Q.ワクチンは感染を防ぐもの?重症化を防ぐもの?

A.
国内で接種が行われている新型コロナウイルスのワクチンは発症や重症化を防ぐことが確認されていましたが、感染そのものを防ぐ効果も確認されてきています。

ワクチンに期待される効果には、▼感染そのものを防ぐ「感染予防の効果」、▼感染しても症状が出るのを抑える「発症予防の効果」、▼症状が出ても重症にならないようにする「重症化予防の効果」、▼多くの人がウイルスへの抗体を持つことで社会全体が守られる「集団免疫の効果」があるとされています。

日本国内で使われているワクチンのうち、▼ファイザーとビオンテックが開発したワクチンは臨床試験で発症予防効果が95%、▼モデルナのワクチンは発症予防効果が94.1%などとなっていて、このほか重症化予防についても高い効果が確認されています。

さらに実際の社会でワクチンが使われるようになってからは、感染そのものを防ぐ効果も確認されるようになってきました。

世界の中でも早いペースで接種が進んだイスラエルの状況について世界的な医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表された論文によりますと、ファイザーのワクチンの2回目の接種を受けたあと7日目以降では、▼発症を予防する効果が94%、▼重症化を防ぐ効果が92%だったほか、▼無症状の人も含めて感染を防ぐ効果も92%だったということです。

一方、集団免疫とは、国や地域などの集団の中でほとんどの人がワクチンを接種するなどして免疫を持つことで、一部の人が免疫を持っていなくても、感染が広がらない状態になることをいいます。

WHO=世界保健機関は、集団免疫の状態となる条件について、正確には分からないものの世界の人口の70%以上がワクチンを接種する必要があるとして、ことし中に世界が集団免疫の状態になるのは難しいという認識を示しています。

(2021年6月29日時点)