就職情報会社の調査によると、25年卒の大学生の就職内定率は6月1日時点で82.4％。前年の同じ時期を2.8ポイント上回りました。

現在の選考スケジュールになった2016年 (17年卒) 以降で最も高い水準となっています。

就職活動は年々早期化していますが、ことしはさらに拍車がかかっている状況です。

政府のルールでは、企業の採用面接は今月(6月)1日からとされていますが、慢性的な人手不足を背景に、早めに十分な採用人数を確保したい企業の間で競争が激化していることが背景にあります。

進路を確定させた学生は66.2％。前年の同じ時期を7.6ポイント上回りました。

ほぼ3人に2人が進路を決めた形で、学生が前の年よりも早く、進路を決めていることがわかります。

こうした状況を受けて、内定を辞退した学生の割合も56.4％と、前年の同じ時期より3.3％増加しています。

大手企業など、学生の志望度が高い企業でも採用時期を早めていることがうかがえます。

本来であれば、これからが就活のピークとなる時期ですが、採用を前倒しする企業が増えていることで、学生からはさまざまな声が上がっています。

学生の就活に対する価値観や考え方も、多様化しているようです。

6月1日時点で就活を続けている人は36.6％。およそ3人に1人は続けています。

内定率の数字を見ると心配になる人もいるかもしれませんが、今月から採用活動を本格化させる企業も多いので、必要以上に焦る必要はありません。

今後の動き方について、リクルート就職みらい研究所の栗田貴祥所長にアドバイスをもらいました。

自分の志望する企業のスケジュールをしっかり把握して、納得できる就活を着実に進めていきたいですね。

(※調査について)
対象　2025年卒の大学生　期間　2024年6月1日～3日　有効回答　811人

取材・編集：永野亜希

（「ラジオで開講!NHK就活応援ニュースゼミ」で放送予定）