シャッターがおりたままの商店街にひと気のないオフィス。仕事の都合でやむを得ず職場に向かおうと家を出ると、目前にはゴーストタウンと化した街が…。まるで昔見た映画の1シーンのような緊急事態宣言下の光景、みなさんもよく覚えていると思います。

満員電車で通勤する日々が一転、自宅でテレワークをする毎日に。今ではある程度定着してきたという人も多いようですが、この突然の働き方の変化、受け止め方はそれぞれの環境によって異なるようです。

<以下、リクルートキャリアのインターネット調査結果より　対象:全国の会社員(経営者、公務員、自営業など除く)実施期間:8月7日～8月10日　回答者:948人>

【どれだけの人が経験?】

まずは、緊急事態宣言下で「テレワークを経験した」と答えた人の割合を、生産年齢人口(15歳以上～65歳未満)が多い3つの都府県で見てみます。

「テレワークを経験した」と答えた人の割合

東京では10人のうち、7人が「テレワークを経験した」と回答。大阪、神奈川はいずれも60%台でした。

そして、その他の44道府県を見てみると、平均で38.5%という結果に。ここには、札幌や名古屋、福岡といった大都市も含まれていますので、県によっては、もっと割合が低かったところもあるようです。

【元どおりの人も…】

では、どれだけの人が緊急事態宣言が解除されたあともテレワークを続けているのでしょうか。

こちらは、緊急事態宣言が出される前と後で、テレワークの割合の変化を尋ねた結果。

現在も「テレワークを続けている」と回答した人は、もともとテレワークをしていた人も含めて35.9%。

逆に、緊急事態宣言中はテレワークを実施していたものの、現在は「通常の出勤に戻った」と答えた人も1割強いました。

【満足度に差】

こうした状況の変化、みなさんはどう受け止めているのでしょうか。緊急事態宣言が出される前と、現在の状況との比較について尋ねたところ、ある傾向が見えてきました。

まずは「自己の判断で自由にテレワークができるようになった」人。

<自己の判断でテレワークができるようになった>

・非常に良い　　　　　15.7%
・良い　　　  　　　　50.4%
・どちらでもない　　　26.0%
・良くない　　　　　　 6.3%
・まったく良くない　　 1.6%

66.1%が緊急事態宣言が出される前よりも現状の方が「良い」と感じています。「良くない」と感じた人は1割未満でした。

次に、“週〇日は出勤”などと会社の基準で「出勤する割合が決められている人」。

<出勤する割合が決められている>

・非常に良い　　　　　 8.8%
・良い　　　  　　　　33.3%
・どちらでもない　　　30.6%
・良くない　　　　　　17.7%
・まったく良くない　　 9.5%

「良い」と感じた人は42.1%。自由にテレワークをしている人と比べると満足度が下がり、27.2%が「良くない」と答えています。

最後に「テレワークから通常出勤に戻った」人。

<テレワークから通常出勤に戻った>

・非常に良い　　　　　 7.0%
・良い　　　  　　　　17.4%
・どちらでもない　　　43.5%
・良くない　　　　　　24.3%
・まったく良くない　　 7.8%

「良い」と感じた人は24.4%にとどまり、「良くない」と感じた人が32.1%に上っています。
不満を感じている人の割合が現状に満足している人の割合を上回る結果となりました。

緊急事態宣言を機に自分の裁量でテレワークができるようになった人の多くは、この状況の変化を好意的に受け止めているようです。

その一方で、“緊急事態宣言の解除に合わせて元どおりの勤務形態に”…という人の多くが、現在の状況に不満を感じている様子が見てとれます。

コロナ禍で急激に進んだテレワーク。働き方改革を推進する側面からも、引き続き重要視されそうです。