2022年09月21日
せっかく参加した夏のインターンシップ。その経験をこれからの就活にどう生かしていけばいいのでしょうか?
インターンの振り返り方のポイントについて、専門家に聞きました。
(聞き手:梶原龍 芹川美侑 堀祐理)
学生
梶原
夏のインターンを今後の就活に生かしていこうと考えた場合、具体的にどうすればいいでしょうか。
「企業情報」と「自分自身の働く姿勢」の2つをぜひ、確認してください。
松本さん
どういうことでしょうか?
まずは、企業情報について説明します。
それぞれの企業の情報って、複数の企業のインターンに参加しているうちに結構忘れちゃうことがあるんですよね。
特にオンラインの場合は、説明を聞いている時は何となく理解したつもりになっていても、あとで思い返すと内容があまり印象に残っていないってこともあると思います。
ディスコ キャリタスリサーチ 松本あゆみ研究員
学生の就職活動状況など就職・採用に関する調査・分析を実施。採用アウトソーシング、就職情報サイトの学生向けプロモーション、採用コンサルティング部門などを経て、2015年より現職。
就活では、当初地元に戻るつもりが親の転勤で戻れなくなり、突如方針転換を迫られ、思わぬキャリアを歩むことに。
学生
芹川
あったかもしれません…。
そこで「自分はこの企業に興味ないんだ」って思い込むのではなくて、もう1回、どんな企業だったのかを思い出してみてください。
まずは、事業内容とか社風みたいなところを思い出す。
そして、「いいな」と感じた点や「あまり自分に合わないかも」と思った点を、その理由と一緒に洗い出してみましょう。
何社か参加した後に振り返ってみると「こういうところに自分は魅力を感じるんだな」とか、「こういうところは合わないんだ」って思う共通のポイントが見えてくるはずです。
そうすると、就活の軸が見つけやすくなると思います。
自分のこだわりが見えてくるんですね。
そうですね。
できるだけ具体的に書き出したものをふかんして見ることで、自分の考え方が整理できると思います。
あと、企業の数って無数にあるので、ゼロから企業を探そうとするとどう手を付ければいいのか分からなくなってしまうと思うんですよね。
「自分はこういう企業がいいと思う」という点が分かっていたらその目線で探していけるので、自分の軸に合う会社を効率的に見つけやすくなると思います。
当然、「意外とこの企業は合わなかったな」というようなケースも出てきます。
それもまた「何でだったんだろう」と振り返ってもらうと、多角的に自分の軸を点検できるはずです。
もう1つの「自分自身の働く姿勢」はどう振り返ったらいいんですか?
インターンでグループワークを行う機会があった方も多いと思います。
その中で、自分がどういう働きができたのかをしっかり振り返るようにしましょう。
自分がどういう形で貢献するのが得意で、どういうことが苦手なのか。
あるいは、ほかの就活生と接する中で「自分はこういう特性があるんだな」という確認をします。
また、他の就活生の良いと思った言動を次の機会にまねして試すことで、コミュニケーションの成長にもつなげられると思います。
振り返ることで自分自身を知ることができるんですね。
はい。せっかく参加したインターンですので、ぜひ今後にいかしていきましょう。
学生
堀
とはいえ、すぐに、秋冬のインターンの時期がきて、なかなか夏を振り返っている時間がないな…とも思うんですけど。
そんなに時間をかけなくても構いません。
でも、夏を振り返ってやりたいことを明確にした方が、秋冬インターンへの志望動機や自己PRも書きやすくなるはずです。
夏期インターンを振り返ることでできた軸を秋冬インターンのESに書いたり面接で話してみたりして、自分の中でそれがしっくりくるのかこないのかや、面接官に刺さるのかどうかを確認していくといいと思います。
なるほど…やるようにします。
部活やゼミなどが忙しくてまだ就活をスタートしていない、あるいは夏期インターンの選考に落ちてしまった人もいると思います。
そういう人たちは今後何から始めて行けばいいですか?
可能な範囲で、参加できるインターンや仕事研究のセミナーなどを探して参加しましょう。
まずは、何となくでも就活ってこんなことしなきゃいけないんだなというイメージを持っておくことが大切です。
やっぱり、夏インターンに参加している人たちよりは遅れてしまっているんでしょうか。
少なくとも、引け目を感じたり焦ったりする必要は全然ないです。
ただ、「遅れてる、やばい」って悩んでいるぐらいだったら、まずは行動して1歩目を踏み出したほうがいいと思います。
早めに企業と接点を持っているほうが有利な印象がありますが…。
接点を持った時期によって有利になるとか不利になるとかはあんまりないかなと。
もちろん、早めに企業と接点を持って、その後も何度も何度も接点を持っていれば、企業への理解がより深まって選考で言えることが増えるという利点はあると思いますが。
ただ、夏のインターンに参加しなかったから受かる確率が下がります、みたいなことはないと思いますし、就活を始める時期、終える時期は人によってそれぞれです。
まだまだ時間はあるので、自分のペースで進めていって大丈夫だと思ってください。
シリーズ「夏休み明けの動き方」、 次回は、秋冬のインターンシップに向けた心構えについて紹介します。
編集・撮影:谷口碧
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