就活ニュース

こんなに違うの?NHKアナが自己PR動画をアドバイス(3)

2021年04月28日

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ふだんカメラに向かって話しているNHKのアナウンサーが、学生リポーターの自己PR動画にダメ出し&アドバイス。

人柄がわかる自己PR動画の撮り方って?

いちばん伝えたいことがきっと伝わるノウハウをお教えします。
(司会:石井隆広NHKアナウンサー、講師:杉浦由紀、吉田浩NHKアナウンサー)

アナウンサーのアドバイスでブラッシュアップ!

学生
小野口

学生リポーターの小野口愛梨です。

今回、動画撮影が初めての経験でしたけども、今できるすべてを尽くしました。アドバイスお願いいたします。

石井アナ

小野口さんの自己PR動画30秒です。

<小野口さんビフォー動画>

小野口さんの自己PR動画、どうだったでしょうか。

柔らかくて、温かさが伝わる動画だと思います。

杉浦アナ

表情もすごく、いいなって思いました。

コメントの一文一文が短くて、聞きとりやすかったです。

吉田アナ

では自己PR動画の3つのポイント。

「しゃべり方」、「テーマやコメント」、そして「演出」。それぞれについて考えていきたいと思います。

しゃべり方

まずは、しゃべり方についてです。小野口さんは表情が柔らかく、はきはきと話している、ということですかね。

はい。それがもうすでにできています。なので、もう一歩、小野口さんという人物が伝わるためには、「表情をもっと豊かにする」といいなって思います。

豊かにするって聞くと、すごく難しそうに感じるかもしれないですが、実はふだんの皆さんの表情はもっと豊かなんですよ。

そうですね。

ですから、お友達にしゃべる感じとか、お母さん、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃんにしゃべる感じをカメラの前でも意識できるといいなって思いますね。

講師の杉浦アナは、アナウンサーの採用面接官の経験者、面接官の視点からもアドバイスします。

私たちも新人の頃は、やはりカメラに向かってしゃべってる感じだったんですよね。

それを「カメラの向こうに人がいる」っていうイメージを膨らませてしゃべりなさいって言われて。それは新人時代からずっと意識してやってますね。

そうすると伝え方、声の出し方、間の取り方がちょっとずつ変化しますね。もちろん表情も変化しますので、そこは、大事にするといいと思います。

さらにしゃべり方について、例えばカンニングペーパーについてはどうですか?

これは、本当に自然に話せるところまで、覚えた方がいいです。思いをしみこませる。

でも不安な場合や、時間がないこともあると思うので、そういう時はカンペはカメラになるべく近い位置に出す

スマホの場合だと(場所は)どうですかね?

スマホのすぐ下くらいに置くのがいいのではないでしょうか。

カンペを使う場合は、置き位置がとっても重要です

話す内容が30秒ぐらいであればもう、覚えていただきたい。

でも、1分とかそれ以上の長い尺があると思うんです。

その場合はカンペを作ってもいいですが、横に置くと、横に目が行くのってすごく分かるんですよね。「ああカンペ見てるな」って。

覚えるにしても、何かストーリー立てしながら自己PRを考えていくと、覚えやすくなりますね。

なるほど。

たとえば1分半の尺だったら30秒のかたまりを3つ言う感覚で組み立てていくと、話がしやすくなると思いますね。

テーマやコメントについて

次に、「テーマ」と「コメント」についてです。

小野口さんの動画は、短いセンテンスなのは良かったですね。でも、もっとパーソナリティを知りたくなりましたね。

そうですね。「高校1年生の時から5年間使い続けている手帳を大切にしているんだ」ってことは分かったんですよ。

だけど、「手帳を大事に使っている小野口さんってどういう人?」までは踏み込めてないんですよね。

なんとなく想像はできるんですけど、もっと具体的に言ってもらった方がよくて、この手帳に5年間色んなことを書き溜めたおかげで私こうなりました、っていうエピソードが欲しいんですよね。

そうすると、小野口さんがどんな人か分かってくると。

そうなんです。

「だから、御社で働けますよ」ってところに最終的に繋がる。

なるほど。

もうひとつ「~な気がする」という最後の言葉は、ちょっと弱い印象を与えるかもしれないですね。

そうですね。

ここがいちばん、キモでしたね。

「心の支えになってくれる気がするからです」って心の支えになってないのかなぁって(笑)

「なっています」でいいですよね。

「気がする」とか「こういう感じがします」って、言い切りたくなくて使っちゃう言葉で、私たちも放送で使って指摘を受ける言葉なんですよね。

言い切っていいことは言い切っちゃった方が言葉もシンプルになりますし、尺・時間も短縮できます

そして、言わずもがなの分かりきったことは言わないことも大事ですかね。30秒しかありませんからね。

例えば「ここには目標や日々のスケジュールだけではなく」ってとても丁寧に言ってくれていましたね。

でも、手帳は、そういうことを書くものなので、削っちゃって、その分もっと小野口さんのパーソナリティを入れられると思いました。

短い時間だったらなおさらですね。

言えることは1つしかないと思います。

おそらく、学生の皆さんはすごく熱意があって、部活動・サークルとかたくさんやってると思います。

でも、全部は伝わらないので、自己分析した時に「いちばん頑張ったこと」、「自分の強みを伝えるためのいちばんの材料になる」のはどれだろうって厳選して伝えるのがいいかな。

テーマは1つだけっていうのを意識するといいと思います。

演出

それでは最後、演出について。

小野口さんの手帳。それをどう持ってくるか。

これは最大の武器であり、いろんな演出ができると思うんです。

“モノ見せ”があると、目線もカメラ目線だったり、これ(もの)を見たりってできて、いろんな表情を見せられると思います。

もし“モノ見せ”をする場合は、「出した後の位置」も考えて演出してもらえればと思いますね。

“モノ見せ”の演出を実演する吉田アナ

“モノ見せ”は本当に大事で、特に小野口さんの場合は5年使っていることがポイントなので、この手帳は年季が入ってるはずなんですよ。

なので、年季が見せられるような位置があれば見せちゃう。

更に大事なのは、「せっかくなら手帳の中が見たい」んですよね。

「手帳の中に私はこういうことも書いてますよ」っていう具体的な言葉を見せてもらって。

だから「私は、こう成長しました」とつなげられたらストーリーが完璧に流れます。

演出のポイントとして、カメラが固定でも自分が動く事で動きをつけて印象づけられますね。

大げさに言えば、1回フレームアウトした状態からインしてもいい。

例えば、「頑張ってきたことは野球部です」って人が、ユニフォームを着てるとします。

最初は上半身の画角でしか映っていないけど、次は引いた全身を映すとか、工夫はいろいろできますよね。

アナウンサーは、中継やリポートのとき、自分がいちばんよく映って、いちばんしっかり伝わる場所を見つけています。

言いたいことが伝わる“アフター動画”

ではこうしたアドバイスを、学生リポーターの小野口さんに前もってお伝えしました。アドバイスをもとに再度撮影した自己PR動画をごらんいただきましょう。

<小野口さんアフター動画>

小野口さん、ありがとうございます。

目線もですし、手帳の出し方も自然でしたよね。やってみてどうでした?

やっぱり、言いたい事を1つに絞りました。

「自分で決めたことは必ずなし遂げる」って1点に決めて、手帳もそのことを伝える手段として使うことにしました。

目的がしっかりされていてよかったですし、声に張りがあって元気な人だなあという印象がありました。

そのうえで、もう一歩いけるかなって思ったのは、手帳の中身を3ページ分ぐらいめくって見せていたんですけれど。

1ページをドーンと見せて、言葉を1つ言うとかでもいいのかなとは思いましたね。

“モノ見せ”を実演する杉浦アナ

(見えないと)手帳の中身がとても気になりますよね。

やっぱりそうですよね。

あと、「自分の心の針」、「人の心の針」って、いい言葉ですけれど、ちょっと飾りすぎた言葉のようにも感じるんですよ。

大学生の小野口さんが、ふだん使う言葉なんだろうか・・・、何か、ちょっとその言葉だけが浮いてしまう印象がありましたね。

実は私たちアナウンサーが、放送で話している言葉は、実に一般的な言葉なんですよ。

「心の針が動いた」じゃなくて「心が動いた」だけでも伝わるかなと思いました。

どうしてもね、言葉を探しに行ってしまうところがあると思うんです。

でも、「飾った言葉ではなくて誰でも分かる言葉」をPRの中に混ぜ込んでもらえればなと思います。

あとは、最後の「今度は人の心の針を動かせるように」ってところの表情が非常よかったです。

ありがとうございます。

小野口さん、感じたこととかありますか、今回やってみて。

そうですね「ちょっと飾りすぎてしまったな」と思いました。

大学生なので、大学生らしさを生かして、ありのままの言葉の方が伝わるんだなって思いました。

私たちは学生である皆さんを見たいので、背伸びする必要は全くないと思います。

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