2021年06月23日
22年卒の就活が継続しているのに、気がつけば23年卒向けの就活やインターンシップ関連のサイトが立ち上がり始め、次は自分の番だ!とにわかに焦り始めた就活生も多いのでは?
でも、慌てなくても大丈夫。
これから続く就職までの道のりの中で、まずは就活全体を見通して今やるべきことを考えるヒントを、マイナビの高橋誠人編集長、OfferBoxの中野智哉代表に聞きました。
聞き手:田嶋瑞貴 本間遥
本日はよろしくお願いいたします。
私たち23年卒の就活生は、いま何から手をつければいいんだろうって疑問や不安でいっぱいなんですけど、この時期どんなふうに過ごせばいいのでしょうか?
実は私たちの認識と学生さんの認識は少し違っていて、学生の皆さんからしてみると6月に就職情報サイトで23年卒向けのインターンシップ情報が公開されたと思うんですけども、それがイコール「就活スタート」っていうふうにはとらえていないんですよ。
まだ始まっていないっていうことですか?
就活というのは実際に企業を回って、説明会に参加し、選考を受けていくっていうような企業の採用を前提とした活動のことです。
今はその前段階で、インターンシップを中心に今年の夏にかけて業界や企業、仕事内容という情報収集をしつつ、自分の興味、能力、価値観を知る自己分析をしたり、自分の適性を考えたりする時期だと思います。
ですから、私からのアドバイスは、就活スタート!と焦らずに、学生とか消費者という立場から、自分たちが就職してその業界に入って働くという視点に変えていくウォーミングアップを、この夏に向けてやっていけばいいのかなと思いますよ。
なるほど。中野さんはいかがですか?
高橋さんがおっしゃっていたように、企業からするとこの時期は、学生さんにまず会社を知ってほしいと思っているんですよね。採用するとかしないとかというより、“きちんと”知って欲しい。
会社に対するみなさんの印象って、実態と全然違ったりすることが多いんですね。そこの認知のギャップを埋めるために、企業がインターンシップを開催する時期です。
また、会社、企業を見る時に、どういう見方をしたらいいのかを学ぶ時期だと思ってもらうのがいいですね。
ウォーミングアップの時期はいつぐらいまでですか?
どの時期から変わっていくのかというと、例えばうちのサービスだとオファーを送る企業の活動量が上がってくるのは10月、秋口ぐらいなんですよ。
なので今の段階はいろんな角度で企業や業界を知るという感覚で活動をしていくのがいいかなと思います。
内定までの具体的なスケジュール感もよく分からないんですが、一般的なスケジュールを教えてください。
新卒採用に関しては、例年と大きく変わらないですね。
昨年はコロナがあって少し変則的でしたが、おととしと同じように真夏にインターンシップがあり、そこから学内で業界・企業の研究会などが開催されながら、早い企業は年末年明けぐらいから学生と接点を持っていくというのが大まかな流れです。
特に23年卒だからというような、大きな変更はないので、先輩とか過去の情報を参考にしながら、長期的なスケジュールを確認しつつ、短期的なスケジュールをこなしていくというプロセスで問題ないかなと思いますね。
大きく変わらないと聞いて安心しました。では、学生としてはいつまでにどういうことをやっておけばいいのでしょうか。
こちらの画面をご覧ください。
6月1日に23年卒向けのサイトがオープンして、インターンシップの情報が載っていますから、どのインターンシップに参加しようか選定をしつつ、「自己分析」とか「仕事研究」を始めます。
僕はよく言うんですが、「自分に関する情報」と、「社会・企業・業界に関する情報」の両方の情報収集を両輪としてやらないと、就活はまっすぐ進みません。
まだ、そんなに深刻にやる必要は全然ないですよ。ニュースサイトなどでニュースをチェックしてみるとか、“サービスを受ける側”から“サービスを提供して給料をもらう側”にマインドチェンジをするということですね。
エントリーシートはいつ対策をすればいいですか?
企業によっては、夏のインターンシップの際に提出を求める企業もありますので、その場合は夏前にエントリーシートへの取り組みをする可能性はあります。
ただ、エントリーシートは、学生に人気のある大手企業が受け入れ枠数の関係で導入しており、実は導入企業は全体の半分以下なんですよ。
へえ、そうなんですね。
高橋さんがおっしゃったマインドチェンジすることってすごく大事なんです。企業にとっては、採用は仲間探しなんですよ。
仲間探し…?
企業は採用活動を通して、一緒にお客さんに価値を提供する仲間を探すんですけど、学生は、就職活動っていうと視野がぎゅーっと狭くなって、なんか“受験”みたいな感覚になりやすいんです。
あー、そうですね!
相手側は仲間を誘おうとしているのに、学生は「ここを突破するぞ!」みたいなね。これはなかなか両者が噛み合わないんです。
就活というのは、仲間になる人が乗っている船を探しに行くわけなので、船の中に何があるんだろうっていう方が重要で、そのマインドにどう変えるかが大事。受験っぽく認識するのではなくて。
そうですね。つい陥りがちですね、大学生は。
就職活動の1個手前にあったビッグイベントって受験だからね。
就職活動は競争だっていうふうに勝手に思っていました。
社会に出てから大いに楽しく競争すべきですね。競争で共に戦っていけるような仲間を探してください。
仲間に加わるっていう気持ちで取り組むことが大事なんですね。
マインドチェンジをするという意味でも、就活準備を始めるのは早ければ早いほどやっぱりいいものなんですか?
マインドチェンジは早くやったほうがいいけれど、いわゆる就職活動の「エントリーシートを書く」とか「企業を訪問する」とかは早ければ早いほどいいわけじゃないんです。
早い方がいいんじゃないんですか!?
そればっかりやっていたら、マインドチェンジする時間がないんですよね。
あー、なるほど。
どちらかというと、どんどん視野が狭くなることもある。もちろんそれで良くなる人もいるので早い人全員が悪くて、遅い人全員が良いっていう訳じゃない。
だから周りの常識に合わせない方がいいと思います。
高橋さんはいかがでしょうか。
中野さんもおっしゃっていましたが、就活は試験じゃないんですよ。試験じゃないので、すごく賢い人が企業の採用の直前に準備すれば就職できるかって、そういうものじゃないんですよね。
ましてや全く準備していない人が内定をもらえるようなギャンブルでもありません。
確かに。
中野さんがおっしゃるように就活は自分が一緒に働く仲間を見つけるプロセスだとすると、点数ってあんまり関係ないんですよね。
自分はどういう所で働けば、充実して能力を発揮できるのかっていう、自己に対する問いとか、自己分析も-“自己分析”って言うわりには1人じゃできないんですよ。
そういう、自分に関する客観的な情報というのを収集して初めて自己が確立していくので、それを一夜漬けでできるかっていったらできないです。
夏休みに実家に帰った時に、両親や親せきなどに、自分がどういう性格や特徴がある人間か聞いてみるというような情報収集というのはやっぱり時間がかかるんですよね。
就職活動は、単に入社試験をうけて内定をもらうということではなく、正解がない答え探しになるので、全体的なプロセスから考えると早いに越したことはないといえるかと思います。
ありがとうございます。
次回は、あるの?ないの?気になるコロナの影響についてうかがいます。近日公開予定。
編集:吉岡真衣子
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