2021年01月05日
就活生のみなさんからのギモンに、就活のスペシャリストたちが回答する2022卒の「就活のギモン」。今回のテーマは重要性がますます高まっている“インターンシップ”について。こんなギモンを就活スペシャリストたちにぶつけてみました。
(聞き手:石川将也(3年) 勝島杏奈(4年) 司会:石井隆広NHKアナウンサー)
石井アナ
インターンシップへの参加の難しさについて、石川さんはどう感じていますか?
学生
石川(3年)
夏からインターンシップ選考にES(エントリーシート)を出していたんですけど、なかなか通らなくて。
やっと参加できたと思ったら、参加者に1、2年生もいたりして。
(選考の)競争が激しくなっているんじゃないかなと実感しています。
石井アナ
勝島さんは去年参加していますよね?
学生
勝島(4年)
そうですね、去年たくさん応募したんですけど、自分が思っていたより苦戦しました。
最後のほうになると不合格を知らせるお祈りメールに慣れてきてしまって。
「ああ、またこれか…」って思いながら就活をしていました。
では皆さんに、ギモンの回答をしていただきましょう。○か×、どうぞ!
分かれましたね。「○」が3人で「×」が1人。
「〇」を出された中野さんは、参加が難しくなっているという見解ですね。
そうです。なぜかといいますと、2021卒の学生さん(現4年生中心)は、コロナの影響をまともに受けました。
中野さん
2月以降、3月から就職活動本番で動き始めたらいきなりコロナで動けなくなりましたよね。22卒(現3年生中心)は、その大変さをひとつ上の先輩(21卒 現4年生中心)から聞いています。
だから、何が起こったかというと、夏のインターンシップに応募する学生さんがめちゃくちゃ増えたんです。
逆に、企業は(2021卒の学生の選考を)オンラインに切り替えるのが結構大変で、それが3~6月のころでした。
6月は22卒のサマーインターンの開始時期なんですよね。
つまり学生の応募は増えたのに、企業は21卒のオンライン対応をしていて、22卒のインターンのオンライン対応に遅れがちだったんですよ。
で、秋ごろからようやく(オンラインのインターンが)増えてきている。
なるほど。
去年とは(インターンシップの受け入れが)増える時期が違っています。
ですから、夏場に動いている22卒の学生さんは去年と比べたらすごく大変だってなるんですよね。
(受け入れが増えてきているので)冬は夏よりは参加しやすくなってくると思います。
増本さんも「〇」(難しくなっている)ですね。
学生のみなさんの「よく落ちるな」っていう体感も含め難しくなっていると思います。
増本さん
去年と比べてインターンシップ実施の社数というのが少なくなっている。
要因の1つに「採用の計画」自体が見通しづらくなっていることがあります。
採用の計画が見通せないから、インターンシップもするかしないか迷われるケースがありまして。
※9月時点の調査 3分の1以上の企業が「採用計画を検討中」と回答
<就職みらい研究所『2022年卒採用見通しおよびインターンシップの実施状況』より作成>
結果、インターンシップの実施の社数が少なくなっていると。
採用計画が見通せないことが要因のひとつですね。
もう一つは、コロナの影響です。
回答した企業の約7割が「新型コロナウイルスの影響があった」
<就職みらい研究所『2022年卒採用見通しおよびインターンシップの実施状況』より作成>
これまでは(インターンシップを)対面で受け入れていたけれど、人数を制限しなければいけないといったケースも出てきています。
一方で、学生のみなさんはすごく不安で焦っている部分もあって、応募の数が増えているので、倍率としては難しくなっていると思います。
ただし、地方の企業とか中堅中小企業の話を聞くと「いやいや、予定数に満たないよ」っていう現状もあるので、まだまだ応募を受け付けている企業もかなり多くいます。
寺口さんも「○」(難しくなっている)ですね。
私も結論は、参加は難しくなっていると思います。
寺口さん
内容はもうおふたりと同意で、もう1つあるとすれば、学生さんがインターンを希望する対象が、結局一部の大企業に集中していますよね。
それって、人気企業ランキングみたいなもので(学生から)認知されている企業が多いなって。
そういう選び方になりがちですけど、どっちかって言うと受けてどうだったかというか、やってみてどうだったかという、体感後が大事になってきます。
なので、僕らは(インターンシップに参加した学生さんの)体験記みたいのを公開していて、有名ではないけれども良い体験が得られそうな企業さんを公開しています。
この先、こうした情報を含めて、人気企業ランキング以外の指標がもっとマーケットに浸透すれば(知名度の高い大手企業への)一極集中の問題も緩和されるんじゃないかなと思っています。
なるほど。3人の方は「○」でしたが、高橋さんは「×」ですね。
たしかに学生に知名度があるような企業に関してはやはり倍率も上がっていると思います。
高橋さん
ただ、やはり全国規模で地方も含めて(状況を)聞きますと、選考を設けている企業は人気企業が多いんですよね。
地方の企業や中小企業は、選考を設けていない企業も多くあります。
何回もエントリーシートを送って落ちた…それって結構大企業じゃないですか?
学生
石川
そうですね、わりと大手(企業)に出しがちです、自分は。
そうですよね。そこ(大手企業)に限定したらこれ「○」(参加が難しくなっている)ですね。
ですけど、インターンシップ全体を全国で考えると僕はあえて「×」って言いたいと思います。
みなさんのお話を聞いていると、大手企業のインターンシップの選考は難しくなっていると。
ということは、そういう選考では、結構多くの人が落ちることもあるということですよね。
インターンシップと本選考って直接の影響がないので、落ちる練習だと思っていっぱい受けていいと思いますよ。
ただ、大手ばかりではなくて「本当に自分が何をしたいのか」とか「10年後20年後の自分のキャリア」とかを考えながら、視野を広く持って(参加企業を)調べられたらいいなと思いますね。
2020年12月2日 NHKプラスクロスSHIBUYAで取材、収録。
【4社にお答えいただいた「就活のギモン 2022卒」の内容は、動画版もあります!「就活ゼミ」→「就活ニュース」→「動画」からチェック。就活関連の動画は、NHK公式Youtubeなどでもごらんにいただけます!】
なるほど。増本さんはいかがですか?
今の話に加えてなんですけれども、インターンシップで何を体験したいのかということから探して欲しいなって思うんですよ。
増本さん
中身を見ていくといろいろな工夫をされたインターンシップって実はたくさんあります。
VRを使ったインターンシップとか、工場見学の中で360度のカメラを回しながらそこにいるかのように見られたりとか、さまざまあるんですよ。
そういった機会で、“働く”をもっと知る、仕事をもっと知る、働いている社会人をもっと知るってことを、ぜひ探求して欲しいなと思います。
わかりました。ありがとうございます!
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