就活ニュース

企業の人事・採用担当者に聞く 2021年の注目ニュース

2021年12月28日

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企業の人事・採用担当者が注目するニュースを見ると、2021年がどんな年だったのか。ビジネスのトレンド、就活で役立つキーワードが見えてきそうです。

こちらのサイト、就活応援ニュースゼミでは「人事担当者がこっそり教える マストなニュースこの3本」と題して、企業に注目するニュースを選んでもらっています。

そこから、学生リポーターが企業の課題や戦略を深掘り!

企業が選ぶニュースから、ビジネスの“ねらい”が見える

たとえば、パナソニックはこちらの3つを選びました。

MaaSデザイン思考田中将大投手の日本復帰

1番に挙がった「MaaS」は「Mobility as a Service」の略で、自動車をモノではなくサービスとして捉える考え方です。

なぜ選んだのか、学生が聞くと「自動車業界には100年に1度の大変革が起きている。パナソニックは自動車メーカーではないからこそ貢献できるのではないか」と答えてくれました。

「家電の会社」と思われがちですが、電気自動車も普及する中で自動車業界にビジネスチャンスを見いだしているようです。

2021年 企業が選んだニュースは?

こうして2021年はたくさんの企業を取材し、業種もさまざま合計20社に。

2021年取材した企業など一覧
三井不動産、小学館、神戸市、コーセー、JICA、日本製鉄、日本マクドナルド、ライオン、オリックス、損保ジャパン、パナソニック、マツダ、サイボウズ、キッコーマン、日本交通、大和ハウス工業、アクセンチュア、ユニ・チャーム、AGC、サイゼリヤ

選んでもらったニュースをまとめてみると、2021年のビジネスのトレンドが見えてきました。

特に挙げられた数が多かったニュースはこちらの3つです。

【2021年 人事が選ぶ注目のニュース】
1.SDGs・環境
2.新型コロナウイルス
3.DX=デジタルトランスフォーメーション

最重要はSDGs・環境

まず注目は「SDGs」や「脱炭素」といったキーワード。

2021年に取材した20社のうち、半数近い9社がSDGsなど環境に関連するニュースを挙げました。

多くの企業の間で、一段と注目度が上がっている様子がうかがえます。

それでは、掲載した記事の中から、各社の取り組みを見てみましょう。

ライオン

生活用品メーカーのライオンは環境に関するニュースの中でも、「プラスチックゴミ問題」が課題だと言います。

洗剤やシャンプーのボトルなど、どうしてもプラスチックを多く使う業界だけに、ライオンでも使用量は年々増加しているためです。

販売量の増加に伴い使用量は増加傾向にある。

どんな対策をしているか、聞きました。

学生
小野口

具体的にどんなことをしているんですか?

洗剤などのつめかえ製品のフィルムは同業他社と協働し、もう一度フィルム容器として再生できないか研究を進めています。

ライオン
小野江さん

プラスチックごみ削減
ライオンは花王と詰め替え容器を回収し、同じ容器を再生産するリサイクル技術の開発に共同で乗り出している。2025年をめどに仕組み作りを目指す。

ライバル関係だと思っていました。

SDGsは単一企業どころかその一業界だけでも解決できるような課題ではなく、社会全体を巻き込んだ活動にしていく必要があると思います。

あわせてごらんください

日本製鉄

注目ニュースに「カーボンニュートラル」を挙げたのは、鉄鋼業界大手の日本製鉄。

政府は「2050年までの温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」として、「カーボンニュートラル」の実現を目指しています。

実は鉄鋼業は製造業の中で最も多くCO2を出しているため、対策は待ったなしなんです。

危機感を率直に話してくれました。

学生
白賀

2050年までの温室効果ガス実質ゼロというのは達成できると思いますか。

開発をするのにコストがかかるので、それをどう乗り越えていくか。

日本製鉄
小島さん

前向きに検討していくのですが単体の会社では難しさもあります。

どうやって減らしていくんですか。

ひとつが「水素還元」という技術の開発です。

日本製鉄
高濱さん

水素還元技術
鉄鉱石から余分な酸素を取り除くために現在は石炭が使われているが、石炭の代わりに水素で還元する技術。発生するのは二酸化炭素ではなく水となる。

他の鉄鋼メーカーや国と一緒に、試験高炉で研究を続けているところです。

あわせてごらんください

人事が選ぶマストニュース

日本製鉄 人事担当者に聞く 温室効果ガス削減は待ったなし

2021年02月26日

新型コロナとどう向き合ったか

2021年、新型コロナの感染拡大は何度も「波」となって押し寄せました。

年明け早々に1都3県に緊急事態宣言が出されると、常に日本のどこかで宣言が出されている状態になりました。

8月には「第5波」のピークを迎え、1日の国内の感染者が2万5000人を超える事態に。

宣言がすべて解除されたのは10月に入ってからでした。

この間、就活は引き続きオンラインが中心になり、対面でのインターンシップや面接の機会は限られました。

新型コロナを注目ニュースに挙げた企業も多く、事業への影響だけでなく「ウィズコロナ」「アフターコロナ」を見越した動きも話してくれました。

日本マクドナルド

コロナで打撃を受けた外食産業の中でも、実はハンバーガーチェーンなどファストフードは持ち帰り需要に応えて、日本マクドナルドは利益を伸ばしました。

その裏側を聞きました。

学生
白賀

(コロナ禍での)ファストフードのあり方ってどういうものですか?

お客様一人ひとりのニーズをしっかりとくみ取って、何ができるのか考えて応えていくことが重要だとすごく感じました。

日本マクドナルド
渡辺さん

緊急事態宣言下では、人との接触を極力抑えられるドライブスルーとデリバリー、モバイルオーダーがすごく伸びました。

ファストフード業界全体を見ても、デリバリーなどは増えたんですか?

もちろんです。販売チャネルの多様化がこの状況下における業績の別れ目になりました。

あわせてごらんください

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日本マクドナルド人事担当者に聞く 選ばれ続けるために

2021年03月04日

小学館

出版業界も緊急事態宣言で書店の売り上げやイベントの延期など影響を受けました。

小学館も影響を受けたものの、「巣ごもり消費」でデジタルの領域ではプラスの影響。

さらに意外にも紙の雑誌へのニーズも生まれたそうです。

学生
伊藤

コロナは出版社にとって打撃だったのか、それとも前向きにとらえられるのでしょうか。

広い意味での売り上げでいうと、実はそんなに打撃じゃないんですよね。

小学館
加藤さん

(紙の出版物で)マイナスはありましたが、アウトドア雑誌の売り上げは好調でソロキャンプ特集を組んだ号は、完売に近かったんです。

紙で読みたい、紙の雑誌が欲しいという人にも届いてますし、アプリでコミックを読みたいという人には、デジタルで届いているんです。

読者のニーズに合わせた形で、しっかりと届ける必要があります。

あわせてごらんください

DXが迫られた1年

そして、2021年は新型コロナでビジネスのあり方、働き方が大きく変化する中で、注目が増したのが「DX=デジタルトランスフォーメーション」です。

9月1日にはデジタル庁が発足し、民間からの約200人を含む600人の体制でスタートしました。

行政サービスのデジタル化や、国などのデータの民間活用も期待されています。

ビジネスの現場でも、盛んに「DX、DX」と叫ばれた1年だったのではないでしょうか。

DXを進める企業もたくさん取材しました。

コーセー

緊急事態宣言の間には店舗を閉めることもあった、化粧品メーカーのコーセー。

これまでは対面でアドバイスも交えて商品を売ることがひとつの強みでしたが、「非接触」で買い物ができる店舗を導入しました。

学生
小野口

どんな技術があるんですか?

例えば、手をかざすと自動で美容液が出てくるオートテスターを取り入れています。

コーセー
小林さん

店舗にスタッフはいるんですが、対面での会話に抵抗があるお客さま向けに、メイクシミュレーターも設置しています。

学生
西澤

デジタルを活用した店舗が増えると、実店舗で働く人の仕事はなくなっちゃうんですか?

お客さま1人1人の嗜好にあわせてアドバイスをするのはやっぱり店頭に立っている美容部員の仕事です。

デジタル化が進んでもなくならない大事なところだと思います。

あわせてごらんください

人事が選ぶマストニュース

コーセー 人事担当者に聞く 環境激変!どうする化粧品業界

2021年02月22日

神戸市

もちろん、行政のデジタル化も待ったなし。

自治体はどうデジタル化を進めればいいのか、神戸市に率直な思いを聞きました。

学生
伊藤

デジタル化、やっぱり課題になっているんですか。

社会の課題がますます複雑になる中で、今までどおりにやっていたら間に合いません

神戸市
玉田さん

デジタル化を進めていく中で何か課題が見えてきたりしましたか?

法律の制約があったり、初期投資の費用がかかってきたりします。

どう優先順位をつけていくか、高齢者の方など機械が苦手な方への配慮もしながらやっていかないといけない。

でもデジタル化が進めば「なんでこんな手続きしてるんやろ」ってことも、ガラッと解決するのではと思っています。

あわせてごらんください

人事が選ぶマストニュース

神戸市 人事担当者に聞く 地方公務員ってどんな仕事?

2021年02月15日

さらに、さまざまなニュースが

各企業が選んだニュースからは、2021年のトレンドが見える話題がほかにもたくさんありました。

もう少しだけ、振り返ります。

【働き方・雇用のキーワード】

副業
新型コロナで在宅勤務・テレワークが進んだ中、働き方を見つめ直す人も増えたのではないでしょうか。

通年採用
年々、早期化する就活。企業や自治体でも従来のスケジュールを見直して採用のタイミングを増やす動きが出ています。

【経営のキーワード】

デザイン経営
デザインに関わる人の発想法をもとにして、ユーザーに寄り添って共感を満たすことを大事にします。日本企業でも戦略の段階から取り入れる動きが出ています。

パーパス経営
企業の「存在意義」「志」をしっかり定めて経営していくことを指します。不確実な時代に企業があり方を模索しています。

両利きの経営
ただの多角化とは違い、本業の中から新規事業に活かせる技術や芽を見極め育てる経営。ものづくり企業は特に注目しています。

【スポーツ・エンタメのキーワード】

大谷翔平 選手
大リーグでピッチャーとして9勝、156奪三振、バッターとしてホームラン46本、26盗塁。アメリカンリーグのMVP=最優秀選手を満票で受賞し、2021年のスポーツ界を代表する活躍でした。

鬼滅の刃
新たなテレビアニメのシリーズの開始やさまざまなグッズの展開など、2021年も引き続きエンターテイメント業界をけん引しました。

2022年はどんなニュースが?

明るいニュース、厳しさもあるニュース。

2021年、さまざまなニュースがありましたが、企業の皆さんはすべてビジネスのヒントと捉えて、チャンスに変えているようでした。

2022年がどんな年になるか、就活生のみなさんもたくさんのニュースに触れながら、チャンスの芽をつかみとってください。

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