2022年07月12日
いよいよ夏のインターンシップ。「業界は絞った方がいいの?」「参加できなくても大丈夫?」「質と量はどっちを重視した方がいいですか?」こんな、インターンにまつわるさまざまなギモンを解消しようと、今回も2人の専門家が答えます。小さな心構えが盛りだくさんです。
(2022年6月12日 NHKオンラインイベント「24卒のみなさん 就活のギモンに答えます!」より)
石井アナ
最初の質問です。「志望している業種、業界問わずにエントリーした方がいいのでしょうか」とありますが、いかがでしょうか。
いろいろな業種や業界を比較された方がよいと思うんですね。
吉田さん
と、言いますと?
志望業界や企業が決まっているのは素晴らしいことなのですが、本当に自分に合うのか合わないのかは、複数の選択肢を比較してはじめて見えてくるものだと思います。
例えば、同じ業界でも企業や業種によって働き方が全然違うということもあります。
比べてみないと分からないことってわりと多いですからね。
漫然と広げるというよりも、目的を持って広げるということでしょうか。
はい。その通りです。
なるほど。ぜひ参考にしていただければと思います。
続きましての質問です。「エントリーは量で勝負すべきでしょうか、それとも質で勝負したほうがいいでしょうか」
吉田さんいかがでしょう。
結論から言うと、バランスだと思います。
数打てば当たるというのも実際あると思いますが、そうすると一社一社に対してきちんと目的をセットできないまま進んでしまって、参加したはよいけど中身が残らないというケースがあると思います。
逆に決め打ちしすぎて限定的になりすぎた時には、視野が広がらない可能性もあります。
ですから、皆さんがもともと何を得たいと思っているのか、そこで何を経験したいのかによってバランスを取っていただきたいと思います。
寺口さんはいかかでしょう。
両方大事ですけど、あえてどちらかのスタンスをとるのであれば「量」だと思います。
寺口さん
なぜかというと、夏のインターンってほとんどの人が仕事選びを始めるタイミングじゃないですか。
「量質転換」って言葉をご存じでしょうか。たくさん量をこなすことで、それが、質に転換していくところがあると思うんですよ。
自分の中の質の100%って意外と周りから見た時にすごく低い。
量をこなすと、いろいろな結果が出ると思うんですけど、そこによって初めて質が上がっていくんですよ。
早い時期にいっぱい失敗しておいた方が、結果的に上手くいくことってあるじゃないですか。
だから、いっぱい失敗できる最初の時期にたくさん量をこなして失敗に慣れておく。
あと、たくさんエントリーしたら、今まで知らなかった魅力に出会える可能性もあるじゃないですか。
知ってる仕事からしか選べないんだから、その知ってる仕事を増やしたら選択肢が増えるわけです。
その可能性を閉じるにはまだちょっと早いんじゃないかなって、僕は思います。
バランスというお話があった一方で、量を高めることで、質も高めていけるというアプローチもあるんですね。
さて、続いての質問です。
海外にいらっしゃるんですね。だから、インターンシップに参加できないと。これはどうでしょうか、吉田さん。
まずは、オンラインでやっているインターシップを探すという手段があるかと思います。あとはOB・OG訪問をうまく活用する方法もありますね。
寺口さんはこのご質問に対してはどうですか。
必ずしもオフラインじゃなくていいなと思います。
今はリモート勤務を基本としている企業も多いので、オフィスに行っても誰もいなかったりして、見られるものが限られている場合もあります。
インターンにオフラインで参加できないからと言って、就活に不利になるとか、自分だけ出遅れてしまう、というほどではないと思います。
続いては、「オンラインのインターンシップで学べるポイントは何でしょうか。またどのような点に注意して臨むのが良いでしょうか」という質問です。
吉田さんいかがでしょうか。
オンラインだから、オフラインだからということはあまりないかなと思います。
主体的に取り組むかどうかで成果や効果には大きく差がついてきますので、どのような目的で取り組むかとか、そこの場で何を得たいのかに即して取り組んでいけばいいと思います。
注意することも同様ですかね?
そうですね。ただ、オンラインだと画面にたくさんの学生さんが写っているので、オフラインと比べて困っていることに気付いてもらいにくいという側面があると思います。
分からないことや困ったことがあれば、ぜひ積極的に質問して、その場で解消できるよう努めましょう。
意思表示をより心がける、ということですね。寺口さんいかがでしょうか。
オンラインの良い点として、質問をしやすくなったという点があると思います。
学校でもオフラインの教室で、みんなの前で手を挙げて質問するのってちょっと勇気が必要だったりするじゃないですか。
でもオンラインだと、視線が気にならないので質問しやすい、みたいなのはすごくあるんじゃないかな。
注意するべき点としては、インターネットの接続が切れて途中でいなくなっちゃう人が毎年いるので、そこは、事前に回線を確認するなどして、気をつけていただければなと思います。
この前、話をしていた学生が、オンラインのインターンシップで誰かがプレゼンしている時、参加している若手社員がそれをどんな顔で聞いているかを見ると、その会社のリアルがかいま見えると言っていました。
めちゃくちゃ退屈そうに聞いている人がいたと (笑)
それを聞いて、確かに、ちょっと社風がわかるかもなと思いました。
そうやって、自分で積極的に企業のことも知っていくことで、ギャップをなくすっていうのはあるかもしれないですね。
はい、それはいいと思います。
次はインターンに参加する際の身なりについての質問です。
吉田さんいかがでしょうか。
まず、前提として就活時における髪色やネイルを気にする企業の数自体が減っています。
昔は黒髪にスーツ、シャツは白で、ズボンにいれて、みたいなことがありましたが、今は見た目ではなく、学生さんの多様性をしっかり見ていかなければならないという認識が企業の中で広がってきています。
ご自身の個性だと自信を持って言えるのであれば、インターンに参加の折には、気にせずにふだんの身なりを見せていただきたいなと思います。
ただ、お仕事の特性に合っているかどうかは意識した方が良いかもしれません。
例えば企画職でお客様の前にほとんど出ないのでしたら、どんなネイルをしていようとあまり関係ないですし、接客で清潔感が求められるようなお仕事でしたら、やはりそこはケアした方が良いと思います。
寺口さんいかがでしょう。
これは企業によると思います。学校と一緒かもしれないですね。
校則が厳しい学校もあれば、自由な学校もあるのと同様で、どんな人がどんなスタイルで働いてるかっていうのは、その会社の自由度によりけりだったりします。
今はSNSアカウントやオウンドメディアから普段の社員の様子が見えるので、そういったものを通じて、どんな風なのか見てみればいいと思いますね。
ありがとうございました。
24卒就活のギモン講座、次回は企業研究のポイントについてお伝えします。
編集:吉岡真衣子 加藤隼也 撮影:芹川美侑 荻原功英
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