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就活のギモン(番外編)「地方で働く魅力」ってなに?若手社会人に聞いてみた!

2024年04月18日

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地元が好きだけど、そのまま地元で就職していいのかな? 1度は東京などの大都市で働くべき…? そんな悩みがある地方の就活生も多いと思います。

地方で働く魅力や地元での就活について、社会人の先輩たちに就活生がギモンをぶつけました。はたして、その答えは?

※2024年2月25日放送「はっけんラジオSP from熊本 就活応援ラジオ」の内容をもとに作成しました。

答えてくれたのは、▼熊本市の生産設備メーカー・平田機工の坂本安里紗さん、▼肥後銀行の角陸永さん、▼熊本県商工政策課の木場愛海里さん、▼マイナビ編集長の高橋誠人さんです(肩書きは放送時点)。

熊本放送局のスタジオでの公開収録の様子

就職先の業種やエリア、どう絞る?

佐藤茉那
アナウンサー

熊本市の大学3年生からの質問です。

ほかにも「就活の軸の決め方が分からない」といったメッセージがありました。

県職員の木場さん、この質問いかがでしょうか?

私は熊本に就職するという「地域」を軸にして就職活動を行っていました。

熊本県庁
木場さん

自分が仕事をしていきながら、どのような場面で自分の強みを生かすことができるか。もし大変なことがあった時に、どうやってそれに立ち向かうか。

そう考えたときに、私より社会人経験の長い家族にすぐ相談できるなとか、私の良いところも悪いところも知っている友人が近くにいれば力強いな、などと考えながら、熊本に就職することを決めました。

県職員の木場愛海里さん

大分出身で、熊本で就職した銀行員の角さんはどうですか?

大学は経済学部だったので、地域経済に貢献できることをしたいということ、あとは九州内で働くことを軸に考えていました。

肥後銀行
角さん

大学の時に祖父母が亡くなったこともあり、そこから家族の近くにいるほうが今後の自分の人生としてはいいんじゃないのかなと考えるようになりました。

プライベートの面も考えたうえで、仕事だけじゃなくて、どう生きていきたいかというようなことも考えていました。

マイナビ編集長の高橋さん、補足はありますか?

ちょっと違ったアドバイスをすると「自分の軸が見つからない」という相談って毎年多いんですけど、軸を決めなきゃ就活できないわけではないんです。

マイナビ
高橋さん

そこにこだわるかわりに、より多くの情報をインプットするようにすると「やっぱり熊本だな」とか「熊本じゃなくてもいいのかな」ということがより見えてきます。

就職後の25歳や30歳ぐらいの自分が充実した社会人生活を過ごしている場所が、熊本なのか福岡なのか大阪なのか東京なのか、想像してみるといいと思います。

編集長の高橋誠人さん

他の人の軸と自分の軸が違っても不安に思う必要はないですし、定まっていなくてもできることは十分あるということですね。

地元で働く魅力ってなに?

続いては会場にいる就活生、寳亀さんからの質問です。

生産設備メーカーの坂本さん、こちらはどうでしょうか?

私も東京の大学にいたので、地元に戻るか、東京などで就職するか、すごく迷っていたんですけど、最終的に熊本での就職を選んですごくよかったと今も思っています。

平田機工
坂本さん

福岡や東京で働いていないので比較はできないですけど、熊本で働いても、いわゆる大手企業と同じような水準の企業もたくさんあると思います。

私は熊本の人や食事、自然の豊かさがすごく好きですし、熊本でも十分、社会人として充実した生活を送れるんじゃないかなと思います。

生産設備メーカーの坂本安里紗さん

県職員の木場さんはどうですか?

私も熊本県外の大学に行ったことで、ごはんがおいしい、自然が豊かで住みやすい、人とのつながりが心地よいなど、これまで気づかなかった熊本のよさを改めて実感しました。

木場さん

そして、熊本に貢献しながら働くこと自体が、私の中では大きな魅力の1つだったんですけど、まだまだ地元熊本についても知らないことがたくさんあるので、それを学んでいきながら仕事ができるっていうことにもやりがいを感じています。

銀行員の角さんは、大分出身で福岡の大学に行って、いま熊本で働いていますね。この質問はどうでしょうか?

熊本で働く魅力はいくつかあったのですが、海外企業の進出が進んでいる熊本ならではの経済発展に携われるということ。

角さん

また熊本は環境や地下水の保全など、SDGsの取り組みも盛んだというのも知っていました。

さらには、熊本地震からの復興など、地域全体として未来へ進んでいくような一体感もあって、熊本は素敵だなと思っています。

銀行員の角陸永さん

地元の魅力に改めて向き合って考えると、やっぱりここがいい!こんなやりがいもあるんだ!って思えることもありますよね。

編集長の高橋さんはいかがですか?

これは個人の人生プランなので、どれが正解ということはないのですが…。

ある就活生の先輩で、地元が好きだからこそあえて県外に就職をして、そこで経験を得て、その経験を持って地元に戻って貢献した、というような例もあります。

熊本の人なら例えば、熊本・福岡・東京の3都県だけで決めるのではなくて、もっとグローバルに考えて、その中でもなぜそこがいいのか、自分の中で納得できるような場所を選べばいいと思います。

どこがいい、悪いというような問題ではないと思いますね。

就活生の寳亀さん、話を聞いていかがですか?

まだまだ「ライフプラン」として就職活動を捉えられていない部分が大きかったと思うので、まずは「これから自分がどう生きていきたいか」を考えたいなと思いました。

地元を離れて苦労したことやよかったことは?

続いての質問は、熊本県の大学3年生からです。

近い状況としては、大分出身でいま熊本で働く銀行員の角さん、この質問についてどうですか?

苦労したと言ったら大げさですけど、初めて熊本に住んだということで、地名が分からない、方言もよく分かっていないみたいなことが、最初は結構あってつまずきました。

角さん

さっき寳亀さんに、どこの大学かを教えてもらったんですが、それがどこかいまいち分かってない、そういうこともありますね。

就活生の寳亀理子さんと林諒真さん

よかった点については、地元ではないので行くところが本当にすべて新しい場所で、毎日・毎週末が旅行感覚みたいなところはあります。

生活にずっと新しい発見があり続けるっていうのは、すごく魅力かなと思います。

私も神奈川県出身で初任地が熊本ですが、毎週新しい場所に行けて、九州もすべての県に行きました。

その県に愛着が湧くし、いろんな魅力を知れて毎日が本当に楽しい、新鮮だなと思います。

編集長の高橋さんもいろいろな勤務地を経験されているそうですね。全国転勤はどうですか?

新しいこととか、新しい環境で何かすることに対してストレスを感じる方であれば、たぶん向かないと思います。

高橋さん

ですが、先輩方が言っていたように、新しいことを自分の中でプラスに考えられるのであれば、全国転勤やそれこそ全世界へっていうのもいいですよね。

私も2年間熊本に住んでいましたが「甘い醤油」が大好きになって、馬刺しと醤油が忘れられないぐらい大好きです。

新しい文化をそれだけ気に入ることもあるということですね。

編集長の高橋誠人さん

地元での就活にはメリットも

続いては、こちらの2つの質問です。

高橋さん、1つ目の「人生の幅が狭まるのでは」という質問、いかがでしょうか?

人生の幅が狭まることはないんじゃないですかね。

高橋さん

熊本県内で充実した人生を過ごしていけば、逆に言うと熊本県外では体験できなかったことが得られたということですから。

人生の幅っていうのは、どの地域かということでは測れないものじゃないかと、僕は思います。

県職員の木場さん、2つ目の質問の「県内企業の就活・就職における地元出身者のメリット」について、いかがですか?

私自身、まだ入庁1年目で仕事の経験が浅く、よく分からないところもあるんですけど…。

木場さん

先輩職員の話を聞いている中で「これまでの人生で地元のここが課題だなって感じてきたところを仕事で解決して、地元の皆さんに感謝のことばを言われた時に、すごくやりがいを感じた」というものがありました。こうした点はメリットだと思います。

就活の時もそういった地元の姿を見ているからこそ語れることがありそうですね。

生産設備メーカーの坂本さんはどうでしょうか?

やっぱり地元の企業なので、地域の近所の方に「こういう企業を志望しています」と話をすると「あそこはいい会社だよね」と教えてくれることもあって、そういった情報収集にはよかったなと思います。

坂本さん

人脈がある分、就活でもいろんなところから情報が入ってくるということですね。

最後に編集長の高橋さんから、就活生にメッセージをお願いできますか?

これから長い人生がありますので、就職っていう「点」ではなく、自分のキャリアや人生を「線」で考える視点で取り組んで、積極的に行動していただければと思います。頑張ってください!

高橋さん

記事の内容は「NHK熊本WEB特集 クマガジン」でも紹介しています。
就活生のギモン「地元就職?県外就職?先輩たちの決断は?」はこちら

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