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解禁直前!就活準備総点検【前編】 「企業研究も自己分析もゴールはある!」

2022年02月21日

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いよいよ就活シーズン本番。ところがいざ目前に迫ると「準備不足なのでは…?」という不安に襲われることも…。そこで、自信をもって臨めるよう、マイナビの高橋誠人編集長と一緒に点検しておくべきポイントを確認しましょう!

(聞き手:徳山夏音 本間遥)

 

学生
徳山

企業研究と自己分析ついてお伺いしたいと思います。まずは企業研究についてです。

点検項目①:企業研究の“ゴール”

志望企業についてどこまで深掘りすればゴールなのかがわからず、不安な学生も多いかと思います。何ができれば終わりと言えるのでしょうか?

今確認しておくべきポイントについて説明してくださる高橋誠人マイナビ編集長(右)

まず、就職活動は、大学入試とは違って明確な正解やゴールがないということが前提です。

高橋さん

確かに過去の先輩たちの事例はありますが、それがイコール自分の志望企業に通用するわけではないですよね。

そうですね。

では、“明らかに決まっていること”は何かと考えてみます。

“企業の採用の時期”ですね。

学生
本間

確かに……。

マイナビの調査では、今年も3月~4月が企業説明会やエントリーシート(ES)の提出、面接などのピークと言われています。

こうしたスケジュールを参考に、自分の中で期限を設けてもいいかと思います。

『マイナビ2022年卒企業新卒内定状況調査(2021年10月)』より抜粋して作成

期限?

たとえば、企業研究や自己分析は2月末までに終える、と決めちゃうんです。

「正解」は存在しませんが、採用スケジュールから考えた時期的な目安を考えると、これが1つの答えとなります。

企業研究の中身についてはどうでしょうか?

「なぜその企業に興味を持ったのか」「その企業で何をしたいか」という志望動機を自分の言葉で伝えることができるようになるのが目安です。

期限を決めてそこまでにできることを精一杯やる。そこまでやったら、自信をもって面接で話しましょう。

自信、持てますかね…。

完璧を求める必要はないんです。企業側も、何年かかけて成長した上で会社に貢献してくれることを期待して新卒を採用しているわけですから。

ありがとうございます。自信を持ってがんばります。

では次の点検項目です。

点検項目②:「第1志望群」以外の企業研究

「第1志望群」の企業研究やESに集中したいがために、それ以外の企業にはあまり時間をかけられないという人もいると思います。

こうした場合に最低限チェックしておくべきポイントがあれば教えてください。

難しいですよね。第1志望群から1社も内定をもらえない可能性があることも考えると、第1志望群と第2志望群で差をつけるのはリスクが高いです。

理想を言えば第2志望群であっても、第1志望群と同じぐらいの準備をするべきだと思います。

えー。

企業の人事担当者って「この学生、うちの志望度高くないな」っていうのが分かるらしいんです。それって、良い悪いじゃなくて、社会人として失礼だと思うんですよ。

学生たち

……。

企業も時間を割いて面接をしているので、練習で来ていることがあからさまに分かるようなのはマナーとしてどうかと。

そうですよね……。

とはいいながら「どうしても時間がない!」というのであれば、企業のウェブサイトや就職情報サイトの企業概要、採用データのページは最低限チェックしておく。

その企業の強みや主力商品の特徴、サイトに載っている社長のメッセージなどには目を通しておきましょう。

そして、自分がなぜその企業に興味を持ったのか、具体的にどんな仕事がしたいのかという志望動機は、先方が納得できるくらいには言えるようにしておいてほしいです。

ありがとうございます。参考にさせていただきます。

もう一つ大事なのが、競合他社をしっかり調べておくことです。

競合他社……ですか?

たまに1業界1社しか受けずに複数の業界を受ける就活生がいます。

面接官の立場からすると「うちを受けるんだったら、他の競合他社も受けるべきでは?なぜ受けないの?」って思っちゃうんですよね。

でも、中には事業内容ではないところに就活の軸を見出している人もいると思うんです。

例えばダイバーシティに力を入れている企業に行きたい場合、業界ではなく会社単位で見ていくのではないかと…。

そういう軸をもって企業を選ぶのも悪くはないと思いますが、競合他社と比べた基礎的な情報は押さえておいてほしいと思います。

例えば、環境問題に熱心に取り組んでいる企業を中心に受けるとしても、「御社でこういう仕事がしたい」という点はちゃんと言えるようにしておく必要があります。

NPOや環境政策を担う公務員でない限り、環境に対する貢献だけで企業が存続しているわけではなく、収益を上げている事業について知っておくべきです。

なるほど。そのためには、どうやって情報収集すればいいんでしょうか?

おさらいも含めての答えになりますが、就職情報会社が主催する業界セミナーに参加したり、ホームページで社長のメッセージや企業理念を確認したりしましょう。

上場している企業でしたら株主向けの情報をチェックしてみるのも、分かりやすくてお勧めです。

「アニュアルレポート」というのがあって、それに載っている中長期の計画と現在の状況を比較することで、IT部門のほうに力を入れようとしているとか、高齢者向けの商品開発に力をいれようとしているとか、企業の今後の方向性が分かります。

点検項目③:企業研究と自己分析が結び付いているか

志望動機を伝えられるくらいまで情報を集めるということですが、企業のサイトを見たり説明会に参加したりする中で、自分自身となかなか結びつけられないことが悩みです。

自己分析の目的は「自分の興味、能力、価値観を明確にすること」です。

私はこういうことに興味があります(興味)、こういう事ができます(能力)、こういうことを大切にしています(価値観)という項目を明確にしていくんです。

すると、その過程で、ある企業の理念や目的に共感できたり、求められている能力が自分に備わっていることに気付いたり、というように仕事との接点が見つかってきます。

なるほど。

この方法だと、この企業にはこういう自己PR、あの企業にはこういう自己PRというように、それぞれの企業に適した自己PRをつくることができます。

今まで、企業研究と自己分析をそれぞれ単体のものとして考えてしまっていました。自己分析は企業研究の前にした方がいいんでしょうか?

今の時期であれば同時ですね。といっても、2つを同時にするわけではありません。1時間自己分析したら、1時間企業分析、というようなことです。

企業と自分との共通点がなんとなく見えてきたら、志望動機のメドが立ちますよ。

本間さんも、例えば和食の中で何が好きか聞かれたとして、具体的に食べたことがあるから料理名が答えられると思うんです。例えば食べたことのないロシア料理だったら、答えようがないですよね。

そうですね(笑)

ちなみに自己分析もやはりゴールが分からなくて、最低限ここを押さえるというポイントはありますか?

ゴールも正解もないのは企業研究と同じです。

なので、ある程度のところまでやったら、自分の強みはこれだと自信を持つことが必要です。

あと面接では、1~2分ぐらいで自己PRをすることが多いので、それにあわせて話せるようにしておく。

人が話す速さはだいたい、300文字で1分くらいといわれているので、300字バージョンと、600字バージョンの2パターン、作っておけば大丈夫です。

同級生や先輩、キャリアセンターの方、家族でもいいので目安として最低3人、または3回は聞いてもらい、客観的評価をしてもらいましょう。

複数の人に見てもらった時に、意見がみんなバラバラで困ったことがあります。

そういう時は自分を信じて、面接の時に自信を持って話せるのはどれかなって考えるようにします。

なるほど。

最後にもう1つ質問です。

企業研究をしていると、志望企業に合わせて自分像を寄せてしまいがちになってしまうですが、大丈夫でしょうか?

寄せてしまうのはしかたないと思うんです。

企業が求めている人物像に当てはまりそうな自分の中の共通点を見つけてそれにポイントを絞って書くのに少し抵抗があって…。

別にいいんじゃないですか。自分の価値観と全く違うのに、その企業に入ることが目的で無理に企業理念に合わそうというのは違うと思います。

でも、共感できるのであれば全く問題ないと思いますよ。

ありがとうございました!

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