2021年04月27日
普段から、カメラの前に立ち続けているNHKのアナウンサーが学生リポーターの自己PR動画を題材にダメ出し&アドバイス。
今回のテーマは、「テーマ」と「コメント力」、ぜひ参考にしてみてください。
司会:石井隆広アナ
講師:杉浦友紀アナ(アナウンサー採用面接官経験者)、吉田浩アナ (新人研修講師)
学生リポーターが撮影した30秒自己PR。杉浦友紀アナ(アナウンサー採用面接官経験者)と吉田浩アナ (新人研修講師)がダメだし&アドバイスします。
石井アナ
前回は、「目線」と「話すスピード」を取り上げました。
伝わるスピードは、30秒で150文字!など実践テクがわかる前編はこちらからごらんください。
今回は、「テーマ」と「コメント力」を考えていきましょう。
自己PRでは、話すテーマがしっかりしていることは非常に大事だと思います。
吉田アナ
今回の自己PR動画で、石川さんが最初に話したことは「周囲を巻き込む積極性」でしたよね。
ただ、同じ1つのテーマの中に「周囲を巻き込む」と「積極性」の2つ要素がありますよね。
「2つのことをいいとこ取りをしたキャッチフレーズ」とも思えるので、30秒で言うとなると、テーマを設定するときにもう一度、考えてほしいなと思いましたね。
エピソードについてはどうでしょう。
みんなに役割を与えて1本の作品を作ったっていうエピソードはよかったです。
杉浦アナ
ただ、もう少し、例えば部員から、実際こんな声があったとか、こういう成果に結びついたっていう(結果に)具体性が欲しいなっていうのはありますね。
客観性も担保すると。
そうですね。
構成についてはどうでしょう?
1歩ハードルが上がる話になるかもしれませんが、「私の強みは○○です」っていうパターンに皆さん陥りがちなんですよ。
突き詰めてそれがいちばん伝わるのでしたら、それがいいと思いますけど、何となくそう言ってないか、考えてほしいなと思って。
わたしたち面接官は、(選考用の動画を)結構な数を見ます。だから、みんな同じ入り方だと、また同じだなと思ってしまうんですよ。
「突拍子もないことを」っていうわけじゃないんですが、「私の強みは○○です」から入らなくてもいいのかなと面接官視点では思いますね。
なるほど。
「文学部3年の石川将也です。周囲を巻き込む積極性が僕の強みです!」でもいいです。反転してもいいわけです。
何がいちばん自分も言いやすくて、伝わる流れになるのかなって考えてみるといいですね。
考える時にずっと紙に向かって書いてると、結局よくあるコメントのパターンに陥ってしまうので、とにかく何回も声に出すのが1番いいと思います。
「人を巻き込む事に自信があるんです」でもいいんですよね。
そうなんです。「自信があります!」でもいいですし。
書き言葉のままだと、しゃべり言葉になっていなくて、なかなか伝わらない。
やっぱり(下書きを)書くにしても、それをしゃべる言葉に変換してPRしてもらえれば、動画がもっと良くなるのではないかなと思いますね。
使っている言葉についてはどうでしょう?
「班長」っていう言葉を使っていましたよね。これは、仲間内では通じる言葉ですが、面接官が、聞いた時にすぐに分かるかどうか。
班長より、「サークルのリーダーを務めていました」の方が、より一般的には分かりやすい。
いろんな人にわかる、一般化できる言葉で表してもらったほうがいいと思いますね。
最後、演出についてです。おふたりの印象ではちょっと暗い感じがしてしまったと。
1つ大事なのは、やはり照明だと思いますね。
大事だね。
皆さんのご自宅に本格的な照明がないのは、当たり前です。
私がおすすめするのは、“日中に撮ること”!
家庭の蛍光灯とか、白熱灯とかですと、顔が暗く映ってしまいやすいです。
なので、日中の自然光を意識するといいです。逆光にならず、自然光がパーッときれいにあたる位置を探してみてください。
もう1つこれはテクニックなんですが、ちょうどここに白い板があるので、こういう白い物をこうやって入れるだけで、結構変わるでしょ。
そうですよね。
光が反射して。そうすると顔がパーッて明るくなります。
明らかに違う。
こんなにちょっとの差で変わるんですよ。
あと、背にする壁はあまり情報がないようにしたほうがいいですよね。
石川さんの動画では、カーテンを背負ってたと思うんですけど、やはりなるべく後ろには何もない状況がいちばんきれいに映ると思いますね。
石川さん、なにか聞きたいことはありますか。
学生
石川
僕、滑舌がすごく悪いなって感じていて。
どのような意識をしたら早口とか滑舌を直せるのかをお聞きしたいんですけれども。
いかがですか。
滑舌は私もいまだに悪いです。
私が経験に基づいて意識しているのは、「焦らない」こと。特に、言いにくい言葉はゆっくりしゃべるに限ります。
石川さんのお話を聞いてると、“さしすせそ”が苦手だと思うんですよね。そしたら、“さしすせそ”をなるべく使わないっていう手もあるかなって思います。
どうしても苦手な言葉は使わない。
はい、ありがとうございます。
こうした、アドバイスをもとに事前にお伝えして、自己PR動画を取り直してもらっております。
それを今日ご参加の皆さんに、お見せしたいと思います。
<石川君アフター動画>
全く変わりましたね。
別人と言ったらちょっと言い過ぎですけれども。
見違えるようですが、アフター動画を撮るときは、どこを意識されました?
まずはゆっくり話す事に意識をおきました。
あと、アルバイト先の社員さんにも見ていただいて、よりブラッシュアップする事ができたかなと思います。
ちなみに何回くらい撮りました?
10回くらい撮りました。
でも今回は、やっていくうちにだんだんだんだん良くなっていくのが自分でも分かったので、撮っていてすごく楽しかったです。
衣装も白を基調にして、非常に全体が明るく見える。
背景もそうなんですけれども、表情豊かに見えるのがあの色なんだなってことを、今回分かってもらえてよかったなと思います。
実際にご覧になって、アフター動画の方がいつもの自分に近いですかね?
そうですね。アフター動画の方が、自分が出ていると僕も実感してます。
カメラ位置だけでもこんなに変わるのかってびっくりしました。
あえて、アドバイスすると、あの色紙が出てきたのはやはり具体的なエピソードとして、私たちよく「使える」って言っちゃうんですけど、使った方がいいです。
なので、あの色紙はもっと前に出していいですね。
なるほど。石川さん、これも踏まえて、引き続き頑張っていただければと思います。
ありがとうございました。
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