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24卒 就活のギモン講座 (8) 「やりたい仕事」の見つけ方

2022年08月09日

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自分が本当にやりたいことってなんだろう?そんなギモンにぶつかっている人も多いのではないでしょうか?やりたい仕事にまつわるお悩みのあれこれについて、専門家の2人が答えます。

(2022年6月12日 NHKオンラインイベント「24卒のみなさん 就活のギモンに答えます!」より)

石井アナ

堀さん、自己分析について気になっていることはありますか?

学生

友人などから「適職診断やった方がいい」と言われてやってみたんですが、診断の結果と自分のやりたい仕事が違った場合、どちらを選んだ方がいいんでしょうか?

吉田さんいかがでしょうか。

診断結果も、いま、自分がやりたいと思っている仕事も、1つの手段、あるいは1つの切り口で見えてきたことに過ぎないと思います。

吉田さん

その2つにギャップがあるとすれば、そのギャップがなぜ生まれるのかを考えてみたらよいと思います。

比較をしてはじめて気がつくこともありますし、多面的に見てみないと分からないこともありますので、自己分析や適職診断などは1つのツールとしてご利用いただければと思います。

寺口さん、どうでしょうか。

やりたいこと向いていることと、どちらを選んでもいいと思います。

寺口さん

ただ、数年後、「あの時どうやって意思決定をしたっけ?」と振り返った時のことを考えてみてください。

その時に、やりたいことがあったのに、誰がつくったのか分からない診断の結果を優先してしまったのか!って思ったら、どんな気持ちになるかわりと想像できますよね。

確かにそうですね。ありがとうございます。

では、黒田さんもう一問。

はい。いろいろ企業研究を進めてみても、やりたい仕事が見つからない、という場合はどうすればいいんでしょうか。

私は、天職というのは基本的にないと思っているんですよ。

ましてや、そう思える仕事が新卒のタイミングで見つかるってことは本当に奇跡だなと思います。

やってみたら自分に向いていたな、意外と気持ちを込めて働くことができているな、と感じる経験があとからたくさん出てくることもあります。

もし、今、本当にやりたい仕事が見つからないのであれば、逆にやりたくないことをあげてみてはいかがでしょうか。

やりたくないことに該当しなければ1回挑戦してみる。そんな風に広く捉えてもよいんじゃないかなと思います。

寺口さんいかがでしょうか。

「やりたい」で見つからなかったら、「なりたい」ものはないのかで見ればいいし、「なりたい」ものもなかったら、どう「ありたい」のかで探せばいいと思います。

もう少し詳しく聞かせてください。

例えば「優しくありたい」とか、「自由でありたい」とかね。

実は僕も「この仕事がやりたい!」みたいなものはないんです。

ただ、常に「自由でありたい」とは思っています。

この「自由である」ためには自分で選べるという状況が必要です。

そのためには、選べる環境や立場を得ること。つまり、選べる状態にまで仕事で活躍しなきゃならない、となるわけです。

これに気付いた時に、やるべきことが見えてくるわけですよね。

なるほど…。

あと、多くの「なりたい」が実は「ありたい」だったりもするんですよ。

例えば「コンサルタントになりたい」という人でも、「コンサルタントになって、難しい課題を解決したい」「周囲からすごいと言われる自分でありたい」とか。

「なりたい」の正体が「やりたい」、「やりたい」の正体が「ありたい」かもしれないんです。

だから、もし、自分のまわりにやりたい仕事が見つからない、という友達がいたら、やりたいことがいまだに見つかっていない34歳のおじさんが、楽しそうに仕事していたということを教えてあげてください(笑)

はい、ありがとうございます(笑)

次の質問です。「自分のできることややりたいことについて、就活のスケジュールの中ではいつまで自由に考える時間を持てるのか、そのデッドラインを知りたいです」とあります。

いつまで考えていていいのか。この疑問について、お2人はどうお考えでしょうか。

デッドラインですか。これは難しいですね。

“就活の場面では”っていう、最初の仕事選びに限定するのであれば、最初の就職先を決める意思決定のところまでが、自由に考える時間の1つの区切りですかね。

できることや、やりたいことが定まらないとか、自分の中で見えきらないということはあると思います。

それでも、就活のシーンの中で企業が自分の強みを評価してくれていれば「その仕事ができるかもしれない」と信じてみてもかまわないと思うんですね。

まずは仕事を始めてみる。そういった意味でデッドラインはないと思いますし、本当にこの道が正しいのかなっていう思いは社会人になっても少なからずあります。

ですから、それを確かめに行くんだ、という心づもりで社会に出るのも1つの選択肢だと思います。

「いつまでに決めなきゃ」!と思い詰めない方がよいのではないかなと。

活動を進めていく中で見ていくこともたくさんあるでしょうしね。参考にしていただければ、と思います。

最後に、お2人からひと言ずついただければと思います。

24卒の皆さんは入学の時点からコロナの影響を受けていて、十分に満足いくような大学生活を送れなかった方も多いかと思います。

不安も多いと思うのですが、皆さんが大事にして頑張ってきたことに対し、なぜそこまでコミットできたのかを見つめていく中で、必ず「らしさ」が見えてくると思います。

仲間もたくさんいますし、先輩もたくさんいます。就活では、ぜひ周囲の人を頼っていただければと思います。これからも応援しておりますので、引き続き頑張ってください。

寺口さんお願いします。

就活は単なるシステムであるということは覚えといてほしいなと思います。

「就活だから、~ねばならない」となりがちですが、仕事選びは個人の自由です。

就活っていうシステムの力学に飲み込まれないようにしてほしいし、疲れたら“人間に戻るためにできること”をやったほうがいいと思います。

自然の中で遊ぶとか友達と一緒に楽しい話をするとか、未来の時間を考える時間が、皆さんにとって、苦痛じゃないものになってほしいという願いはずっとあります。

あまり落ち込まないように、笑い飛ばしながらやってほしいです。

ありがとうございました。学生リポーターの2人、いかがでしたか。

これから就活を進めるにあたり、身が引き締まる思いで話を聞いていました。就活を通して自分を見直して、成長することができたらと思います。

堀さんはどうでしたか。

はい、就活って、つらいというイメージがあったんですが、もうちょっと楽にやっていけばいい、と思えるようになりました。ありがとうございました。

みなさん、最後までお付き合いいただきありがとうございました。NHK就活応援ニュースゼミでは引き続き就活生のみなさんを応援していきます!

編集:吉岡真衣子 加藤隼也 撮影:芹川美侑 荻原功英

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