2021年04月23日
就活のギモン面接編、今回は、よくあるこちらのギモンを取り上げます。
あれだけ面接官と盛り上がったのにお祈りメール・・・、なぜ?
面接官の視点や採用する企業側の意図もよく知る就活のエキスパートに聞いてみると、学生側と採用側の見えているモノの違いに答えがありました。
(学生リポーター:石川将也(22年卒) 勝島杏奈(21年卒) 司会:石井隆広NHKアナウンサー)
石井アナ
就活生からの質問です。
「面接では結構盛り上がって手応えがありました。でもお祈りメールが・・・(泣)ダメだった原因がわからず困っています。3日後に同業種の企業の面接がありますが、思い切って話す内容を変えた方がいいでしょうか?」
就活を経験した4年生の勝島さん、このギモンどう思いますか?
21年卒
勝島
これは本当に“あるある”だと思います。
面接で盛り上がった人は不合格になって、厳しいコメントをされた人は受かるという噂の企業もありました。
面接官が何を考えてるのかが分からず、人間不信になると悩んでる友達も結構多かったです。
石川さんは?
22年卒
石川
面接で盛り上がったことで、自分を伝えられたという確信を持つ友達が多いので、何が原因なのかすごく気になりますね。
気になりますよね。だって手応えが分からないですからね。
では、この場合、思い切って話す内容を変えたほうがいいのか。「○」か「×」かで専門家にお答えいただけます。どうぞ。
全員「×」。「変えなくてもよい」ということですね。
では、伺っていきましょう。まず増本さん。
いろいろな噂や経験も含めてあると思うんですけど、盛り上がったからいいかというと必ずしもそうではないこともあるかと思います。
増本さん
特に、「BtoCの企業」ですと、就活生が将来のお客さんになるということを意識されて、気持よく面接からお帰ししたいというケースもあります。
ですから、その場の盛り上がりで判断できるわけではないことを、前提として知っておいた方がいいかと思います。
2021年3月17日に取材、収録。
【4社にお答えいただいた「就活のギモン」の内容は、動画版もあります!「就活ゼミ」→「就活ニュース」→「動画」からチェック。就活関連の動画は、NHK公式YouTubeなどでもごらんいただけます!】
あと面接ではよくあるケースなんですけど。
人物は期待できそうだけど、話す内容がわかりにくくて、判断できない・・・、ということが結構あるんですね。
よさそうだけど、面接ではそこまで印象がUPしていないと。
その学生さんが「伝えること」をスキルアップすれば、「魅力がダイレクトに伝わって採用したいと思えるのに」ってことですね。
ですから、「内容を変える前に自分の言っていることが、伝わりやすいのか」を誰かに確認してみるといいと思います。
寺口さんも「×」ですね。
本質的には伝える内容は(変えない方がいい)“聖域”で、伝えたいことを伝わるように変えた方がいいと思います。
寺口さん
参考になるか分からないですけど、僕は(就活生の時)リクルーターと普通にケンカしましたね。
リクルーターから「受かるために、エピソードをブラッシュアップできないの?」と言われたんで。
「何で自分を表すエピソードを変えなきゃいけないんですか?」って言い返しました。
ただ「伝え方をこうした方がいいよ」っていうフィードバックは素直に受け入れる。
「表現は練習すれば伸ばせる」ので、ブラッシュアップしたらいいと思いますね。
中野さんにも「×」の理由をお聞きします。
私は企業側からみて面接がどんな構造になってるかを説明させていただきます。
中野さん
企業は、学生を採用するときに「会社の文化との一致度が高いかどうか」を見ようとするんですね。そこがまず重要なポイントです。
面接が盛り上がったってことでしたけど「面接官と学生さんの相性がよかった場合」と、「会社の文化とも合っていた場合」の2パターンに分かれるんじゃないかなと思います。
「面接官との相性」が良くても、「企業文化との相性」とは合わなかったという場合もあるんですよ。それで落ちたということもありえるかなと思いましたね。
なるほど。
さらに言いますと、会社の文化とも相性がよかった場合でも落ちることがあるんですね。
なぜですか?
なぜかというと、採用人数って無制限じゃないからです。
もちろん企業文化との一致度が高い人から採用していきますが、それが20人いても、その年の採用人数が10人であれば、10人を選ばざるをえない。
本人からしたら、すごく盛り上がったかもしれないけど、他の子はもっと盛り上がったかもしれないってこともありますよね。
自分の世界だけで見ると、自分がベストパフォーマンスを出せば、絶対通過できるんだって思っちゃうんですね。
でも企業側の目線から考えると、そんなことはないと理解ができると思うんで、そこはもう割り切るしかないかなと正直思います。
最後に高橋さん、どうでしょうか?
僕は面接官をやっていた時、面接した学生に対して、最後には笑顔で帰ってもらおうとするんですよ。
高橋さん
それは合否に関わらず?
はい。でもですね、合否はつけるんですよ。いくら笑顔で終わっても、落とすこともあります。
盛り上がってもですか。
盛り上がった内容にもよります。
しっかり企業研究をしてきた学生さんが「こういうような事業展開をしたらどうですか」と言われて、(面接官も)「ちょうどそれを思っていた」っていうので盛り上がれば、それは合格だと思うんですよね。
ただ、面接官によって反応、評価が変わる可能性は十分あるので、盛り上がった選考だったのに落ちたから内容を変えるというのではなくて、
自分が伝えた内容に対して自信を持って、また違う企業にあたっていくポジティブさがやっぱり基本だと思うんですね。
高橋さんが面接官をされたときの例をおっしゃったんですけど、他の方も面接官をされたときに、学生と話していて盛り上がったけど不合格にしたことがあれば、その時の面接官側の心境を教えてほしいです。
では増本さん、面接官の経験がございますかね。
はい。「社会に出て活躍しそうだなっていう学生さん」なのですが、面接での本人の志向・価値観や希望を聞いていると、どう考えてもうちの会社より、別の道に進まれた方がいいのではと感じる時が結構あります。
で、その時には、つまびらかにそこら辺のお話をさせていただいて、選択肢を踏まえた上で、どっちがいいかを教えてほしいって(学生さんに)お話しした経験があります。
なるほど。中野さんは経営者でもありますが。
私自身も(盛り上がったのに落とした)経験があります。1時間の面接時間のうち、30分話したところで「その人には魅力があるけど、うちの今の受け入れ体制では難しいかもしれない」って判断することがあります。
その後、残り30分がその学生さんにとってよりよい時間になってほしいなっていう気持ちで話すので、「盛り上がったって印象を受ける可能性がある」んですけど、そういうことは往々にしてあります。
過去には面接のあとに、何で落ちたか理解ができない!という話をいただいたこともありましたね。非常に難しいですよ。1時間とか45分の中で全てを伝えきるって。
ただ、誠実に対応するというのが大事だと思ってるんで、納得できなくても理解はできるように持っていこうという考えで面接官は、基本的に動いていると思います。
どうですか、心境ちょっとおわかりになりました?
やはり皆さん、企業との相性をちゃんと考えていただいているんだなと思って、面接官側の考えが聞けてよかったです。ありがとうございます。
まとめますと、思い切って話す内容を変えたほうがいいのかどうかについては皆さん「×」でした。
「面接の盛り上がりと採用とはまた別の話だ」ということもありましたし、「伝え方を振り返って、改善してみる」というのが1つの提案ということですね。
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