“結果の予想がつかない”ー。就職情報会社ディスコが、新型コロナウイルスの採用活動に対する影響を緊急調査。その結果、イベントの延期や中止など、採用活動の見合わせを始める影響が出ているものの、7割の企業が採用計画は当初の予定通りと回答した。

(調査は、全国の主要企業を対象に3月26日～30日の日程で実施、864社が回答)

との回答だった。
※採用計画とは主に採用人数に関するもの。

ディスコの分析は、
・21年卒の採用計画は現時点で予算消化の割合も高く、そう簡単には変えられない
・会社から見直しの指示がくるまでは、現場は計画通りに進めているという状況では・・・

という回答だった。

WEBを活用するなどの代替策を講じながら、採用活動を継続せざるをえない企業が大半を占めた。

ただ、中小企業を中心に少人数の面接などが採用活動のメインとなる企業や、もともとWEB採用に切り替えていた企業が当初の予定通りに進めているようだ。

採用を取りやめるとした企業は1%に満たなかった。

主な対策としては対面型の採用活動をできるだけ避けることのようだ。
企業からは以下のような声が寄せられた。

・3月と6月に予定していた会社説明会の3月開催を中止にし、6月1回だけ開催
・ESの提出やWEBセミナーは行なっているが、会社説明会やセミナーへの参加については見合わせている
・会場集合型の会社説明会を中止し、オンデマンド配信に変更。  OB・OG訪問の受付を中止
・集団面談をWEB面談へ切り替え。ただし、最終的には会社の雰囲気を知っていただきたいため、学生の安全を考慮し、来社日程を後ろ倒しで調整中

また、一部の企業からは、

・進めているのはインターンシップからの早期選考と一部説明会のみ
・2月に選考開始した学生に内定を出し、それをキープし、3月以降の選考を控えている

といった回答も。

現時点では、昨夏～冬までに行ったインターンシップ経由など早期ルートの選考を中心に採用活動を小規模に継続する企業も見られた。

Q3「2021年卒採用活動への危機感」

危機感をもつ企業が圧倒的に多く、特に従業員数1000人以上の大企業では「かなり危機感がある」と答えた企業が39.1%に上った。

具体的な危機感は・・・

・合同企業説明会がなく学生と接点をもてる機会が大幅減
・コロナウイルスにより学内説明会が大多数の大学で中止で学生との接点が持てない
・対面での口説き落としがしにくく、採用目標達成が厳しい
・説明会や採用イベントの中止で、母集団形成がうまくいかず、受験者数確保が困難
・採用活動がWebのみの場合、Webでの試験を行わない当社は応募しなくなる
・エントリーの減少や採用日程の大幅なずれでどの程度影響があるのか想像がつかない

等々、困惑する現場の状況が報告されている。

ディスコの分析は、
・大手企業は採用人数が多く、新型コロナウイルスの影響で学生と会う回数や方法が減ってしまい、PRが思うようにできないためエントリー数が確保できないという危機感。
・中小企業は、合同説明会など多くの学生と接触する機会を失ったことから、採用目標数に到達できないのではという危機感がある。