地球の内部、地下数千メートルの地底に、多様な微生物が生息する巨大な生物圏が築かれていると、世界各国の研究者が参加する国際プロジェクトが報告しました。
いったい、どんな生物圏なのでしょうか。
地球内部を探る国際プロジェクト
報告をまとめたのは、国際プロジェクト「ディープ・カーボン・オブザーバトリー」。
アメリカの「アルフレッド・P・スローン財団」が出資して、2009年に始まり、世界52カ国、1000人以上の研究者が参加するプロジェクトです。
日本からも、JAMSTEC=海洋研究開発機構の研究者が参加しています。
アメリカの「アルフレッド・P・スローン財団」が出資して、2009年に始まり、世界52カ国、1000人以上の研究者が参加するプロジェクトです。
日本からも、JAMSTEC=海洋研究開発機構の研究者が参加しています。

プロジェクトは、地球内部の構造やエネルギー、生態系などを調べようと、地下5000メートルを超える鉱山の掘削抗や、海底を2500メートルほど掘り下げた地層など、世界各地のおよそ100地点で調査してきました。
想像を超える微生物の世界
このほどまとまった、この10年間の研究成果をまとめた報告に記されていたのは、私たちの想像を超えた、細菌や古細菌などの微生物が織りなす地底の生物圏の存在でした。

海底の熱水が噴き出す場所で120度を超える環境でも生息できる微生物。
岩石をエネルギー源とする微生物。
メタンや硫酸からエネルギーを得る微生物。
岩石をエネルギー源とする微生物。
メタンや硫酸からエネルギーを得る微生物。
過酷な環境で独自の進化
各地で採取したサンプルの分析から、実に様々な微生物が確認され、1つの個体が、数千年から数万年も生き続けると考えられる微生物も見つかっています。


光が届かず、高温・高圧で、エネルギー源も乏しい過酷な地底の世界。
地上とは大きく異なる環境で、微生物たちは独自の進化を遂げてきたといいます。
地上とは大きく異なる環境で、微生物たちは独自の進化を遂げてきたといいます。
広大な生物圏が地球内部に

しかも、地球内部で生物が存在しうる領域は23億立方キロメートルと、実に海の体積の2倍。
この中に、地球全体の微生物の70%が存在すると考えられるということです。
この中に、地球全体の微生物の70%が存在すると考えられるということです。
地球内部は「陸・海に次ぐ、第三の生物圏」

プロジェクトに参加している海洋研究開発機構の稲垣史生 上席研究員は、「地球内部は、陸・海に次ぐ、第三の生物圏ともいえ、まだほとんど明らかになっていない。地球内部で生命が生存しうる限界がどこなのかということもわかっていない。
地球内部の過酷な環境の生態系を調べれば、地球になぜ、生命が誕生したのか、火星など、ほかの惑星にも生命が存在するのか、といった問いに新しい視点を与えてくれる」と話しています。
※プロジェクトの報告はこちらから
https://deepcarbon.net/life-deep-earth-totals-15-23-billion-tonnes-carbon
※NHKサイトを離れます
地球内部の過酷な環境の生態系を調べれば、地球になぜ、生命が誕生したのか、火星など、ほかの惑星にも生命が存在するのか、といった問いに新しい視点を与えてくれる」と話しています。
※プロジェクトの報告はこちらから
https://deepcarbon.net/life-deep-earth-totals-15-23-billion-tonnes-carbon
※NHKサイトを離れます