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    ワクチン接種までの流れ

    ワクチンの接種は、国の指示のもとで市町村など自治体が行うとされています。

    接種を希望する人は、原則として住民票を登録している自治体で受けることになりますが▽単身赴任している人や▽入院している人などは、例外的にほかの自治体での接種が認められます。

    また、政府が6月21日から職場や大学などでの接種を可能とする方針を示したことを受けて、企業の間では準備を始めたり、検討したりする動きも出ています。

    ①接種券を受け取る

    接種を受けるのに必要な接種券は自治体から順次、自宅に郵送されます。この接種券を持参すると、無料で接種を受けることができます。

    ②予約

    受け取ったあと、電話などで予約します。
    接種会場となるのは▽医療機関や▽公民館や体育館などです。

    ③接種会場へ

    集団接種の会場では、まず受付で自治体から届く接種券を提示し、運転免許証や保険証などで本人確認が行われます。

    ④問診票、医師による予診、接種

    次に健康状態や、これまでにかかった病気などを問診票に記入し、接種が可能かどうかを判断する医師による「予診」があります。
    ここまで問題がなければワクチンの接種を受けられます。
    ワクチンの接種には1人あたり1、2分程度かかると見込まれています。
    接種を終えた人は日付などが記された「接種済証」を受け取ります。
    「接種済証」には、どのワクチンを接種したかなどの情報が記載されていて、2回目の接種を受ける際に必要になるということです。

    ⑤経過観察

    注意が必要なのは、接種が終わってもすぐに帰宅できるわけではないということです。
    厚生労働省は、接種後、30分以上、その場で経過観察を行うよう求めていて、接種を終えた人たちは、会場に設けられた専用のスペースで待機することになっています。
    海外では、日本への供給が計画されているワクチンについて、接種後に、頭痛やけん怠感などの症状が見られたことが論文などで発表されています。
    また、アメリカなどでは、ワクチンの接種を受けた人にまれに「アナフィラキシー」という急激なアレルギー反応が出たケースも報告されています。
    接種後、体調に変化が出た場合は、会場に併設されている救護室にいるスタッフに対応してもらえるということです。

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    【詳しくわかる】ワクチン接種予約 どうなっている?

    新型コロナのワクチンの接種が各地で本格化しています。しかし、ウェブサイトでの予約の方法が難しかったり、予約受付の電話がつながらないなど各地で混乱が起きたりしています。また、自衛隊による大規模接種の予約も始まりましたが、どのように予約をしたらよいのか戸惑う方も少なくないと思います。

    ワクチン接種までの基本的な流れはどのようになっているのでしょうか? 「自治体が行う接種」と「自衛隊が行う大規模接種」とはどのように違うのでしょうか? それぞれ予約はどのように行えばよいのでしょうか? できるだけ分かりやすく解説します。

    また、2021年6月21日からは、自治体や自衛隊が行う接種とは別に、企業や大学などによる「職域接種」が本格的に始まっています。

    「自治体が行う接種」基本的な流れはどうなっている?

    ワクチン接種を実施するのは、それぞれの市町村や東京の23の特別区になります。接種までの手順については、厚生労働省が、次のような基本的な流れを示しています。

    厚生労働省が示している流れ

    (1) 「接種券(クーポン券)」と「新型コロナワクチン接種のお知らせ」が届く
    (2) 厚生労働省のサイト「コロナワクチンナビ」などで接種ができる医療機関や接種会場を探す
    「コロナワクチンナビ」 ※NHKのサイトを離れます
    (3) 電話やインターネットで予約する
    (4) 1回目の接種を受ける
    (5) 2回目の接種の予約をする
    (6) 2回目の接種を受ける

    「自治体が行う接種」と「自衛隊が行う大規模接種」どう違う?

    「自治体が行う接種」と「自衛隊が行う大規模接種」とは、それぞれまったく別々の体制で行われています。私たち1人1人の側からすると、「希望するどちらかで接種を受ける」ということになります。どちらを選ぶかは自分自身で決めることができます。

    「自治体が行う接種」を希望する場合

    住民票がある自治体から届く「ワクチン接種のお知らせ」に沿って、予約をしてください。

    →詳しくは、次の項目「予約はどうする?」

    「自衛隊が行う大規模接種」を希望する場合

    自衛隊ホームページやLINEから
    住民票がある自治体から「接種券」が届いていれば、防衛省・自衛隊のホームページや通信アプリのLINEなどを通じてを予約することができます。

    自衛隊 大規模接種センターの概要 予約サイト案内 ※NHKのサイトを離れます

    防衛省・自衛隊のホームページから予約する際には、「接種券」に記されている「接種券番号」を入力する必要があります。

    自治体から「接種券」が届いていない場合は、自衛隊の大規模接種の予約もできません。

    電話での受け付け
    自衛隊による大規模接種では、当初はインターネットのみでの受け付けとなり、電話での受け付けは行われていませんでしたが、6月12日から電話でも受け付けが行われることになりました。

    自衛隊による大規模接種・電話受付番号

    受付時間は、土日祝日も含めて、午前7時から午後9時までです。

    「自衛隊が行う大規模接種」予約可能な地域・対象年齢は?

    アクセスの集中による不具合などの混乱を避けるため、予約が可能な地域・対象年齢は段階的に拡大されます。

    5月17日(月)~: 東京23区と大阪市に住む65歳以上の高齢者
    5月24日(月)~: 東京都と大阪府に住む65歳以上の高齢者
    5月31日(月)~: 東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県と大阪、京都、兵庫の2府1県に住む65歳以上の高齢者
    6月10日(木)~: 全国の65歳以上の高齢者
    6月17日(木)~: 全国の18歳以上

    「自衛隊が行う大規模接種」注意点は

    《注意点1》自治体からの「接種券」届くまでに時間も
    「自衛隊が行う接種」を予約するのにも、自治体から発送される「接種券」が必要ですが、それぞれの自治体では、「接種券」を、例えば年齢の区分を設けるなどして順次発行していますので、全員に届くまでには時間がかかるところもあります。

    《注意点2》2重予約に注意、どちらかキャンセルを
    「自衛隊が行う大規模接種」と「自治体が行う接種」の予約システムは、連携していません。このため、「自治体が行う接種」の予約を取っている状態で、「自衛隊が行う大規模接種」の予約もとった場合は、どちらか一方を自分自身でキャンセルする必要があります。キャンセルをしないとワクチンがむだになるおそれがあります。

    《注意点3》自治体で1回目受けた場合は、受けられず
    すでに「自治体が行う接種」で1回目の接種を受けている場合は、「自衛隊が行う接種」を申し込むことはできません。

    《注意点4》必ず正しい「接種券番号」の入力を
    自衛隊が設けている予約受け付けのシステムでは、「接種券番号」を入力する際、番号を誤って入力したり、実在しない番号を入力したりしても、予約が取れる状態になっているということです。ただ、実際の接種会場では、「接種券」に記載されている「接種券番号」の確認が行われますので、予約の際には正しい「接種券番号」を入力することが大切です。

    ※使用するワクチンは「モデルナ」製
    自衛隊が開設する大規模接種会場では「モデルナ」のワクチンが使用されています。
    「モデルナ」のワクチンとは?

    予約はどうする?

    それぞれの自治体で行われるワクチン接種の方法には、自治体が設けた会場で行う「集団接種」と、かかりつけ医がいる医療機関などで行う「個別接種」があります。

    自治体が設けた会場で行う「集団接種」を希望する場合、自治体が設けているホームページか、電話で予約を行うことになります。

    かかりつけ医がいる医療機関などで行う「個別接種」を希望する場合、自治体によって対応が異なっています。自治体が設けているホームページか電話で予約を行う方法をとっている自治体もあれば、希望する医療機関に直接電話をするなどして予約を入れる方法をとっている自治体もあります。

    それぞれの自治体がどちらの対応をしているかは、自治体から届く「接種のお知らせ」や自治体のホームページなどで確認することになります。

    また、医療機関によっては、かかりつけの患者に限定して接種を行う場合もありますので、こうした点も「接種のお知らせ」などで確認することになります。

    自治体が設けたコールセンターでの予約 どのように行う?

    電話をして予約をする場合、必ず必要になるのは「接種券番号」です。電話をする際にはお手元に準備しておいてください。

    自治体のウェブサイトからの予約 どのように行う?

    ホームページから予約をする際の手順は、自治体ごとに異なりますので、それぞれの自治体から届くお知らせをよく読んで、手続きをすることになります。

    例えば横浜市の場合は次のような手順になっています。

    (1) 「接種のお知らせ」に記されているウェブサイトに、スマートフォンかパソコンでアクセスする。
    (2) 「接種券番号」とパスワードを入力する。
    (3) メールアドレスを入力して送信する。
    (4) 送られてきたメールに記載されているURLをクリックする。
    (5) 予約画面に進む。
    (6) 希望する接種会場を選ぶ。
    (7) 希望する接種日時を入力する。

    このような手順について、複雑でわかりにくい、とお感じになる方もいらっしゃると思います。ご自身での手続きが難しい場合は、ご家族・ご親族や、信頼できる知人の方に「接種券番号」を伝えて手続きを行ってもらう、という方法もあるかと思います。

    ただ、新型コロナのワクチン接種に関して「予約を代行する」などとかたって、金銭や個人情報を求める不審な電話を受けたなどという相談が全国の消費生活センターなどに相次いでいて、消費者庁が注意を呼びかけています。十分にご注意ください。

    「高齢者への接種」の次はどうなる?

    菅総理大臣は、5月28日の記者会見で、ワクチンについて「十分な量はすでに確保している」と述べ、6月末までに1億回分が供給され、9月までには、さらに1億回分を上回るワクチンが確保できる予定だと説明しました。

    そのうえで「6月中には、予約状況などを踏まえ、高齢者への接種の見通しがついた市町村から、基礎疾患がある方々も含め、広く一般にも接種を開始する。皆さんの職場や大学でも接種を進めていく」と述べました。

    さらに、1日当たりの接種回数について「現在は40万回から50万回だが、6月中旬以降は、打ち手も含めて、100万回に対応できるような体制ができてくると思う」と述べました。
    (2021年5月28日時点)

    単身赴任中の人や学生、里帰り出産をしている人など、住民票がある自治体とは違う自治体で接種を受けたい場合は?

    住民票がある自治体とは違う、実際に居住する自治体で接種を受けたい場合、実際に居住する自治体で接種を受けることができます。

    こうした場合は、次の厚生労働省のウェブサイトから手続きができます。

    住所地外接種届(新型コロナウイルス感染症) ※NHKのサイトを離れます

    各地で相次ぐ混乱。何が起きている? 私たちはどう対応?

    電話やインターネットがつながらない

    高齢者の集団接種をめぐっては、電話やインターネットがつながりにくく予約が取りづらい状況が続いているところが少なくありません。

    ただ今回のワクチン接種で、国は、希望する全員が接種を受けられるようワクチンを各地に配分することにしていますので、早く予約しないと接種が受けられないということはありません。

    例えば、朝一番などは電話が集中しやすいことから、時間をおいてからかけ直すなど、落ち着いて対応することが大切です。

    いま予約ができる日程がいっぱいになった場合は、接種できる日程が、今後、順次追加されていくことになります。こうした場合は、次の予約がいつから始まるか、自治体のホームページなどで確認しておくことが大切です。

    窓口予約を中止するところも

    自治体によっては「窓口予約」の方法を設けたものの、深夜・早朝に多くの人たちが訪れるなどして混乱し、「窓口予約」を中止したところもあります。

    多くの自治体が、ホームページか電話での予約のみとなっていて、窓口での予約を行っていないところが多くなっています。

    「かかりつけ」の定義があいまい

    新型コロナのワクチンの接種の予約は、地域によっては「かかりつけ」の医療機関でも受け付けが始まっていますが、「かかりつけ」の定義があいまいなため、医療機関に予約を受け付けてもらえないケースも出ています。

    医療機関の中には、かかりつけでなくても、新規の人でも予約ができるところがあり、自治体の中には、新規の人でも予約できるところを案内している場合があります。自治体から届く「ワクチン接種のお知らせ」などをご確認ください。

    独自の取り組み始める自治体も

    こうした混乱を避けるために、自治体によっては独自の取り組みを始める自治体もあります。

    ▼新潟県上越市は、それぞれの対象者の接種会場と接種日時を市側が指定して案内を送り、都合がつかない人については日程を調整する対応をとっています。

    ▼奈良県生駒市は、接種の予約の電話がつながりにくい状況が続いたことなどから、希望の日時を聞き取る方法をやめ、市側が指定した日時で接種を進めることになりました。生駒市は、対象者全員に接種を希望するかどうか意向を確認するはがきを送ったうえで、希望した人には市が日時を指定し、改めて文書で通知することにしています。指定された日時で接種できない人については、コールセンターで調整できるということです。

    ▼兵庫県加古川市は、抽せんで予約の順番を決める取り組みを始めました。加古川市では当初、電話やインターネットで先着順で予約を受け付けましたが、アクセスが集中し苦情が相次いだことを受けて、5月18日から抽せん方式に切り替えました。

    ▼東京 足立区は5月11日から区役所などに臨時の窓口を開設し、区の職員がインターネットでの予約を代行する取り組みを行っています。

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