけでなく、組織のありようや事件に関与した人の心の奥底の動きなど、さまざまな事柄について知識を得てきました。証拠に基づく事実認定や事件の背景に対する洞察力などは、裁判官の職務にも共通する点があると思いますので、経験を生かしながら、当事者の声によく耳を傾け、謙虚な姿勢で務めたいです。

  • 裁判官へのアンケートより

    自分の個性・信念が
    最も体現した裁判や就任前の仕事

    最高裁判事就任から日が浅く、特にお話しできる裁判はありません。就任前に検察庁で勤務していた際、時代の要請等に合わせながら、取り調べの録音録画の試行を実務担当者として積極的に推進するとともに、デジタル・データの収集・保管・分析を行う部署の立ち上げに深く関与するなど、供述証拠に頼りすぎずに客観的証拠の活用に力を注ぐことができる環境作りに努めたことが、私にとって特筆すべきことの一つかと思います。

  • 夫婦別姓や同性婚を求める
    裁判など、社会の変化や
    価値観の多様化に
    どう向き合うか

    社会の変化が多様性を認め合う社会の実現を求める声の高まりにつながっていて、多様性を認め合うこと自体に対して否定的な考えは少なくなってきていると思います。しかし、どのような事柄につき、どのような範囲で、どの程度認め合うのかに関しては、様々な意見があると思います。具体的な事件の裁判に当たっては、その時点での内外の状況等を踏まえつつ、当事者の主張や様々な意見によく耳を傾け、良心に従って判断します。

  • 性犯罪に関する法改正について

    性犯罪において処罰されるべき行為をどのように定めるかについては、いろいろな意見があることは承知していますし、元検察官として関心をもって検討の動向を見守っていますが、立法に関する事柄ですから、最高裁判事として意見を述べることは差し控えたいと思います。なお、確かに性犯罪事件で無罪判決が続いた時期がありましたが、検察官が控訴して高裁で是正された事件も少なからずあったと認識しています。

  • 再審をめぐる現状について

    長年検察官を務めてきた私は、再審に関する法制度にも強い関心がありますが、法制度の変更は、国会審議を通して実現されるべきものですから、最高裁判事としては、立法内容に関わる事柄について意見を述べることは差し控えたいと思います。もっとも、事実認定に誤りのないように、先入観にとらわれず謙虚な姿勢で証拠を十分吟味することが肝要だと考えていることは、申し添えます。

  • 審理のネット中継など
    国民に開かれた司法へ
    工夫できること

    裁判の公開が憲法に明文化され、かつ、充実した裁判報道もありますから、相当程度国民に開かれた司法が実現されていると考えます。複数の外国とは異なり、日本では裁判の審理及び判決がインターネット中継されることはありませんが、関係者のプライバシーや名誉に対する配慮も必要ですから、どのような方法により、どこまで法廷の様子を外部に伝えるのを新たに認めるかについては、慎重に検討する必要があるものと考えます。

  • ネット関連訴訟も増加。
    自身のネットとの向き合い方は

    分からないことや気になることがあれば、取りあえずインターネットで下調べをしてみるということが少なくありません。そして、最近では裁判所のホームページを時々閲覧するようになりましたが、このこと以外には、特にお話しすることのできるウェブサイトやSNSはありません。

  • 最近うれしかったこと
    腹立たしかったこと

    最高裁判事への就任が決まった際や就任した直後に、周囲の方々やしばらくお会いしていなかった方々から祝福や激励の言葉を頂いたことが、最近素直にうれしく思ったことです。大谷翔平選手や東京オリパラの選手の方々の活躍、日本に縁のある方々のノーベル賞受賞もうれしく思いました。腹立たしく思ったことについては、早く忘れるようにしていることもありますが、義憤を感じたことも含めて特筆してお話しできるものはありません。

  • 趣味

    平日の朝や土日祝日にウォーキングをするのが好きです。余暇の過ごし方は、他にテレビの視聴、読書、ストレッチです。

  • 最近印象に残った本や映画

    17歳のときにチャレンジしたものの難解すぎて読むのを諦めた『人生論ノート』(三木清著)に最近再度チャレンジしてみました。難解であることに変わりなかったものの、少し理解できるところが見つかったことをうれしく思いました。また、「ローマの休日」「第三の男」「蝉しぐれ」「たそがれ清兵衛」を最近改めてDVDで観ましたが、不朽の名作は何度観ても面白いと思いましたし、心が少し洗われたような気持ちになりました。

就任時の記者会見より(音声はありません)

審査対象の裁判官
審査対象だった11人のプロフィールや主な裁判での判断など