2021年02月03日
あこがれの企業のインターンシップに参加できた! でも、参加してみるとなんか違和感が・・・。モヤモヤしたまま本選考に突っ走っていいのかどうか、悩む就活生も多いはず。
実は、専門家の皆さんの中にも“モヤモヤ”経験者がいるようです。この妙な感覚にどう向きあったらいいのか、いろいろなアドバイスがありました。
(聞き手:石川将也(3年)、勝島杏奈(4年) 司会:石井隆広)
石井アナ
(4年生の)勝島さんは、去年インターンシップに参加したと思いますけど、こういう経験ありますか?
学生4年
勝島
たくさんあります。
実際、インターンシップに参加してみると社員さんの雰囲気が“なんか違うな”って感じたり・・・。モヤモヤしたことは何回もありました。
なるほど。では、皆さんに、答えを出していただきましょう。お願いします。
皆さん「×」、ゼロからやり直すべきではないということですね。では、中野さん。
“微妙な違和感”だったら、ゼロからやり直すのは反対ですね。
中野さん
会社の(勤めている)人間は増えたり減ったりするので、織りなす空気感は徐々に変わっていくものなんですね。
ただ、会社の理念やビジョンなど、いわゆるカルチャーはできるだけ変えないでおこうっていうものもあります。
そこ(理念・ビジョンなど)とずれていたら、ゼロからやり直すのも私はありかなと思いますが、その他のところは、ほぼ変わりますね。
寺口さんはどうでしょう?
2020年12月2日 NHKプラスクロスSHIBUYAで取材、収録。
【4社にお答えいただいた「就活のギモン 2022卒」の内容は、動画版もあります!「就活ゼミ」→「就活ニュース」→「動画」からチェック。就活関連の動画は、NHK公式Youtubeなどでもごらんにいただけます!】
そうですね、僕もバツです。その前提として「違和感を持つ」ってことがめちゃくちゃいいことだと思っているんですよ。
寺口さん
違和感を持つことはよいことなんですか?
自分の中で持った“違和感”は、誰が何を言おうとそれは正解なんですよ。
20年間自分が生きてきた中で育んだ感性がそう言っているんだったら、そう変わることはないと思います。
逆に、“なんかいいな”っていう感覚も多分そんなに変わらないって思います。
ただ、ちょっとモヤっとしたなっていう時に、その感情を言語化してあげるのがめちゃ重要なんですよ。
「やばい」「アガる」「エモい」という感情を言葉に置き換えていきながら、(そう思った)原因ってなんだろうと考えていくと。
会社を転々として、どこでもうまくいかないって人たちの口癖って「いやなんか、ちょっと違ったんだよね」というのが多いなって。
キーワードだけでもいいんですよ。思ったことをキーワードでメモっておく。
そしたら“モヤってる”企業に共通しているキーワード=嫌な条件が見えてくる。
なるほど。
で、“嫌”は避けた方がいいです、絶対。
僕はその違和感を無視して、全然合わない業界に入ってその違和感に毎日苦しみました。
ただ、なぜ「×」かというと、「ゼロ」からやり直すべきか?には、決してそんなことはないよって思ったからです。
「なんとなくノリが合わないな」よりも、もう一段階深めて言語化して、キーワードで出していくということですか。
そうですね。もうちょっと言うと、仕事なんて極論、気の合うメンバーと心地よい環境で好きなことをやればいいと思っています。
寺口さん
社会人は嫌なことを我慢しなきゃいけないとか、価値観が合わない人たちと無理やり合わせないといけないとかいう話がありますが、理想はたぶんそうじゃない。
やっぱり心地よさってすごく大事だと思うんです。
勝島
ひとつ質問があります。去年1年間いろんな企業のインターンシップ参加したんですけど、正直、違和感を感じることの方が多くて・・・。
でも、違和感を感じた企業をどんどん省いていったら結果的に残る企業は本当にわずかになってしまって不安なので。
そのモヤモヤを押し殺して、就職活動を続けていたんですけど、どこまで違和感だったりモヤモヤを拾い上げていくべきですか?
私は自分で会社を設立して、9年ですけど、作った自分でも会社に対する違和感ってゼロじゃないんですよ、実は。
中野さん
だから、違和感がゼロの会社なんてありえないんじゃないかなって思っているんです。
だって、たくさんの仲間と一緒に(会社を)やるじゃないですか。
(自分は)ここは変えた方がいいけど(会社としては)すぐには変えられないとか、こっちをやりたいけど今は我慢とかいうのがいっぱいあるんです。
だから、完全に理想の状態になる瞬間ってそんなになくて、その上で「譲れない違和感」って何?という考え方でやってみるといいと思いますよ。
そうですね。学生のみなさんは、「コソバイ(こそばゆい)こと」と「めちゃくちゃ気持ち悪いこと」が一緒にNGリストに入ってしまっていることがあるんですよね。
寺口さん
中野さんがおっしゃったように、会社って生き物だなって思います。(私は転職して)今の会社に4年間いますけれども、去年とも一昨年とも入った時とも、もう全然違います。
いる人もやってる仕事も違う。全部変化するんですけど「めちゃくちゃ気持ち悪いこと」がないんですよ。だからやっぱりいる。
石井アナ
どうですか、ハテナマークは下ろせそうですか?
学生
勝島
下ろせそうです。
石川さんは、どうでしょう?
学生3年
石川
ひとつ聞いていいですか。自分は元々の志望業界があってインターンに参加してきたんですが、実家が農家ってこともあって、食品関係にも興味が出てきました。
ただ、今から業界研究を始めて間に合うのかなって思っちゃうんですけど、どうですか?
全然、間に合いますよ。そう思ったらそのタイミングできっちり考えていけばいいと思います。
増本さん
これまでの人生もどっちがいいかってなったときに、選択の基準があったから選べてきたと思うんですよね。
また、選択する際は自身の基準があるから選べます。それに気づくよいきっかけかもしれません。
「違和感」や「なんとなくこれいいかも」って感じたことをもう一段、自分の中の基準に照らし合わせて、どういう言葉になるのかと考えていくと、より納得感がある仕事選択ができると思いますね。
石井アナ
高橋さんはどうですか?
(今から志望業界を変えても)全然遅いってことはないと思います。
高橋さん
ただ、ひとつ、その業界に対して以前から志望していた方と比べると(現時点では)情報が少ないですよね。
そこにかける労力を増やしていかないといけませんね。
はい。覚悟があれば間に合うと思います。
3月、4月が就職活動のピークだとは言われていて、そこにターゲットを合わせるのは大事ですが、卒業するまでに時間は十分あります。
実家が農家であれば、食品に関連するような業界や企業は複数ありますから、そこを見てみるのも一つかなと思います。
たしかにそう考えることで、もっと志望業界を広げて考えられるなって思いました。
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