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暗号資産得る「コインハイブ」有罪か無罪か2022年1月20日判決
第1小法廷

どんな
裁判か

  • サイトを閲覧した人のパソコンの処理能力を無断で利用して暗号資産を得るプログラムが違法かどうか争われた裁判
  • 2審の有罪判決を取り消し、被告の逆転無罪が確定することに
  • 5人の裁判官全員一致の意見

サイトを閲覧した人のパソコンの処理能力を無断で利用し、いわゆる仮想通貨=暗号資産を得るプログラム「コインハイブ」を自分の運営するサイトに埋め込んだとして、ウェブデザイナーの男性が不正なプログラムを保管した罪に問われました。
最大の争点は、プログラムが不正なものといえるか。
1審は無罪を言い渡しましたが、2審は逆転で罰金10万円の有罪としたため、被告側が上告しました。

最高裁第1小法廷は判決で「不正なプログラムかどうかは、社会の信頼や機能を保護する観点から、動作の内容に加え、パソコンの情報処理に与える影響や、プログラムの利用方法などを考慮し、社会的に許容されるものか判断する必要がある」という考え方を初めて示しました。

その上で「サイトの運営者が閲覧によって利益を得る仕組みは情報の流通のために重要だ。被告はプログラムを収益のために利用したうえ、社会的に受け入れられている広告を表示するプログラムと比べてもコンピューターへの影響などに違いはなく、社会的に許容できる範囲だ」として2審の有罪判決を取り消し、無罪が確定することになりました。

この裁判についての最高裁判所の資料は
こちら
(NHKサイトを離れます)

審査対象だった裁判官たちの判断は

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