2021年03月05日
たくさんOGOB訪問をしている友人がいると焦りますよね。コロナ禍だけどオンラインでOGOB訪問を受け付ける企業もありますし、たくさんやっておかないと熱意が伝わらず内定がもらえないのでは?そんな就活生の不安を専門家にぶつけてみると、社会人は、どうやらもっと別のところを見ているらしいのです。
(聞き手:石川将也(3年)勝島杏奈(4年) 司会:石川隆広NHKアナウンサー)
石井アナ
さあ答えて頂きますが準備よろしいですか。はい、どうぞ 。
高橋さんだけ「○」 。
情報量という面で言いますと、OGOB訪問を増やせば増やすほど増えていきますから。最終的には内定が近づくという意味合いで、私は「○」にしました。
高橋さん
物理的に情報量が増えるから、ということですね。
そうですね。
2020年12月2日 NHKプラスクロスSHIBUYAで取材、収録。
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ほかの皆さんは「×」の回答でした。中野さんお願います。
私は「×」ですね 。
中野さん
実際、私の(経営する)会社で、たくさんの社員にOGOB訪問しているから、その学生を採用しようって議論はまず出ないですから。
OBOG訪問って会社のカルチャーが見えるのがいいところですよね。会社の情報だけじゃなくて、この人はこういう価値観で働いてるっていうのが見えるのがいいわけで。
そう考えると、何人か会って(カルチャーが)理解ができれば十分と思います 。
「〇」と「×」の意見を聞きましたけど、どうですか勝島さん。
学生4年
勝島
ひとつ質問があるんですけど。
たくさんOB・OGの方に会っても、“熱意がある学生”とはとらえてもらえないのですか?
石井アナ
増本さん、どうでしょうか?
例えば(OGOB)1人と会って、そこから学びとったことを色々話してくれる人がいました。
増本さん
その一方で、とりあえず5人会いましたが、5人も会ったのに特に理解が進まなかったのっていうケースがあったとしますよね。
そう考えると会った人数ではなく何を学んだかが重要だなというふうに思いますね。
では、このOBOG訪問の目的や気をつけるべきことは何でしょう。寺口さんどうですか。
OBOG訪問の目的は3つぐらいに集約されると思っています。
寺口さん
1つ目が視野を広げる、新しい知識を得る。
2つ目は確認ですね。学生が企業に対してもった仮説が、実際どうなのかと確認しに行く場。
3つ目がリアルな話なんですけど、OGOBがこう言ったことが刺さったっていうのを、ESに書けたら内容が締まるじゃないですか。
ビジネスの領域において、自分が足を使って手に入れた1次情報ってめちゃくちゃ価値があるんですよ。
(OGOB訪問を積極的にする学生は)ビジネスにおいても、1次情報をたくさん集めに行く人なんだなと思われる。
ただ、多ければ多いほどいいんじゃないかっていう質問になると、数を貯めるためにやるのであれば、時間がもったいないし、スタンプを取りに来てるって、質問で相手にもわかるので逆効果なんですよ。
どういった質問で差が出るんですか。
ホームページに載っていることとか「これ、僕が答えなくても良くない?」って話を聞いてきたり。競合他社のこととか事業領域をそもそも知らないとか。
社会人がそんな学生をみると「あー、この1時間で(OGOB訪問の)1ポイントが欲しいために来たんだな」って気づいちゃいますね。
勝島
実際に私の友達で本選考の最終面接の時、人事の方に「君はうちの企業の何人にOGOB訪問したんですか?」という質問をされた人がいました。
もし数が関係ないんだとしたら、どうしてそういう質問が聞かれるのですか?
それは企業の性格によるかもしれないですね。
単純に事実を確認したい場合もありますが、企業によっては1日で何件電話したとか、何件飛び込んだとか質より量を評価する会社もあります。質問の背景を聞いてみるといいかと思います。
質問からも企業の社風が読み取れることがあるんですね。
質問は企業の性格がめっちゃ出ると思います。
せっかくエントリーしてくれた学生に失礼のないように企業が再確認しているということもありえますよ。
中野さん
私も(自社の)最終面接の時に「これまでうちの会社の誰としゃべってきたのかな?」って、必ず確認しています。
そうですね。加えて言うと、“この学生、入社して欲しいけど志望度がそれほど上がってないなって人事が感じた時もありえますね。
増本さん
志望度を上げてもらいたいから、このセクションのあの人の話を聞かせたいなとか、相互理解のためのコーディネートとしての質問もあるかもしれないですね。
石井アナ
人数を聞く質問にしても意図はいろいろあるかもしれないし、 だから学生は数に固執しない方が良いってことですね。
そうですね。だから質問の意図についても会話されることが重要だと思います。
OGOB訪問でも、ほぼ質問の意図がよくわからない。 ただずっと質問をして終わりっていう人が毎年います。
社会人側から見ると「ああ、この学生ちょっとな」って思っちゃう部分があると。
ビジネスをやってると、基本的に相手の時間に対してリスペクトしない人は仕事を失っていくってことを、知っておいて欲しいなって気持ちはあります。
寺口さん
お金より時間の方が大事っていう人はいっぱいいるという感覚は学生の人でも持っておいた方がいいと思います。(OGOB訪問に)時間を使うことで 本来、稼げたものが稼げなくなるかもしれないし。
でも、大事な会社の未来を創る仲間になるかもしれないって思えたら、この業務時間を割いてでも、OGOB訪問を受けるよと。
そういう社会人側(の行動や意図)についても想像するのが大事かなって。
なるほど。
学生3年
石川
僕は、まだOGOB訪問をしたことがなかったので、今の話を聞いて、特に質の面で目的を持って行かなければいけないなと痛感しました。
勝島
私は結構OGOB訪問を経験したんですけど、OGOB訪問に行くとき、どこかで評価されるような気がして・・・。
どこまでつっこんで話を聞いて良いのか、コミュニケーションの取り方に結構悩みましたが、どうすればよかったですか。
ネガティブチェックをしたいなら、やめた人に聞いた方が効率いいんじゃないかなと思います。もし目的がネガティブチェックなら 。
より企業のリアルなところを見たい時は、やめた方にお聞きした方がわかるのでしょうか。
事実は1個しかないんですよ。それをポジティブに感じる人はどう言ってて、ネガティブな人はこう言ってるっていう、双方を聞くとバランスが良くなると思います。
私は、あまり真実とかリアルを追求しすぎないほうがいいかもしれないと思います。
高橋さん
それがわからなくて社会に飛び出すのが就活生なので。そこのエネルギーが会社の原動力になっていくっていうこともあります。
真実っていうのは残酷な時もありますので、最初からこの企業の実はこういうところは…っていうのを突き詰めるよりかは、会社の次の世代を担っていくために、自分はこうなりたいとか、 むしろ自分はこう作っていきたい、ってところを持ったほうがいいかもしれません。
企業の真実がこうだっていう情報は、あんまり必要ないんじゃないかなって僕は思います。
石井アナ
ありがとうございます。
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