就活ニュース

「最後まで部活をやっていて大丈夫?」23年卒就活のギモン 就活準備編⑶

2021年07月05日

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夏や秋のインターンシップの重要性が増す中、体育会系の部活などでがんばる人たちは就活に集中できない焦りも感じるかもしれません。やっぱりどちらかに絞った方がいいの?

逆に“ノンゼミ・ノンサー”の人も、ESに書くことがないとあきらめるのはもったいない。23年卒の対照的なリアルな悩みにマイナビの高橋誠人編集長とOfferBoxの中野智哉代表が答えてくれました。

(聞き手:田嶋瑞貴 本間遥)

学生
田嶋

いまスポーツクライミングという競技で全国大会に向けて練習をしているんですけど、スポーツに集中している学生や体育会系の選手は、最後まで競技をやりきった方がいいですか?就活はそれからでも間に合いますか?

結論から申し上げますと、最後までやってください。

高橋さん

今回も23年卒のお悩みに答えてくださるマイナビの高橋誠人編集長

まず、体育会に入っている学生自体が年々減っているんですよね。ちょっと調べたんですけど最近だと、大学生全体の10%もいないらしいんです。

そんなに少ないんですか。

僕も全国大会レベルではありませんでしたがスポーツを続けていて、社会人から見たときに、スポーツのプロセスと仕事のプロセスとは結構共通するところも多いんですよ。

例えば、目標があってそれに向かって鍛錬したり、相手がいて勝ち負けがありつつ、その悔しさをバネにまた這い上がったりとか、チームワークを使って問題解決したりとか。

あと、田嶋さんが「やりきった方がいいですか?」って質問してくださったんですが、僕はそこにすごく注目していて。1位じゃなくても最後までやりきるっていうのは、これは仕事でも一緒で、すごく大事です。

なるほど。

体育会系の運動部をしていたことが就活で直接使えるか、という考え方ではなくて、今後社会に出ても、目標を設定してやりきる努力というのは必ず使える場面があります。

また、そうすることによって自分が成長していくプロセスは今後も続くと思いますよ。

やり切ると決めた場合、スポーツにばかり熱中してしまいそうなんですが、就職活動もやはりしなくてはいけないですよね。どう両立したらいいですか?

体育会系に所属していない学生と比べると、タイムマネジメントが大変だとは思います。

それでも、練習とか試合の空き時間を見つけて、スマートフォンを使って就職サイトを見たり、チームメートに自分の評価を聞いて自己分析してみたり、という時間の使い方はできます。

体育会の部活やサークルに100%取り組んでいた時間をちょっと減らして、その分就活に使ってみるというような工夫をしていただければ、大丈夫かなと思いますね。

ただ、企業側も採用スケジュールを立てて動いているので、エントリーは忘れずにしておきましょう。

なるほど。結果を追い求める努力の過程というのが、企業にとっても価値があるということなんですね。

そうですね。ですから、体育会でも部長など役職についていないと評価されないのですかと聞かれますが、例えば「テニス部の副部長」は全国で多くいそうですよね。

そうですね。確かに。

役職で企業は評価しません。その人の価値観や行動、例えばそのスポーツを知った動機や、目標に向かってどう頑張ったかというプロセスを企業は評価します。

ありがとうございます。

大会などのスケジュールは伝えておく

私からも就活の方法という話をすると、大会があってその期間、就活に時間を割くのが難しいということもあると思うんですが、人事とコミュニケーションを取る機会ができた時に、先に言っておいたらいいと思いますよ。

中野さん

スポーツと就活の両立の悩みに答えてくださるOfferBoxの中野智哉代表

「このあと実は大会があって、面接に行けない時期があります」と素直に伝えておく。「じゃあもういいよ」って言う企業って、多分ないと思うんですよ。そういう事情すらのめないという企業は聞いたことないですね。

うちの会社の選考でも、よく「合宿があるので……」という人がいますけど、逆にどうぞどうぞ、がんばってみたいな…笑

そんなに融通が利くもんなんですね。

仲間探しをしているので、お互いにスケジュールを柔軟にやりましょうっていうのが基本です。

もちろん大会が2週間後にあるので就活のことを一切考えたくないので連絡してこないでくださいっていうのはまずいですよ。

それはそうですよね。

一方で、全く企業と接触せず、エントリーもせず、全ての大会が終わってから動き出そうとすると選考が完全に終わっている企業も出てくるので、やり方は考えたほうがいいと思います。

学生
本間

逆に私はゼミに入ってなくて、かつ体育会系どころかサークルにも入ってなくて、いわゆる“ノンゼミ・ノンサー”なんですけどやっぱり就活に不利ですか。

企業のインターンシップのサイトに登録するときに、ゼミやサークルを書かされることが多いんですけど、空欄で出してしまっていいのかなって思ってるんです。

先ほどもお話しさせていただきましたが、体育会系に入っている比率から言うと、逆に9割の学生が体育会に入っていないという…。

確かに。

こちらもよく就活生から質問を受けますが、履歴書やエントリーシートで、ゼミやサークルの欄を空白空欄のまま提出するのは、消極的な印象を与えてしまうかもしれません。

なので、空欄では出さずに、ゼミやサークルに入っていないその時間をどのような使い方をしていたのかっていうことを書いてみたらいかがでしょうか。

え?いいんですか?

ここにこれを書いたら減点というようなテストじゃないので。サークルには入っていなかったけれど、資格の勉強をやっていましたとか、そういう努力とか取り組んだことを企業に伝えるんです。

みなさんもこれから、自分から主体的に発信していく必要があって、じっと黙って座っていたら企業が評価してくれるっていうものではなくなります。

ですから、ノンゼミノンサークルだから企業にアピールすることがないという、学生側の考え方で、空欄にするというのはちょっともったいないなぁと感じています。

聞かれたことに対しては、聞かれたことで返さないといけないのかなと思っていたんですけど…

エントリーシートの様式は様々なので、所属サークルの欄と仮定して話をすると、「サークルには入っていませんでしたが」と前置きするとか。僕が人事だったら書いてくれた方が嬉しいんですけどね。

なるほど!!確かに自分から自分をアピールするっていう意味では…

積極性や主体性を感じますよね。

中野さんにもご意見を伺いたいです。

結論からいうと(“ノンゼミ・ノンサー”でも)関係がないです。例えば、ゼミってめちゃくちゃいろいろあるじゃないですか。

仕事をする上で、学生時代のゼミの学びが活かせることって、理系の研究室だったらあるかもしれないですけど、普通はすごく少ないと思うんですよ。

だから、ゼミに入っているか入っていないかでそんなに変わらないと思います。それよりも、なぜそれを選択したのかとか、どういう考え方を持っているのかとかが大事だと思います。

なるほど。ちょっと安心しました。

逆に企業がなぜそういう設問項目を置いているかっていうと、学生さん一人ひとりを広く知りたいんですよ。だからいろんな質問項目を置いているんですね。全項目書ける人は、いないかもしれませんよ。

もう一つ、私、文学部なんですけど、学部も見られているのかなと思って…文学部って不利とも聞くんですが、実際はどうですか?

それは多分ないと思います。学部の中でも専門スキルにつながる学部だったら、多少あるかもしれないですけど、そこはあまり気にしなくていいと思います。

今の仕事って役割がすごく複雑に、細分化されているんですね。例えば営業職であっても、最終的にお客さんと話して契約を取る営業と、その前にアポイントをする営業とか、役割を細分化していってるんですよ。

そうなんですね。

それに対して大学教育はもう少し広く学ぶのが前提です。職種って200とか300とかあるというんですよ。

多いですね!

学部ってそんなにないですよね。

学生たち

そうですね。

この学部はこの職種にヒットしやすいというのがある企業もあるかもしれませんが、ない企業が多いし、学んできたことで得た価値観とか、この先学び続ける姿勢とかに企業は興味を持つので、そんなに気にしなくていいのかなと思います。

よかったです。

ただ一方で、“文学”をそのまま生かした仕事というのは、やはり少ないですね。

そうですよね。それは日々感じています。

文学自体を専門にしている人たちって、私いろんな人に会いますけどいまだに出会ったことがないので、そこで学んだ価値観や自分自身とフィットする仕事を新たに探していくっていうふうに考えたらいいと思いますね。

なるほど…そこで自分が何を学んだかを企業に知ってもらうように取り組めば良いんですね。

後はなぜそれを学ぼうと思ったかという、好奇心のところですね。

内面を出すことが大事なんですね。

そうですね、それが大事だと思います。

次回は、就活と急に言われても、どんな仕事が向いているのか、自分が何をしたいのかさっぱりわからない。そんな時にどうすればよいのかうかがいました。近日公開予定。

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