就活ニュース

24卒 就活のギモン講座 ⑺ 2人の専門家に聞く 自己分析の方法

2022年08月03日

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自己分析と一口で言っても、やり方はいろいろ。今回は専門家の2人に、おすすめの自己分析の方法を教えてもらいました。自分のことを知る作業は就活で終わりになるわけではなく、ずっと続くといいます。自分に合う自己分析の方法を一緒に見つけましょう。

(2022年6月12日 NHKオンラインイベント「24卒のみなさん 就活のギモンに答えます!」より)

石井アナ

今回のトピックは「自己分析」です。

就活の準備を進めるにあたってよく耳にする言葉かなと思いますが、具体的にどうすればいいのか伺っていきます。まず吉田さん、お願いします。

みなさんが思っている以上に、自己分析をするというのは難しいことです。

吉田さん

私自身もいまだに「私って、もしかしたらこんな人間だったのかな?」って気付くくらいです。

ですから、自己分析は長い人生をかけてやりつづけるものだというふうに、まずは捉えていただければと思います。

長い人生をかけてやりつづける、もの。

そうです。そのうえで、わたしは2つの自己分析の方法を挙げさせていただきました。

“なぜなぜ”を繰り返す

吉田流自己分析の方法、1つ目に「なぜなぜ」とあります。

はい。例えば、今やりたいと思っている仕事があるとします。

それについて「なぜそれに興味があるんだろう」と問いかけてみます。

今の趣味についても「自分はなぜこれが好きなんだろう」とか、「なぜこれにこだわっているんだろう」ということを繰り返し、問い続けてみてください。

すると、表層からは見えない深い背景とか、全然違うと思っていた2つの趣味の共通項が見つかったりするんです。

ですから、ぜひ「何でなんだろう」という問いかけを3回くらいは繰り返して、深掘りをしていただきたいですね。

一人でやるのが難しければ友達同士でやるのもおすすめです。

例えば、1回目はどう聞けばいいんでしょうか?

じゃあ…石井さんの好きなものを教えてください。

人に役に立ってるんじゃないかなって思えることは好きです。

それはいつ頃から思われているんでしょうか?

実家が農家なんですが、小さいころ、農作業を手伝うのが嬉しかったですね。

では、うれしいと感じたのはなぜですか?

…というような感じです(笑)

なるほど。これは、他の人から聞いてもらうのもいいかもしれないですね。

単純に「なぜ?」って繰り返すだけでも有効なので、ぜひお友達たちとやってみてください。

“強み”を鍛える

もう1つの「強みの筋トレ」ですがこれはどういうことでしょうか?

人ってどうしてもできないことにばかりに目を向ける癖があるんですよね。

そのうえで「どうすればできるようになるだろうか」と努力する傾向があります。

一方で、本当はできていることや自分の強みとなっていることがあるのに、それを意識しないまま置き去りにするケースというのが非常に多いんです。

ですから周囲の人に「あなたはこういうところが強いよね」と指摘されたら、ぜひ「そうかもしれない」と仮置きをしていただきたい。

仮置きをしながら大学生活を送っていると、その強みがどんどん伸びていくんですよ。

意識をしないまま筋トレをやるよりも、意識をして筋トレをするほうが筋肉アップにつながるのと同じですね。

なるほど…。

強みを自覚している方が強みは伸びるので、是非皆さんの“自分らしさ”というものを強く見つめていただきたいなと思います。

自分の強みを理解しておくと、その強みが伸びていることに気付けるということですね。

そうです。

以上が吉田さん流の自己分析の方法でした。

では寺口さんはいかがでしょうか。

「やりたいこと」がなくてもいい

まず前提として、僕は自分の就活の時、自己分析がめっちゃ嫌いだったんです。

寺口さん

なぜ嫌いだったのかって振り返ってみると、就活の時にやれと言われる自己分析ってすごく就活に特化した自己分析なんですよ。

内定を取るため、というよけいな文脈を入れないで、「人間としての自分を知る」という意味の自己分析なら、こういう方法だけじゃないよねっていうのは当時から少し思っていました。

そうだったんですね。

そのうえで、この、「CANの種」「WANTの種」というのは、どういうことなんでしょうか。

僕がこのように書いたのは、僕自身にやりたいことが特にないからなんですよ。

え!?

別になくて。やりたいこと。なりたいものもないです。

でも「ありたい姿」みたいな、「こういうスタイルで生きていきたい」みたいなのはあります。

そう考えると、今就活を目の前にして、やりたいことが決まっていないと思っている約半分くらいの就活生たちを、僕は仲間だと思っています。

だから、やりたいことが決まっていない人の気持ちは、分かるなって気がします。

「CANの種」は、「強み」のことなんですけど、何が自分の明確な強みなのかっていうことを僕は今でも模索しています。

自分の強みはこれです!って明確に言える人って多くないんじゃないかなと思います。

でも自分にどんな特徴があるのかなっていうことは分かるんですよ。

その特徴って、状況によって強みになったり弱みになったりするんですね。

例えば僕は、決まった仕事を集中してやり続けることが苦手だと考えています。

逆に、今、必要なものをその場で考えたり、決まっていないことを瞬発的に返したりするのは得意です。

新卒で入った銀行で事務関連の仕事をしていた時は、ずっと座り続けることができないので、「落ち着きがない」とか「集中力に欠ける」って言われたこともありました。

でも、今はPRの仕事をしていて、あちこちで情報収集していると「すごくアンテナ高いよね」と言われる。

僕は何も変わってないんですが、僕の特徴はその時のポジションによって弱みになったり強みになったりするんだなと思うんです。

「CANの種」っていうのは、自分の特徴が、どこで何と化学反応させたら「強み」になるのかっていう種のこと。

それを、今までの人生から見つけてほしいということです。

「WANTの種」も「やりたいこと」じゃなくて、「やってみたいこと」でいいんです。

自分に向いてるかどうかや本当にやりたかったのかどうかなんて、やってみないと分からないじゃないですか。

確かにそうかもしれません。

就活にいかすための心構え

学生
黒田

自己分析の結果を、就活に生かすにはどうすればいいのでしょうか?

かなり多面的に生かせると思います。

自己分析はやっぱり自分がエネルギーを発動できる条件って何だろう、というところにたどりつくと思うんです。

そうするとそれを発動できるようなお仕事とか一緒に働きたい仲間とか、企業選びの条件がクリアに見えてくるんじゃないかなって思います。

発動の条件が明らかになることで、それを人に伝えられるようになり、就活の中でもうまく使えるようになると思います。

僕は就職活動の時に何を言っていたか詳細は覚えていないですけど、その時の本心を言っていたと思います。

自分ってどんな人なんだろうって考えることが、その本当の事を話すためのきっかけであればすごくいいと思います。

ただ、自分の強みはこれだと思っていても、まわりと比較すると「もっとすごい人いっぱいいるじゃんって」どんどん大変になっていくと思うんです。

だから、過剰に比較しないということも忘れないようにしてください。

もっといえば、特別な努力をせずとも、自分がある程度できたことだって、十分な強みの種になり得ると思います。

自己分析は一生続く?

さきほどのお話にもありましたが、自己分析はこの先続いていくものと考えてよいのでしょうか。

はい、そのとおりです。

私もリクルートに入社した当初、希望していた営業部に配属されたのですが、初めの3年間でさほど、営業成績が良くなかったんですよ。

このあと、苦手意識を持っていたシステム企画の部署に異動したのですが、そこの仕事がすごくおもしろかったんです

自分のことをわかりきっていなかったんだなと思います。

皆さんが今見ている自分自身というのは、80年とも言われる長い人生の中で、まだまだ限られたものです。

これからいろんな経験を通じてそれを広げていっていただきたいなと思いますし、常に「何でだろう」と考えながら自分を見つけ続けることが大事だと思います。

それでは、このパートのまとめに行きましょう。社会人になっても自己分析は続いていくというお話でした。長い目で自己分析をとらえてみてください。

それからやりたい仕事が決まっていない場合は、やりたくないこと、もそうですし、なりたい自分、ありたい自分というのも、考えてみるのも1つのヒントだと伺いました。

ありがとうございました。

編集:吉岡真衣子 加藤隼也 撮影:芹川美侑 荻原功英

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