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就活生のギモンを採用担当者に聞く(4)「逆質問」って評価に影響するの?

2024年03月29日

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面接の終わりに「最後に何か聞いておきたいことはありますか?」と逆質問を受けること、ありますよね。面接官はどんな意図で聞いているの?逆質問の内容は評価されるの?

ほかにも「面接で学生を評価する際のポイントは?」など、就活生の面接のギモンについて、企業の人事・採用担当者と就活の専門家がお答えします!

※2024年2月23日放送『ラジオで開講!NHK就活応援ニュースゼミ』の内容をもとに作成しました。

「逆質問」は評価に影響する?

石井隆広
アナ

「面接」について、次のテーマは「逆質問」です。

「面接での逆質問の内容が評価に影響するのかどうか」を企業の採用担当者に聞きました。

記者
谷口

逆質問を設けていないという1社を除き、全社が影響しないとの回答でした。

【各社の回答】

「選考(こちらからの質問に対するご回答)の中で評価しますので、逆質問の内容は評価に影響しません。社員と直接お話いただける機会ですので、会社や仕事について気になる点を質問いただき、疑問や不安を解消いただきたいと考えています。」(日立製作所)

学生の不安点払拭と、企業理解を深めていただくため。」(アイリスオーヤマ)

「面接は互いのことを良く知る場であると考えています。どんなことでも聞いていただき、弊社への理解を深めていただきたいためです。」(大手メーカー)

「こちらからの質問に終始するとやや一方的であり、出来るだけ双方向な対話を実施したいため。」(東京ガス)

「本人のやりたいことに関わる弊社の情報について、本人の理解が追いついていれば質問がなくて構わない。逆質問では志望度を確認している。」(大手メーカー)

学生の対応力をはかるため。」(JTB)

面接は学生が企業を理解し評価する場でもあると考えるため、学生にとっての企業研究・企業理解の機会として実施している。また、逆質問を通じて、学生自身が面接で伝えきれなかったことを伝えるきっかけとしても活用してほしい。」(大手通信会社)

「当社について、疑問や不安があれば払拭したく質問してほしいと考えています。不明点や気になる点を解消して理解を深めていただくことを目的としている為、基本的に評価には影響しませんが、逆質問も面接時間内であるため、立派なアピールの場になることもあるのではないでしょうか。是非、自分自身をアピールするための逆質問を考えてみてください。」(住友林業)

面接は企業と学生がお互いに理解し合う場であると考える企業が多く、どんなことでも聞いてほしいとしています。

追加質問をしないとマイナスということはないものの、逆質問も面接時間内ではあるので立派なアピールの場になる、プラスの要素になると考えている企業もありました。

ワンキャリアの小林さん、全社、評価には影響しないということですが、どうですか。

評価に影響するのかというのは合否に影響するのかという話かなと思いますが、加点要素にはなりうるのかなと正直思います。

ワンキャリア
小林さん

例えば、どんなことを聞くといいのでしょうか。

自分と企業のマッチ度をはかるために必要な情報を取りに行く質問などは、自分にとってプラスになるのかなと思っています。加点されるかどうかはそんなに意識しなくていいと思います。

ただ、自分で調べれば出てくるような情報を逆質問でしてしまうのはちょっともったいないかもしれません。

企業側にも「またこういった質問か」とか「これ調べなかったんだな」っていう印象を与えかねないと思うので。

ワンキャリアの小林直樹キャリアアドバイザー

例えば給料や残業時間の話なども、ネットなどで調べれば出てくる時代なので、そういったものに関しては自分で検索していただいて。

では何を聞けばいいのかというと、例えば、この会社ではどんな経験を積めるのかとか、先輩からどんなフィードバックが得られるのかみたいなところですね。

そういうことを聞くと、社風とかも分かりますし、これからキャリアを考えていくうえでもプラスに働くかなと思います。

逆質問も学生のみなさんが企業を選ぶ判断材料に使えるということですね。

そのように使っていただくのが有意義かなと思います。

評価されるのかもしれないとか難しいことは考えず、自分のために時間を使っていただければと思います。

どこまで素直に答えるべき?

続いて、就活生にとっては、この質問の意図は何だろう?と気になるギモンです。

【各社の回答】

学生の志望度や、志望している業界を把握したいから。」(大手運輸会社)

本人の就職活動の方向性を確認したい。興味や志向を確認している。業界や企業がバラバラでも理由があれば構わない。」(大手メーカー)

「どの会社と悩んでいるかを具体的に知ることで、学生の意思決定をサポートしやすくなるため。」(東京ガス)

学生の選考状況を確認するためです。次回の選考スケジュールを調整したり、内定までに不安が解消されるようフォローしたりすることもあります。」(アイリスオーヤマ)

競合の業界や会社を知るため。」(JTB)

「面接官側の立場として自社を受けてくれる学生さんが、他にどのような企業に興味を持っているのかを知りたいからです。同じ業界、異なる業界など回答してくれた内容によって、なぜそのように考えたか深掘りし、学生さんの本音を聞き出したいのではと感じております。ここで住友林業しか受けていませんと言われると逆に不安になってしまいますので、正直に受けている会社を話してほしいです。その回答によって評価が変わることはありません。」(住友林業)

学生の志望している業界や選考状況を確認するため、という回答が多くなりました。

正直なところ、どこまで素直に答えればいいのでしょうか。

必ずこうという形はなくて、就活は「この会社なら自分らしく働ける」と考える学生と「この学生は当社でなら活躍してもらえる」と考える企業とのマッチングの場でもあるので、素直に答えるのがベターだと思います。

リクルート
森田さん

回答にも「業界や企業がバラバラでも理由があれば構わない」とあるように、理由があるのなら異なる業界を言っても問題はありません。

というのも、業界でくくられてはいますが、各企業、たくさんのことやっているので、メインがA業界に属していても、B業界やC業界に関わる仕事を内包していることもあります

リクルートの森田友幸副編集長

さらに、学生のみなさんが企業を見る時に基準としているのは業界の軸だけではないですよね。

地域の軸、国際的に活躍できるかという軸など、さまざまな軸があるので、自分の中に理由があれば大丈夫です。

企業は学生の何を評価している?

最後に、面接で企業が学生の何を評価しているのかも尋ねました。

【各社の回答】

「基本的なコミュニケーション力、論理的思考力、職種理解やその職種への志望度など、様々な点を評価しています。特に職種理解やその職種への志望度は、入社された後のギャップをなくすためにも重要だと考えています。」(アイリスオーヤマ)

挑戦・成長・価値創造の3つが、JTBが求める自律創造型人財の3つの要件。」(JTB)

「個別の評価項目に加え、「一緒に働きたいと思うか」「当社になじむか」も評価する際のポイントとしています。評価項目は職種毎に異なりますが、結果を出すために粘り強く取り組むことができるかは、どの職種であっても共通で確認しています。第一印象やコミュニケーション能力も大切な要素ですが、ここで話したことが全てではありませんので、面接を受けていただく学生さんがどんな人なのかを様々な角度から質問しております。」(住友林業)

自分が何をしたいか、あるいはどう貢献できるか、それは何故かについて明確であるかという点。」(東京ガス)

自身が会社を使ってどのように社会へ貢献していきたいかという点がポイントです。」(日立製作所)

「学生時代頑張ったことや研究内容、また弊社で成し遂げたいことをお聞きしています。またパーパスや企業理念として掲げるメッセージへの共感も大切だと考えています。」(大手メーカー)

学生時代のエピソードから主体性を感じるか。相手を巻き込めるコミュニケーション能力があるか。」(大手メーカー)

『自分なりの考えをどう取り組みに反映させたか』を自分自身の言葉で伝えられているかという点。また、面接でのコミュニケーションを通じて学生自身の個性と会社の理念や事業とのマッチ度合いを確認している。」(大手通信会社)

企業によって、評価のポイントはさまざまなようですが、学生は何を意識すればいいでしょうか。

評価のポイントは企業によって違うように感じるものの、大きく3つに分けられると思います。

1つ目は「あなたはどういう人ですか?」というキャラクターの部分。

2つ目は「入社したら何ができますか?」ということ。

3つ目は「なぜうちの企業なんですか?」ということです。

学生が面接で話す内容を考える際に、自分にとってのメリットを話すことがうまくても、企業が自分を採用する理由を説明する準備ができていない学生が多いと感じます。

なので、学生は企業のことを知ったうえで、自分と企業がどれだけマッチするのかを成功体験や挫折体験を具体的に話しながら伝えると、企業もジャッジしやすくなると思います。

そこを具体的に話せなかったり抽象的な言葉でまとめたりしてしまうと、企業が具体的なイメージを持ちにくいんです。

自分を売り込むときのポイントは、企業に自分が入社してからのイメージを持ってもらえるよう、自分の強みを発揮できるシーンと一緒に具体的に伝えることだと思います。

森田さんはいかがですか。

これをアピールすれば正解というものはなくて、会話の中でその人の本音が見えてくるので、どんな質問にも自分の言葉で語ることができるようにしておくことが大事だと思います。

例えば「御社の理念に共感した」だけよりも、どこが自分にどうマッチしたのかを説明する。

なぜ自分はこの企業に合っていると思っているのか。そもそもなぜそれをやりたいと思っているのか。なぜそう思うのかを繰り返し自問自答して深掘りしていく

自分で深掘りをするには限界があるので、キャリアセンターの担当者や家族、サークルの先輩など、身近な社会人を相手に相談して「壁打ち」をしていくといいと思います。

自分らしい言葉で話せるようにする意味では、普段の自分を知っている人がいいかもしれません。

というのも、自分で考えている自分と他人から見えている自分が違う可能性があります。

話す内容に普段の自分らしさが出ているのか確認してもらいながら、深掘りしていくといいと思います。

逆質問について、2024年2月23日放送『ラジオで開講!NHK就活応援ニュースゼミ』でお伝えしました。ラジオの放送内容を聞くには👆の画像をタップしてください。

「ラジオで開講!NHK就活応援ニュースゼミ」番組ホームページはこちら

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