2020年06月18日
苦労の末にいただいた内定だけど、就職先の1社に決めるまでにはやっぱりいろいろ悩みます。WEB説明会に、WEB面接……、“会えない就活”だったからこそ、本当にこの企業でいいのか・・・。学生リポーターが、マイナビ副編集長の大塚祐宜さんに、内定承諾にまつわるギモンを聞いてきました。
(聞き手:田嶋あいか 堤啓太)
※6月9日にオンライン取材
※タイトル、文中の「内定」は、内々定の意味です。
今年は特に社員の方との接点が少なくて、会社の雰囲気がつかめないって声を周りからよく聞きます。複数企業の内定を頂いた場合に、何を基準に決めればいいのか・・・、絞る際の決め手について教えてください。
特に内々定が出てくるこの時期に結構増えてくる質問ですよね。最終的にどう決めていいのか。
そうなんです。
これに関しては、自分の将来を決める作業なので、難しくても人に判断を預けないほうがいいです。たくさん悩んで下さい。
基準はやっぱり自分のキャリアビジョンです。どんなふうに働いて、軸として何を大事にしたいのか。自己分析を改めてやってみたりして、自分で決めるのが望ましいと思います。
キャリアビジョンとか自己分析とかよく聞きますし、やってみるんですけど、いまひとつしっくりこなくて・・・、どうやったらわかりますか?秘けつはありませんか?
キャリアビジョンといっても非常に漠然とした言葉なので、皆さんが「とはいえ…」と思うのもわかります。
新型コロナウイルスの影響でやりづらくはなっていますが、本来ならば、多くの社会人に会って、自分のロールモデルになる人を見つけてもらうのが理想だと思います。
ロールモデルですか?
「こういう社会人になりたい」とか「こうステップアップしたい」とか、「苦労を乗り切って今こんなに充実して働けている人」とか、自分がいいなって思える人と出会えることが一番強いんです。
ただ、特に今年はコロナで・・・。
コロナ禍でも、ロールモデルとなる方を探したいとか、もっと会社について知りたいということを伝えてみると、企業の方も相談に乗ってくれるケースがありますよ。
相談したら「ウェブで、面談してみます?」と言ってくれる場合もあるかと思います。
そうなんですか?
対面ではなくても対応してくれる企業はあるので、不安な中で無理やり決める必要はないです。人事の方と相談して、お互い満足できる状況を作りましょう。
こちらからお願いして紹介していただく事もやってみていいんですね。
そうですね。まずは相談してみるのがいいかなと思います。
わかりました。ありがとうございます。
僕の先輩がオンラインだけで内定をもらったそうなんですが、内定承諾を対面でお会いできるまで待ってもらえないかって、相談してもいいんですか?
相談してもらう事は〇です。OKです。
不安や疑問はぜひ相談してみてください。相談はほぼ全部〇だと思ってもらっていいです。
対応してもらえるかは〇×両方あると思います。この時期選考が集中し、ほかの学生への内々定出しにも影響があるので、「対面の機会まで待ちますよ」と言い切ってくれる企業ばかりじゃないと思いますが、相談する価値はあると思います。
できるかどうかは微妙だけど、解決策はないかって相談するのは良いことだと。
もちろんです。基本的に、“ほうれんそう(報告・連絡・相談)”という活動に関して企業は嫌いじゃないですよ。
進捗の共有もそうですし、「自分が安心して入社するためにこんなことできませんか」っていう前向きな相談じゃないですか。
はい、そうです。
人事担当者や企業の方で「いや、それは面倒くさいよ」って言うような方に(私は)会ったことがないです。
むしろ好意的に、意欲があっていいよねって言ってくれる担当者の方が圧倒的に多いので、相談は気軽にしてもらった方がいいです。
まだ本命企業は選考の途中だけど、すでに内定をもらっている企業の承諾期限が迫っているってよくあると思うんです。
本命企業の結果が出る前に承諾しなければいけない状況で、いったん承諾するのはありですか?
要は第2志望以下の企業の内々定を先に承諾しておくってことですよね。いわゆるすべり止めっていう。
そうです。
現実的に言うと〇になると思います。ダメとは言えないですよね。当然受かるとは言い切れない環境の中で、皆さん方にも辞退するって事にリスクがあるわけですから。
ただ第2志望以下の企業に関しても、必ず真摯に対応する意識は忘れないでもらいたいなと思っています。
そうですよね。
一応、〇って出してはいるんですけれども、内定辞退は本来はないほうがいいです。
逆の視点で考えると、企業側の内定取り消しは同じ扱いはできないじゃないですか。「ほかにもっといい子いたから君の採用やめるよ」って言えないですよね。
たしかに
第2志望以下の企業に対しては、扱いがぞんざいになってしまう学生がいるんですよ。「どうせ行く確率が低いから、適当でいいでしょ」といったような。
想像できる気がします。
本人は他の企業に受かったら辞退する企業だから、「関係ないや」って思えるかもしれないけれど、その後の後輩やその学生が受かったがゆえに落とされてしまった学生のことを考えると、多くの学生や企業に影響を与えているんですよね。
例えば、承諾期限を延ばしている中で、迷っている状況はこまめに連絡した方がいいんですか?
連絡してくれると企業としては嬉しいです。リアルな話でいうと、いろんな学生が受けに来ている中で、その学生がどのくらい入社しそうかって予測を立てるじゃないですか。
10割か8割か2割かの予測を立てて、それによってほかの学生の進行を加味することになりますよね。こまめに連絡してくれて状況が分かる学生の方がありがたいかなと思います。
わかりました。
「内定ホルダー」って言い方をよくするんだけど、6社も7社も、たくさん内々定を持っていて、まだ決めても断ってもいない学生が出てくるんですよ。
内々定をもらえる事自体は、すごく気分もいいし、認められた気持ちになるって感覚的には分かるんだけど、その期間が長くなるほど、自分がお断りをする時にいろんな負担も掛かりますよね。
そうですね。
相手の事を真摯に考えるのであれば、内々定が増えていく過程のところで優先度を考えて、ちゃんとお断りを入れることも忘れずにしてもらいたいですね。
全部最後まで(内々定を)持ち続けるんじゃなくて、優先順位を決めて先に断るところは断ってということですね。
そうですね。最後の最後で1社に決めて、まとめて断るみたいなことを考えて、全部お皿に載せたい気持ちも分からなくはないんだけど、結局1社しか行けないわけなので。
内々定が2つの時点で比較ができ、どっちに行きたいのかなって判断ができるはずなので、お互いのために、その都度決めていってもらった方が良いと思います。
ありがとうございます。
【ウィズコロナ時代の内定】
(1)「内定」と「内々定」ってどう違うの?はこちらからご覧ください。
(3)内定辞退するときのマナーは?はこちらからご覧ください。
(4)内定にまつわるうわさのウソ・ホントはこちらからご覧ください。
編集 吉岡真衣子
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