相次ぐセミナーの中止に企業も手探りのオンライン面接…。新型コロナウイルスの影響で、ことしの就活は例年とはまったく違う様相を呈しました。異例づくしとなった2020年の就職活動。学生たちに漢字1文字で表してもらった結果です。

(以下、マイナビ「2021年卒　学生就職モニター調査8月の活動状況」より　調査期間:8月25日～31日、有効回答数1635名)

まずは、1位から5位。

1位は「苦」。トップになるのはリーマンショックの余波が残る2012年の調査以来だとのことです。

学生たちの声に耳を傾けると。

「自粛期間中の選考がすべて中断され、一生就職できないのではないかという不安に陥り苦しい日々だった」(文化学園大学)

「コロナ禍での就職活動と学業を両立するのが苦しかった」(琉球大学)

「就活が今までとは全く違う形となってしまい、苦戦することが多かった」(新潟経営大学)

ただでさえ不安を抱え、つらいことも多い就職活動。いかに、コロナ禍での就活が大変だったかを物語るコメントが並びました。

そして、2位は「楽」。これまでの売り手市場も反映して去年までは7年連続のトップを維持していましたが、ことしは首位の座を明け渡す結果となりました。

この漢字を選んだその心を尋ねると。

「楽ではなかったが、就活を通じて学ぶことがたくさんあり楽しかったから」(専修大学)

「知らない人とたくさん出会えるなど、楽しかったことが多かったので」(三重大学)

「社会人になる楽しみを持っていたから」(香川大学)

「楽だった」という意味ではなく、「楽しかった」という意味合いでこの漢字を選んだ人も多い様子。何はともあれ、結果を前向きに捉えている様子が伝わってきます。

このほか、3位から5位はご覧のとおり。「耐」や「難」にも、やはりコロナの影が。

耐:「友人との気晴らしもできず、ストレスを抱えながら就職活動をしていたため」(独協大学)

難:「選考のスケジュールや方式が変わり、対応していくのが難しかった」(首都大学東京)

つぎに、6位から10位。こちらも、どちらかというとネガティブな漢字が並んでいます。

「辛」「迷」「悩」を選んだ理由の中にも、

「就活が終わった後の楽しみ(旅行など)がなかった」(東京外語大学)

「第一志望の業界がコロナの影響で採用中止となり精神的に追い込まれた」(滋賀県立大学)

などといったコロナの影響を受けた声が。…胸が苦しくなります。

一方、「考」には、「就活を通して自分と向き合ったり、深く考えたりする時間を持てた」などといった前向きな意見が寄せられました。

そして10位の「運」。オンラインでの就活を進めていくなか、自分が実力で内定を勝ち取ったといまいち実感できなかったり、周囲の苦しい状況を見て自分が幸運だと感じたりしたのかもしれません。

このほか、ランク外の回答ではこんな漢字も。

尻:「面接中に毎回痛くなったから」(島根県立大学)

川:「流れるように終わった」(名古屋工業大学)

誰:「自分が何者なのか」(沖縄職業能力開発大学校)

新型コロナウイルスの影響が色濃く反映された、ことしの就職活動の漢字。
来年は、明るい漢字がたくさん、ならぶことを期待したいですね。