Q.ワクチンによる感染そのものを防ぐ効果は?

A.
ワクチンには、感染しても重症化したり症状が出たりすることを防ぐ効果だけでなく、感染そのものを防ぐ効果も期待されています。

日本で接種が始まっているファイザー製のワクチンでも、当初の臨床試験では重症化や発症を防ぐ効果が確認されましたが、感染そのものを防ぐ効果もあるのではないかと、検証が続いています。

イスラエルでは世界の中でも早いペースで接種が進んでいて、イスラエルの保健機関やアメリカのハーバード大学などの研究グループが、ファイザーのワクチンの実社会での効果を調べた論文を2021年2月24日にアメリカの医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表しました。

この中では、2回目の投与を受けたあと7日目以降では▼発症を予防する効果が94%、▼重症化を防ぐ効果が92%だったほか、▼無症状の人も含めて感染を防ぐ効果も92%だったということです。

また、アメリカのCDC=疾病対策センターは感染そのものを防ぐ効果についての研究結果を2021年4月2日に発行した週報で報告しました。

それによりますと、アメリカでファイザー製のワクチンかモデルナ製のワクチンの接種を受けた医療従事者など3950人を対象に、2020年12月から2021年3月中旬までの毎週、新型コロナウイルスに感染していないか、PCR検査で確認したところ、2回目の接種後、14日間以上たった人では、無症状の人も含めて感染そのものを防ぐ効果は90%だったとしています。

接種を2回受けていなくても、1回目の接種後14日間以上たった人では感染を防ぐ効果が80%だったということです。

このほか、ワクチンの接種後、高齢者施設や医療従事者の感染が大幅に減ったという報告が複数の国から出されています。

(2021年4月12日時点)