Q.接種に際しての注意点は

A.
高齢者に対する新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりましたが、中には注意が必要な人や受けられない人がいるほか、受ける前後にも注意すべき点があります。
接種に注意が必要な人として、厚生労働省は▼血液が止まりにくい病気の人や▼血液をさらさらにする薬を飲んでいる人、▼心臓や血液、腎臓や肝臓、それに免疫の病気で治療中の人▼けいれんを起こしたことがある人や、薬や食品に対するアレルギー症状が出たことがある人を挙げています。

また、接種を受けることができない人として▼体温が37度5分以上など、明らかに発熱している人や▼重い急性の病気にかかっている人、▼ワクチンに含まれるポリエチレングリコールなどの成分に対して、重い過敏症を起こしたことがある人などを挙げています。

ワクチンの接種を受ける際には、住所のある自治体から届く「接種券」と、免許証や健康保険証などの本人であることを確認できる書類を持参するとともに、肩に近い腕に接種するため、肩を出しやすい服装で接種会場に来てほしいと呼びかけています。

ワクチンの接種を受けたあとは、▼接種会場で15分以上、様子を見ること、▼特に、過去に重いアレルギー反応、アナフィラキシーを起こしたことがある人や失神したことがある人などは30分以上、会場に待機し、異常を感じたときには速やかに医師に伝えるよう求めています。

さらに、厚生労働省はワクチンを受けたあとでも、マスクの着用や手洗い、「3密」を避けるなどの基本的な感染対策は続けるよう呼びかけています。

感染症の治療が専門で、新型コロナウイルス患者の治療を続けてきた国立国際医療研究センターの忽那賢志医師は、「けん怠感などが強く出る可能性があるため、接種の翌日には予定を入れない方が無難かもしれない。当日の入浴などは問題ないが、飲酒や激しい運動は控えめにした方がよい」と話しています。

今回のワクチンは、副反応が出る頻度はインフルエンザなどのワクチンに比べて高いものの、発症や重症化の予防だけでなく、感染を防ぐ効果も確認されてきているとして、忽那医師は「接種する意義が十分あるワクチンで、持病のある家族などに感染を広げないというメリットもある。効果と副反応の多さを天秤にかけると効果の方が上回ると考えている。自身のために、周りの人のために接種を検討してほしい」と話しています。

(2021年4月12日時点)