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面接のギモン(3)「すべての答えは自分のアピールに通ず」ってどういうこと?

2023年03月15日

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「学生時代に力を入れてきたことは?」「一番苦労したことってなんですか?」面接っていろんなことを聞かれてどう答えればいいのか、悩みますよね。

そんな時に持つべき意識は、答えを「自分のアピールにつなげていく」ことなんだそう。どういうことなのか、詳しく聞きました。

(聞き手:堀祐理 本間遥)

「自分が役立つか」をアピールすべし!

学生

面接ではどういうことに気をつけて話をすればいいですか?

会社は、世の中に価値を提供したりお客様に喜んでもらうために必要な人がほしいと思って採用活動をしています。

高田貴久さん

だから採用される側は、ただ「働きたい」という気持ちだけではなく、質問がどんな形だったとしても「自分は役に立ちます」ということをアピールするための答えを返す必要があります

質問がどんな形でも?

たとえば「学生時代に苦労したことは何ですか」とかいう質問がありますよね。

はい。よく聞かれます。

でも面接官は「どういう時に苦労したのか」を詳しく知りたいわけではありません

高田貴久さん
プレセナ・ストラテジック・パートナーズCEO。経営コンサルタントや電気機器メーカーの経営企画などを経て現職。人材育成サービスを提供するかたわら、セミナーなどを通じて大学生向けの就活支援を手がけている。著書に「ロジカルプレゼンテーション就活 面接・グループディスカッション対策」など。

「自分はこのような苦労をこうした努力をして乗り越えました。だから、仕事の苦労も乗り越えることができます」みたいな話を期待しているんです。

わかるような気がします。

これが「苦労したこと」じゃなくて「うれしかったこと」だったらどうかで考えてみましょう。

「大変なサークルの調整をやり遂げてメンバーが喜んでくれた時が一番うれしかったです」

これでは不十分なんですね。

でも、「大変なサークルの調整をやり遂げてメンバーが喜んでくれた時が一番うれしかったので、会社に入ってからも調整役を引き受けて周りを盛り上げる仕事をしたいです」。

このように答えると、自分はチームプレーが求められている時に調整役として役に立つかもしれないですよっていうアピールになりますよね。

学生
本間

たしかに…!

このように、どんな質問に対しても「自分がこの会社に入ったらこんな役に立ちますよ」っていう答えを当てはめていけるといいです。

ただ熱意を伝えるだけじゃなくて、自分を採用したらどんなメリットがあるか、ということを売り込むわけですね。

心がけたいと思います!

対等な議論を意識しよう

ほかに意識しておくべきことはありますか?

自分を売り込む上では、学生側も会社を選んでいるんだ、というスタンスを持つことも大切ですね。

だから、聞かれたことにただ答えるのではなくて、答えた上で気になることを質問として投げかけて、対等な議論に持ち込んでみるのもありだと思います。

たとえば「御社の仕事で自分の経験がいきるような局面はありますか?」みたいな感じで。

面接の途中で質問してもいいんですか?

面接官も、会話になるのでうれしいと思いますよ。

もちろん、相手の話をとっちゃったら駄目ですけどね。

会話のキャッチボールをする足場を固めるための手段としては有効だと思います。

業界・企業研究もアピールのカギに

ほかに抑えておくべきポイントはありますか?

自分をアピールする上でもう一つ大切なのが、業界・企業研究です。

なぜですか?

会社を選ぶ際の選択肢って、めちゃくちゃ広がりがあるんですね。

例えば、同じ商社という業界の中でも、その成り立ちとか扱う商材の特徴やその分野の強弱によって、職場の環境や仕事内容が大きく異なってきます。

なので、それぞれで求められていることも違うんですよね。

はい。

でも、その違いを認識しないまま、なんとなく商社でこんなことやりたいですといったアピールだけしていると、面接官は「本当にうちの会社でやっていけるのかな」と思ってしまうかもしれません。

もっと言うと、しっかりした根拠もなく「コンサルと金融と商社を受けてます」と言う学生がいると、面接官は「なんか目立つとこばっかり受けてるけど、何をしたいの?」って思ってしまうわけです。

いろいろな業界に興味があること自体が悪いわけではないんですが、大切なのは、どういう軸で就活をしているのか

つまり、本当にあなたの会社を研究しています、自分は本当にその職種や業界に合っていますということをアピールできれば、頭一つ抜けることができると思います。

どれくらいのレベルまで研究しておけばいいんでしょうか。

最低限、インターネットなどに公開されている情報は見るようにしましょう。

そういうちょっとした努力すらしていない人は、会社に入ってもきっと同じなんだなって思われてしまうかもしれません。

逆に言うと、「御社のサイトに乗っていたNさんの体験談を見たんですけど」と話すだけで、ちゃんと情報を読んでいるアピールにもなります。

それは、入社してからも必要な情報を自分で取りに行きますよ、というアピールになるわけです。

面接官は入社後の様子を思い描きながら就活生を見ているんですね。

そうです。だからこそ、企業研究や業界研究は必要なんです。

研究を通して会社の中をイメージしていくと、採用担当が求めていることが見えてきます。

そうすると、アピールするべきポイントもおのずとわかってくると思いますよ。

ありがとうございました。

面接のギモン、次回は面接の際に就活生が持つべき「視点」についてお伝えします。

撮影:平野昌木 編集:谷口碧

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