2022年07月26日
企業に働く社員に直接ホンネを聞きだすためにOB・OG訪問をしたい。でも、やったことないし、どういう質問をしたら良いのかよく分からない…。心がけるべきポイント、注意点について聞きました。
(2022年6月12日 NHKオンラインイベント「24卒のみなさん 就活のギモンに答えます!」より)
企業研究の方法の1つとしてOB・OG訪問を考えている方もいらっしゃると思います。
そこで、吉田さんにOB・OG訪問で気をつけるべきポイントについて伺っていきます。
まずはじめに、社会人の方々とやり取りするときにぜひご注意いただければと思うことの確認です。
1つ目は「時間を守る」ということですね。
社会に出ると打ち合わせや外出などで1日のスケジュールがびっしり組まれていることも多いので、開始の時間と、終わりの時間を守っていただければと思います。
特にアポイントを取る際に終了時間を決めていなかったというケースでは、「きょうは何時までお時間大丈夫ですか?」というふうに聞いていただいて、終わりの時間を決めてからスタートするといいかなと思います。
2つめのポイントは「言葉づかい」に気をつける、とあります。
はい。前提として、社会人として必要な言葉づかいというものもありますが、まずはそれにとらわれすぎずにお話しいただくことが大事です。
そのうえで、自分のことは「私」、相手の会社のことを「御社」とよぶなど、やりとりをする時の最低限の言葉づかいには気を付けていただければと思います。
そして3番目。事前に質問を整理しておく。
はい。これは結構大事です。
このOB・OG訪問を通じて何を知りたいのかという目的をしっかり持つ、ということにもつながっています。
例えば、企業のIR情報に記載されている情報の実態を知りたいのか、社員が何を大事にして働いてるのかを知りたいのか、職場の人間関係はどうなのか、など、あらかじめ聞きたい項目を整理しておくと良いと思います。
答える側としても、あらかじめ内容が整理された質問の方が的確に答えやすいので、限られた時間の中で有効にやり取りができるのではと思います。
さらに、こうして用意した質問だけではなくって、先輩の話を受けて素直に質問するというのもポイントに上げていますね。
そうですね。やはり一方通行でやり取りをするだけですと、どうしてもコミュニケーションにならない。
本当に知りたいことを知ろうとしているのかと、ただ単に時間があるので聞かなきゃって思っているだけなのかでは、かなり印象が違うと思います。
疑問に思ったことは、その場で積極的に追加質問をしたり、自分の感想を述べたりといったように、相互にやりとりをした方が、実情を話してもらいやすくなりますよ。
あと、できればその企業に対して持っているイメージを先に伝えていただくと、相手側もイメージと実態とのギャップを埋めるために役立つ情報を話してもらえると思います。
「私はこう思ってるんですけど」ということ先に伝える、と。
そうですね。
寺口さんは、OB・OG訪問に関して何かアドバイスはありますか?
吉田さんの話に加えて言うと、大学生の時って「相手の時間に対するリスペクトを強く持たなきゃ」と気付く機会が比較的少ないと思うんです。
僕も働いてから気がつきましたが、ビジネスのシーンではお金よりも時間の方が大事だと気付かされることがたくさんあります。
限られた時間の中で仕事をしているので、みんな忙しい。分刻みのスケジュールで働いているような人もいます。
時間を守るというのは当然なんですけど、目的と背景をしっかり伝えるっていうのが多分一番効果的なんじゃないかなと思います。
自分はこの時間の中で、こういうことを確かめたいとか、相手も目的が知りたいわけですよ。
さらに、背景を伝えれば、何でそれが知りたいのか分かるじゃないですか。
どんな背景があって聞いているかで、答え方は違ってくるんですね。
なるほど。ちなみに、最近は、オンラインでのOB・OG訪問も増えてきているようなのですが、この場合のポイントはありますか?
せっかくオンラインでやるんだとしたら、画面共有の機能を使ったらいいと思います。
僕だったら、メインの質問をあらかじめ書いて共有します。さらに、画面を共有したまま教えてもらったことを箇条書きに書いていく。
最初に「用意した質問をこちらにメモしてもよろしいですか」と聞いて、目的と絶対に聞きたいことを共有画面で見せるんです。
そうすると「なるほど、この学生の頭の中って今こういう状態なんだ」っていうことが伝わるので、それに対する答えを考えてもらえると思います。
付け加えていうと、相手の時間へのリスペクトにもつながるんですが、ネットで調べたらすぐに見つかるような情報を聞かれると悲しくなるかな…。
企業のウェブサイトでわかるような情報はちゃんと調べておいてほしい…。
隅から隅じゃなくてもいいですけど、ある程度は見ておいてほしいですね。
ぜひ参考にしていただければと思います。ここまで、OB・OG訪問のポイントについて見てきましたが、OB・OG訪問をする上では、注意しなければならないこともあります。吉田さん、お願いします。
学生さんの中には、人づてに紹介をしてもらってOB・OG訪問を行うことを考えている人もいるかと思います。
ただ、より安全に行うためにやはり信頼のおける先輩にお願いするのがベストですよね。
人づてに紹介をしてもらってつながりを広げれば広がるほど、信頼が置ける人なのかどうか、という観点からのリスクも広がってしまうことになります。
それでも話を聞きたい、という場合には、オープンスペースで会うようにするとか、オンラインで会うといった、リスクから身を守っていただく対策を必ずセットでやっていただきたいなと思います。
ありがとうございます。
24卒就活のギモン講座、次回は「自己分析」の方法についてです。
編集:吉岡真衣子 加藤隼也 撮影:芹川美侑 荻原功英
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