2022年10月11日
「企業研究」とひと言でいっても、ゴールがよく分からない。もっと視野を広げたほうがいいんだろうか…希望する業界についてどこまで深掘りすればいいんだろうか…悩みはつきませんよね。
この時期にやるべきこと、意識すべきことについて、学生リポーターが聞きました。
(聞き手:梶原龍 芹川美侑 堀祐理)
学生
梶原
夏休み明けのこの時期、どのようなことを意識して企業研究を進めていけばいいですか?
今の時点では、企業を「絞り込む」というよりは「広く見る」ところに意識を向けたほうがいいと思います。
松本さん
「自分の軸」を中心に、その企業が社会にどういう価値を提供しているのかや、どういう人と関わり合いながら仕事を進めているのかなどを広い目でチェックしてみてください。
ディスコ キャリタスリサーチ 松本あゆみ研究員
学生の就職活動状況など就職・採用に関する調査・分析を実施。
採用アウトソーシング、就職情報サイトの学生向けプロモーション、採用コンサルティング部門などを経て、2015年より現職。
就活では、当初地元に戻るつもりが親の転勤で戻れなくなり、突如方針転換を迫られ、思わぬキャリアを歩むことに。
学生
芹川
「自分の軸」というのがまだピンとこないんですけど…。みんなどうやって決めているんですか?直感的に自分が大切だと思ったことですか?
そうですね。ESなどに書く「どのように社会に貢献していきたいか」といった「気持ち的な軸」と、給料や勤務地といった「条件の軸」があると思います。
条件面は企業の選択が必要になったタイミングで取捨選択すればいいので、それよりも気持ち的な軸、キャリア観とか仕事への向き合い方などを先に固めたほうがいいと思います。
どんな業界で働きたいか、とか、どんなところにやりがいを感じることができそうか、といったことですね。
なんとなく知っていたり、聞いたことがある企業から見始める人が多いと思います。
そこから視野を広げるためには、その企業の関連会社を見ていけばいいですか?
単純に取引先を見るだけではなくて、どういう流れで価値を提供しているかを見ていくといいと思います。
例えば、同じ製造業でも企業ごとにステークホルダー(企業に対して利害関係を持つ人)が変わるので、それぞれの企業が原材料を仕入れて、商品をつくって、売るという流れの中でどんな業界や企業と関わるのかを見ていく。
学生
堀
もうちょっとだけわかりやすく説明していただけますか。
金融なら、顧客にも個人と法人があったり、ITなら個人向けの商品を作るだけじゃなくて、サービスをパッケージとして拡販したり企業に合わせてカスタマイズしていったりする場合もあると思います。
そういう流れを見ながら、経営者向けに提案する機会がある仕事がいいとか、海外と取り引きできる仕事がいいとか、自分の軸と照らし合わせてみる。
あと、具体的な取引先が分かるのであれば、その会社のことも調べてみると意外とそっちの方が面白そうだと思うこともあると思いますよ。
そういうところも見ていくと視野が広がると思います。
なるほど…。
企業研究ってどこまでも深められるような気がしているのですが、どこまで深めたらいいのかゴールがよくわかりません…。
企業を絞り切れていない段階で、自分がその企業に興味を持てるかどうか確かめるくらいであれば、気軽にホームページを見るくらいでいいと思います。
就活が本格化して、選考のフェーズに入ると、その企業について一定程度理解しているかが判断基準の1つになると思います。
ですが、ホームページに書いてあることや企業説明会で話しているようなことはみんな見ているので、なかなか差をつけにくいですよね。
なので、本当に興味のある企業であれば、そこからさらにIR(株主や投資家向けの情報)を見てみたり、新聞やテレビニュースなどでその業界のトピックを追ったり、さらには、業界専門誌に少し目を通して見るとか。
ちょっと深いところまで調べて、面接でその話題について話せるようにしておくと、企業側も「この子、詳しく研究しているな」と思ってくれるかもしれません。
さっそく調べてみたいと思います。
いろいろな企業を見ても、やりたい仕事が見つからない場合はどうしたらいいですか?
本当にやりたい、と思える仕事を見つけるのって難しいですよね。今の段階で決まっている必要は全然ないです。
自分が何を大切にしたいか、どういうキャリアを築いていきたいかが決まっていないと、いくら企業の情報を入れてもどれもピンとこないと思うんです。
ですから、やっぱりまずはインターンなどの経験を振り返って自分の考えを整理して、先ほど説明した「自分の軸」を見つけていくことが大事だと思いますね。
自分が働くうえで、何を大切にしたいかってことですね。
やりたい仕事はいつまでに見つけたほうがいいんでしょうか。
極論、最終的に1社選ぶときに具体的に決まっていればいいとは思うんですけど。
でも、やっぱり早く決まっていた方がそこに向けて具体的な動きをとりやすいと思います。
ですので、ESを本格的に書き始める前、3年生の1月ぐらいには、その時点のものでいいので、やりたいことが決まっているといいと思います。
シリーズ「夏休み明けの動き方」、 次回は、注意するべき情報の見分け方について紹介します。
編集・撮影:谷口碧
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