2020年07月07日
内定承諾までたどり着き、長かった就活にピリオド!でも、もう少しだけ気になることを解消しておきましょう。最終回は、内定承諾後に関する疑問を、学生リポーターが聞いてきました。
※オンラインにて取材
(聞き手:田嶋あいか 堤啓太)
※タイトルおよび学生が使う「内定」は、内々定の意味です。
今回は、内定承諾後の話ですが、勤務地の希望は伝えてもいいものですか?
勤務地ですか。そうですね……これ、ちょっと迷うところですね。
「どんなふうに働きたい」というキャリアビジョンは、選考でも伝えているはずなので、伝えること自体は悪い事ではないと思っています。
ただ、内々定後とはいえ、勤務地の希望だけ聞かされると、企業側は「それはなんでだろう?」と思うかなと。
変ですか?
「自宅から通いたい」「新しい土地に行くのが怖い」など、(企業側に)消極的な印象として受け取られてしまうこともあると思うんですよね。
あえて勤務地の希望だけを伝えるのは、ちょっと考えてからのほうがいいかもしれないですね。
勤務地のことを聞くとネガティブに働く可能性があるっていうことですか?
伝えるべき事情があればもちろん問題ないですが、単に勤務地だけを聞くと、そう受け取られる可能性がありますね。
「どこどこに行かされるんですか」って、聞いてしまうのはよくないんですね…。
今の質問がまさしくそうで、「どこどこ行かされちゃうんですか」って質問がネガティブですよね。今、グローバル化の時代で、国内外問わず広く展開しなければいけないと考えている企業も多いです。
その時に、「やっぱりできるだけ勤務地を限定したい」っていう事が、会社の求めている人物像とマッチするかということです。
その話とちょっと関連すると思うんですけど(学生は)志望動機の書きやすさとかで実際そんなに行きたいと思っていなくても「この職種が希望です!」って面接で言うこともあると思うんです。
もしそれで内定をもらった場合、内定後に職種を変更してもらうことはできるんですか?
都合のいい話なんですけど(笑)
少なからずありうる話ですよね。「盛る」って言葉があるように、入社するために、勢いで言うみたいなことはありますよね。これは受かりたい熱量として仕方ないと思うんです。
総合職採用で勤務地とか含めて配属がいろいろあるよっていう企業に関しては、内定式とか入社までのタイミングで、もう少し詳細な説明と、正式な調査を行うケースのほうが多いかな。
そうなんですね。
入社試験での皆さんの志望だけで判断する場合ばかりではないと思います。
実際、うちの会社(マイナビ)でも、内定式のタイミングで勤務地と事業部、職種に関して、詳しく説明した上で希望を取っています。
話をいろいろ聞いて「こっちのほうが面白そう」と思うことはありますから、志望が変わっていくこと自体が別にダメなことではないと思います。
ありがとうございます。
内定をもらって嬉しくて、掲示板とかに「○○会社、内定もらいました!」とか、書き込んでもいいんでしょうか。
うーん、そうですね。これは両方かな。ダメとはいえない。けど、内容によるよね。
ダメな内容ってどんなことですか…?
皆さん、表現の自由が保障されてるわけだから、何をつぶやこうともどこに記載しようとも基本的にダメではない。
ただその内容に関して、誰かの不利益になるような情報は入ってないか?って、落ち着いて考えてから送信ボタンを押してもらいたいと思います。
誰かの不利益というのは具体的にどういう感じなんですか?よくないなっていう例はありますかね?
そうですね、いろんな視点を頭の中に巡らせてもらいたいなと思っていて、選考を受けている企業っていうこともあるでしょうね。
「あ、この学生ここの企業の内々定もらったんだ、じゃあうち来ないかもしれない」って、選考に影響してくるかもしれない。
また、「内々定もらったぜ」って書くことによって、なかなか上手くいっていない就活生にとっては、それが心理的なダメージになったりすることも当然あるし。友達を知らぬ間に傷つけてるっていう可能性もあるじゃないですか。
そうですね。
「どこどこの学生ってこういうことを言うんだよ」っていうのが、場合によっては世代を超えて後輩にも影響するかもしれない。
広い視点で、「いまこのつぶやきって大丈夫かな」って考えた上で使ってもらったらいいかなと思います。
そういう掲示板って実際人事の方って見てるんですか。
見ているケースも多いと思いますよ。みんな見てるとは言わないですけど。
そうなんですか!
うちの会社ってどういう評価をされているんだろうとか、どういう学生が興味を持っているのだろうとかって、採用担当者も戦略として把握したいので、SNSツールとか分析をすることはありえると思います。
内定連絡をもらった時に「掲示板には書き込まないでね」って言われているのに「何時何分に内定をいただきました」っていう投稿を見て、特定されたらまずいんじゃないかと思うんですけど、それは大丈夫なんですか?
このタイミングで内々定出した学生って、消去法で考えるとこの人だろうなって特定される可能性はあるよね。ただ「内々定もらいました」という情報だけだと、まあぎりぎりマイナスにはならないんじゃないかな。
例えば面接官の情報が書いてあったりとか、選考の情報が流出してたりすると、それは当然、その会社にとって不利益になってくるので、大丈夫かな……とは思いますね。
アカウントが特定されることはあるんですか?
ゼロではないだろうね。ただ、その手間をかけるかどうかっていう判断を企業がすると思いますよ。
企業に大きな不利益を与える、とか、あるいは犯罪とか、悪質なケースはアカウントを特定しようということになるかもしれませんね。
今年は新型コロナウイルスの影響もあって、思うように就活できなかったという人もいると思うんです。どんなことを意識して活動していけばいいですか?
6月上旬時点でアンケートを取っても、まだ半分ぐらいが内々定を保持をしていないので、例年より就活を続けていく学生の比率は非常に多いかなと思っています。
状況はいろいろ変わってはいるものの、企業側の情報発信や、選考の機会をつくろうという姿勢は、むしろ例年以上かなという印象が強いです。
苦戦している学生も、決めきれない学生も、これから始める学生も、歩みを止めないことがやっぱり一番大事だと思います。
企業の情報を知ろうとする努力であったりとか、自己分析や企業研究などの準備だったり、ウェブコンテンツを使っての面接や説明会の参加などを含めて、できることをちゃんと続けていくことが一番ですね。
例えば、航空業界を受けたいと思っていた学生が、今年は採用活動を中止するという事態に直面していて、でも今年中に就職したいと思っていたとしたら、やっぱり他の業界も受けてみるべきですか?
当然そうですね。視野を広げるタイミングだと思ってもらえたらと思います。憧れとか目標とかがあって志望していると思うんですけど、それでも活躍できるのってそこ(航空業界)だけじゃない可能性もたくさんあります。
「航空業界が採用やらないから自分の就活はおわりだ」って止まってしまうのが一番良くないかな。
視野を広げることによって、最初の希望は叶わなかったけれど、すごく楽しい未来が待っていることもありますよね。
環境が変わって大変だと思いますが、ネガティブに捉え過ぎないでほしいですね。
わかりました。大変なことがあっても歩みを止めないことが大事なんですね。ありがとうございました!
ウィズコロナ時代の内定シリーズは今回が最終回です。
これまでのシリーズは、
⑴「内定」と「内々定」ってどう違うの?
⑵祝「内定」でも本当に就職先に決めていいの?
⑶内定辞退するときのマナーは?
⑷内定にまつわるウソ・ホント
をご覧ください。
編集 吉岡真衣子
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