2022年10月21日
自分のやりたいシゴトを見つけるために欠かせないのが「自己分析」。
自分はどんな人で、これまで何を大切にしてきたのか…。どんなに振り返っても見えてこないこともありますよね。
でも、安心してください。自己分析って、はじめはみんな苦労するものなんだそうです。進め方のちょっとしたコツや考え方を紹介してもらいました。
(聞き手:梶原龍 芹川美侑 堀祐理)
自己分析ってどうやってやるのが正解なんでしょうか…。
「このやり方が一番」というものは残念ながらないと思うんです。
ただ、自分がどういう働き方をしたいのか、自分はどんなことにむいているのか、何を大切にしながら働いていきたいかといったことを言語化していくのが大切です。
結局そこが自分のキャリア観にもつながっていくと思うので、そういったところを明確にしていくために自分をよく理解していく、ということなんだと思います。
「ここまでできればOK」というような終わりの目安ってあるんですか?
正直に言うと、終わりはないです。いったん就活を終えるまでは常に続けていくべきものだと思いますし、なんなら、社会人になってからも一生、続けられるものだと思います。
ディスコ キャリタスリサーチ 松本あゆみ研究員
学生の就職活動状況など就職・採用に関する調査・分析を実施。
採用アウトソーシング、就職情報サイトの学生向けプロモーション、採用コンサルティング部門などを経て、2015年より現職。就活では、当初地元に戻るつもりが親の転勤で戻れなくなり、突如方針転換を迫られ、思わぬキャリアを歩むことに。
自己分析って、終わりがあるものだと思っていました…。
初めてで、どこから手を付けていいのか分からない人は、質問にイエス、ノーの2択で答えていくような適職診断から始めてもいいと思います。
その結果を見て、「自分ってこういう人なんだ」と客観的に自分を見てみたり、質問そのものを見て、こういう観点で考えを深めていけばいいんだなというヒントになったりもするはずです。
よく、「自分史の年表みたいなものを書いてみる」という方法を耳にします。
そうですね、よく聞くやり方なんですけど、ただ単に出来事を表面的に並べるだけで終わらないようにすることが大切ですね。
1つ1つの場面でどう感じたのかとか、どういう時に自分の気持ちが上がった、下がったというところまで深掘りしていく。
そこまでやって初めて意味があると思います。
年表をつくっただけでは、不十分だということですね…。
「あの時の行動って、素の自分が出ていたな」というのをあぶり出していくイメージです。
最近はガクチカの代わりにESで自分史を書かせる企業もあるみたいなので、1回やっておくといいかもしれないですね。
ほかにオススメの方法ってありますか?
自分1人でやっていると難しいと思うんですよね。
なので自分史を誰かに見せて「この時何を思ったの」とか、「何でこの時こうしたの」といったことを聞いてもらうといいと思います。
それに答えていく中で、自分にとっては当たり前でも他の人にとっては気になるポイントに気が付くことができたり、自分1人では分からなかった価値観に気付いたりすることもあるので。
誰に見てもらうのがいいですか?
友達でも親でも、頼みやすい人でいいと思います。
自分史を見てもらうだけではなく「自分の特徴とか強みと弱みってどこだと思う?」って聞いてみたり、自己PRを見てもらって自分の特徴がちゃんと表現できているか確認してもらったりしてもいいですね。
相手によって、自分が見せている顔って異なっていると思うんです。
親に見せる顔、仲のいい友達に見せてる顔、ゼミやサークル、アルバイトで見せている顔。それぞれ、ちょっとずつ違っているはずです。
確かに…。
ですので、いろんな人に見てもらっていろんな角度から自分を知るっていうのもありかなと思います。
いろいろな人に見てもらった結果が、これまでの自己分析とまったく異なっていた場合はどうしたらいいですか?
そのすべてに振り回される必要はありません。
自分が実際に仕事をするシーンを想像して、どの強みが生かせそうなのかを考えてみてください。
まわりから指摘された特徴の中で、仕事に生かせそうだと思うものがあれば参考にする、という程度でいいと思います。
あくまでもキャリアを考える上での視点を大切にして見てみてください。
面接で「あなたはどんな人ですか」って聞かれることがあると思うんですけど、その場合も、友達や家族から言われたことを話してもいいんですか?
もちろん、大丈夫です。むしろ自分の口からは少しアピールしづらいなという場合には、「身近な人からはこう言われています」って伝えた方が、堂々とアピールできるかもしれないですね。
最後に就活生にひとことお願いします。
結局就活って、自分で考えて自分で決断をするしかないんですよね。
こうしないといけないというものもなければ、これが絶対正解、という答えもないものばかりです。
自分で考え、自分で決めながら、答えのない課題に挑むというプロセスを通じて成長してもらいたいなと思います。
社会に出たら、就活のように「これが絶対」というような答えがない課題が山積していることに気が付くはずです。
どんどん時代の変化が激しくなっていく中で、自分で考えて行動することの重要性はより高まっています。
早く内定もらおうとか、いい会社に内定もらいたいとか、どうしてもそういう気持ちがわいてくるとは思うんですが、しっかり考え抜いて、自分が納得できるキャリアをつかんでほしいと思います。
ありがとうございました。
編集・撮影:谷口碧
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