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OB・OG訪問のギモン(1)どうしてやるの?どうやって人を探すの?

2024年01月23日

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企業研究の方法のひとつとして挙げられる「OB・OG訪問」。やったことがない、そもそもやる必要があるの?という人も多いかもしれません。「訪問するメリットって何?」「先輩のつてがない人はどうしたらいいの?」そんな疑問を解消すべく、マイナビの高橋編集長にお話を聞きました。

OB・OG訪問、やらなきゃだめなの?

学生

まず、OB・OG訪問とはどういったものでしょうか。

自分の興味のある業界や企業で実際に働いている先輩たちを訪問し、話を聞くことです。もともと、自分の大学や学部の先輩などを訪問することが多いため、そう呼ばれています。

マイナビ
高橋編集長

今は企業などの情報が、ネット上のものなど含めてかなり増えている時代です。その中で、よりリアルな情報を得られるのが一番のメリットだと思います。

先輩後輩同士であるならよりフランクに話ができますし、実際に働いてみての率直な感想など、企業側が発信する情報とはまた違った情報が得られます。

高橋誠人編集長
2002年にマイナビに入社。10年間、マイナビの学生向け広報事業に携わったあと、営業の現場で企業の採用コンサルティングに幅広く関わる。2018年より現職。

学生
豊田

まだ僕は経験がないのですが、やらなければならないものなのでしょうか。

絶対に必須というものではないと思います。

ただ、初めて社会に出る場合、働いたことがないからすごく不安だと思うんですよね。

そんなときに実際に働いてる人の声を聞くことによって、しっかりと自分が働く姿をイメージができると思います。

そのためには、時間があればやったほうがいいかと思います。

マイナビ就職モニター調査(2024年卒対象)によると、OB・OG訪問をしたことがある学生は24.1%。およそ4人に1人が実際に、またはWEB上で先輩を訪問していた。

また、「訪問しなかった」という学生に理由を聞くと、
・必要性を感じないから・・・29.2%
・申し込み等するのが面倒だから・・・16.9%
・申し込み方法や手順が分からないから・・・16.7%
・希望する企業に学校の先輩がいないから・・・14.2%
(複数回答)
といった回答が多かった。

企業説明会やインターンではなく、OB・OG訪問からしか得られないものもあるのでしょうか。

やはり企業の人が伝えるものでも、大多数の人に伝える情報と、後輩と一対一で話して伝える情報とでは、内容の深さやリアルさが違ってくると思います。

会社として・人事としてはこういう人が欲しい、でも実際の現場ではこういう人が欲しい、といったような。

確かに、オフィシャルな情報とリアルな状況が違うなと感じることもあります。

現場の社員さんに私はこういうことをしたいですって話したとき、「それならいま現場としてはこういう分野にも結構力入れてるよ」といったリアルな話も聞けるかもしれない。

人事の人に聞くのもいいですが、より現場の温度感を知って、自分が働いている姿をイメージするためには、OB・OG訪問はとても有効だと思います。

内々定を複数得た後など、実際に行く企業を絞るにあたって、何かちょっと情報が足りないとき、決め手を得るためにOB・OGに相談する、というのもアリですね。

より自分にあった相談ができるというのも利点なのですね。

ネットで調べられるような情報は全部、ライバルの就活生はみんな知っていると思った方がいいです。

自分にあった企業を見つけ、内定をもらうためには、いかに自分しか知らない情報を蓄積していくかが大事です。

目標をもってOB・OG訪問ができれば、より自分にあった企業・仕事に近づけるでしょう。

会えば会うほどよい、とも限らない

OB・OG訪問をしたことが、実際の選考に絡んだり採用につながったりすることってあるんでしょうか。

実際にOB・OG訪問の有無が採用に直結している企業もあるかもしれませんが、通常はないと考えていいでしょう。

採用プロセスに実際に関与するような役割の「リクルーター」とはまた別ですから、採用のためではなく、純粋に情報収集のための訪問と考えてもらった方が良いかと思います。

ただ、今は売り手市場が続いているなかで、OB・OG訪問のような「企業側が就活生を待つ」採用から、「企業のほうから就活生に情報を発信する」採用活動が主流になってきています。

それにも関わらず、学生が自分から積極的に企業情報を取りにいく姿勢を見せられたとしたら、存在感を発揮することはできるし、積極性や行動力を評価される点もあるかもしれません。

何人ぐらいの方と会えばよいという、目安はありますか?

もし会えるのであれば、1社につき2、3人会ってみるとよりイメージがわくかと思います。逆にそれ以上会うと、情報が多すぎて迷ってしまうでしょう。

大変なら1人でもいいので、無理のない範囲で訪問してみればいいと思います。

最近ではオンラインでのOB・OG訪問も増えてきていますけど、直接会うのとどちらが良いでしょうか。

オンラインでやり取りできると、いろんな人にアクセスできる機会も増えますよね。遠方の企業の話を聞きたい場合など、上手に活用するとよいでしょう。

一方で、そこで働いている先輩たちの「雰囲気」については、直接会わないと伝わりにくいという声もあります。

バリバリ働いていると聞いていた先輩と会ってみたら、意外と雰囲気が疲れていたりとか(笑)

なるほど。

あとは例えば会社で面談していたら、偶然同僚が通りかかって、それをきっかけに人脈が広まるといったこともあるかもしれません。

社内で直接会う機会を作れる場合であれば、さまざまな知見や視野が広まるきっかけも得やすいかと思うので、そちらをおススメしています。

どうやって人を探せばよい?

どのように信頼できるOB・OGを探すのでしょうか。

個人的なつてがないという人は、企業の人事を通して紹介してもらうのが一番いいですね。

大学のキャリアセンターに相談するのもよいですが、最近では個人情報保護の関係で紹介が難しいこともあります。大学によって違いますので、まずは相談してみましょう。

学内で行われる業界セミナーや企業説明会などで、ブースにいる社員にちょっと声をかけて相談するのもいいと思います。

また最近は就職情報サイトでも、先輩を検索できるツールを準備しているところも多いです。例えばマイナビにも「先輩発見&訪問予約機能」があり、サイト経由で訪問の申し込みをすることができます。

行きたい会社に卒業生が一人もいなくて、結局OB・OG訪問できなかったという学生の話もけっこう聞きます。

自分の大学のOB・OGがいない場合も多いと思います。その時もまず人事の人に相談してみましょう。

自分の大学のOB・OGじゃなくても、同じような学部出身だったりとか、いろいろなキーワードで年次が近い方を探してもらえると思います。

企業側も自分の企業に興味を持ってくれる学生なら、できる限り興味を持ち続けてほしいだろうと思いますので、言ってみる価値はあります。

危険なOB・OG訪問を避けるためにできること

逆に、こういった訪問方法はやめた方がいい、というのはありますか。

まず、SNSで知り合ったような先輩と会うのは、危険なので絶対にやめた方がいいです。

そういった相手との訪問の場における事件が起きたり、セクハラが発覚しのちに問題になったケースもあります。

また、会うときは企業の会議室などの社内か、社外ならオープンなスペースで会うようにしましょう。

さらに時間帯も、夜ではなく日中に会うことをおすすめします。

気を付けるようにします。

辞めた人に話を聞くのは、できれば避けよう

その企業に前勤めていて、その後辞めたという方に、リアルな情報を聞くのはどうでしょうか?

個人的には、やめた方がいいと思います。

今はもう時代の変化のスピードが速いので、どの企業も常に新しいことを始めている状態ですが、辞めた人にはそういった今の社内の空気感がわかっていないケースも多いです。

それに、辞める動機っていろいろあると思いますけど、ポジティブに話してくれる人もいるかもしれないけれど、やはりネガティブなことばかり伝える人も多いです。

例えば部活を辞めた人に「なんでやめたの?」と聞くと、やっぱりネガティブなことをいう人が多いと思いませんか?

確かに、それで「入りたい!」とはなかなかならないでしょうね。

一方で、企業側から紹介されたような先輩だと、本当に言いにくいことは話しづらかったりすることはないですか?

それは企業によるでしょうし、ネガティブな話題は触れないという方もいるかもしれませんね。

でもだからといって、バランスをとるために辞めた人の話を聞いたり、ネットのネガティブな書き込みばかりたくさん見るのは、あまりおすすめはできませんね。

せっかく夢や目標をもって企業を志望しているのに、モチベーションを下げすぎるような情報は、見なくてもいいんじゃないか?って、就活の支援をしている私からしてみると思いますよ。

なるほど。

もし気になるなら、より具体的に質問してみるといいかもしれませんね。

「忙しいですか?」じゃなくて「残業って何時間ぐらいですか?」とか。

それだとなかなかごまかしもできませんし、より本当の情報を話してくれるのではないかと思います。

そのためには、事前にしっかりと質問の準備をして、訪問にのぞみましょう。

後編記事では、具体的な質問案の作り方や、訪問当日の進め方などについてお伝えします。

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