就職活動中の学生が頭を痛めることのひとつが、面接を受けに行くまでの交通費など、就活にかかる費用です。遠方の企業を受ける場合には宿泊費をともなうなど、大きな負担となることもあります。

この費用が、新型コロナの感染が拡大する前と後で大きく変わったようで…

23年卒の学生が、今年6月12日時点で就活に使用した金額は、全国平均で7万5245円。

前年と比べると3000円ほど増えていますが、新型コロナウイルスの感染拡大前の20年卒と比べると、およそ5万4000円減り、6割ほどの水準です。

項目別にみてみると、コロナ前より特に大きく減ったのは、「交通費」と「宿泊費」です。

コロナ前の20年卒と比べて、「交通費」は3万円あまり、「宿泊費」は1万3000円あまりと、大幅に減っています。

ウェブを活用した就活が増え、費用をかけなくても遠方の企業を受けられるようになったことが要因とみられます。

しかし、去年と比べてみると、どちらも微増。ワクチン接種の広がりや企業が感染対策に慣れてきたことなどから、今年の採用面接は、対面の機会を作る企業が増えています。

このため、就活生の移動の機会が増え、去年よりは増えたものと考えられます。

ほかの就活費用を見ると、スーツなどにかかる「被服費」や昼食などに使う「飲食費」も、コロナ前よりは減っていますが、去年と比べると大きな増減はありませんでした。

面接の服装を自由とする企業も増えていますが、スーツも1着は準備しておく…という傾向は変わらないようです。

全体的に減少傾向にある就活費用ですが、増加しているのが「公務員試験対策費」です。

コロナ前と比べると3万円あまり、去年と比べても2万円あまり増えています。

コロナ禍による将来への不安を背景に、安定した公務員の人気が高まっていることがうかがえます。

※対象：2023年卒の大学生　期間：2022年6月12日～17日　有効回答：1358人