23年卒の就活、企業の採用意欲の回復で、例年よりも早く内定を出す企業が増える傾向です。

就活が本格化している3月18日時点で、すでに内定を得ている学生の割合はおよそ３人に1人に上っています。詳しく見ていきましょう。

※リクルート｢就職プロセス調査(2023年卒)｣より

リクルートの調査によると、来年春に卒業を予定している大学生の就職内定率は、3月18日時点で29.0%。

およそ3人に1人が内定を得ている状況です。

去年の同じ時期と比べて6.4ポイント増え、引き続き高い水準になっています。

背景には大きく２つの要因が考えられそうです。

内定を得た学生に、内定した企業の業種を聞きました。

去年の同じ時期よりも多く内定を得ている業種は次のようになっています。

人材獲得の競争が激しいIT業界や製造業で、一段と採用の早期化が進んでいるようです。

企業の内定出しが早まる中、「内定辞退」も早まっているようです。

3月18日時点で、内定を辞退した23年卒の大学生は23.9％、22年卒と比べると8.2ポイントと大きく増加しています。

詳しく見てみます。

すでに内定を得た23年卒の学生のうち、2社以上から内定した学生は40.2％。

同じ時期の22年卒は31.4％だったので、8.8ポイントの増加、すでに複数内定を得ている学生が増えています。

一方で、今でも内定を保有している企業の数では、「2社以上」と答えた割合に大きく差は出ませんでした。

就活が早期化する中で、早くに複数社から内定を得ている一方で、志望度が高い企業以外には早めの辞退を伝えているようです。

新型コロナで不透明感が強かった去年の就活と比べると、就活生もある程度早い時期に判断する傾向が出ています。

ただし、今回の調査で就職活動を継続していると答えた学生は86.4％います。

就活が早期化していると言っても、まだ就活も採用活動も続いています。

焦らず進めていくことが大切です。

最後に就活の状況を学生が住んでいる地域別にも見てみましょう。

いずれも、全体や大都市圏と「その他地域」との差は大きくありません。

オンラインでの就活が一般的になったため、住む地域に関わらず、説明会などを受ける機会を得られているようです。

一方で、選考に関する活動は、「その他地域」での実施率が下がります。

大都市圏に比べて、地方の企業は採用活動の早さにばらつきがあるため、「その他地域」ではまだ選考を受けていない学生も多くいると見られます。

※対象:2023年卒の大学生　期間:2022年3月18日～22日　有効回答:1150人