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文化
2019.03.29
1960年代にフランス映画界に新風を吹き込んだ「ヌーベルバーグ」を代表する映画監督の1人で日本にもファンが多いアニエス・ヴァルダ氏が亡くなりました。90歳でした。
アニエス・ヴァルダ氏はベルギーの出身で、第2次世界大戦中にフランスに疎開し、カメラマンとして働いたあと、1954年に映画監督としてデビューしました。
そして1950年代から60年代にかけてフランスに生まれた自由奔放に映画をつくる動き、「ヌーベルバーグ」の中で、「5時から7時までのクレオ」や「幸福」などの作品を相次いで発表し、日本でも人気を呼びました。
また夫は「シェルブールの雨傘」のジャック・ドゥミ監督で、夫婦そろってフランスの映画界を率いたことでも知られています。
ヴァルダ氏は80歳を過ぎても精力的に映画製作を続け、最近ではみずから若い男性アーティストと映画を作る旅に出るドキュメンタリー作品「顔たち、ところどころ」を発表し、去年日本でも公開されました。
家族によりますと、晩年がんを患っていたヴァルダ氏は29日、パリの自宅で家族や知人に囲まれて息をひきとったということです。