新戦略は?インスタのトップに聞いてみた

2019年03月29日

世界で10億人、日本でも2900万人が利用する「Instagram(インスタグラム)」。身近な写真を投稿し合って楽しむアプリとして始まったが、今では多くの企業やブランドがアカウントを開設し、商品の写真を投稿。ビジネスが行われる場所としても活用範囲が広がっている。インスタグラムは次に何を目指すのか。初めて来日したトップに聞いた。

伸びる日本市場

日本を初めて訪れたインスタグラムの責任者のアダム・モッセーリ氏。Facebookのエンジニアチームなどを統括してきたが、去年10月にトップに就任した。

3月15日に開いた記者会見で、ことしの夏に日本にサービス開発チームを立ち上げることを明らかにした。


アダム・モッセーリ氏

メンバーは、エンジニアやデザイナー、アナリストなど約10人。日本独自の機能を開発し、それを世界に広げる計画。開発チームをアメリカ以外に設けるのは初めてだという。
日本でのインスタグラムのアカウント数は2900万(2018年9月)。1年で45%の増加と、日本は世界で最も大きく伸びている国の1つだ。
「日本は著しい成長を見せているし、大切な市場。まずは日本市場について理解を深め、その後調整していく。日本のチームは本社と離れていくのではなく、アメリカにも日本のチームと常にやり取りする専用のチームを置くことになる」(モッセーリ氏)

ライバルが急伸


インスタグラムの画面

ただ、インスタグラムも、盤石というわけではない。中国発の動画アプリ「tiktok」が急成長しているのだ。

アメリカの調査会社によると、去年1年のダウンロード数は6億6000万回とインスタグラムを上回った。モッセーリ氏は、この勢いをどう見ているのか。

「tiktokは非常におもしろいアプリだと思う。特に若い人たちが日常的にいろんなことを楽しめるようになっていて、われわれが学ぶべきところもある」
「しかし、私たちには強みがある。1つは、10億のアカウントを持つ巨大なプラットフォームであること。2つ目は『自分らしさを表現しやすい』ということ。特に、俳優、アーティスト、ミュージシャンなどのクリエイターが自分らしい表現をするために使っている。インスタグラムを通じてでなければ知らなかったことを知ることができる。そういう強みをさらに高めていきたい」(モッセーリ氏)


「スポーツ」と連携

「自分らしさを表現しやすい」SNSとして、インスタグラムは今回、新たな取り組みを打ち出した。

その1つが、スポーツとの連携だ。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、アスリートの投稿を支援し、多くのファンとインスタでつながってもらうことを目指そうというのだ。

その第1弾として、3月、東京でセミナーが開かれた。受講生は女子ホッケー日本代表「さくらジャパン」の選手たち。

これまで日本のスポーツ団体は、発信するSNSが炎上しないような使い方を指導するのが一般的だった。今回のセミナーでは、選手たち自身が、ファンを増やし、つながりを深めるためのインスタの活用法についてレクチャーを受けた。

具体的には、
▽大会に向けたトレーニング中の動画は人気が高いこと、
▽大会中は投稿を増やすことが大切で、他の競技のアスリートとの交流の様子も発信すると、別のスポーツのファンにも認知してもらえること、
▽試合直後や勝利の瞬間に生配信の機能を使えば、ファンと一緒に盛り上がることができるーーーなどだ。

また選手たちは、Q&Aでクイズを出す機能や、逆再生機能などを使って動画を加工し、投稿する方法も学んだ。実際にプレーの様子を撮影して、攻める選手と守る選手、どちらが勝ったかをクイズにして投稿する“実戦”にも挑戦した。


選手どうしで撮影して…


ストーリーにアップしてみました

参加した永井友理選手は「これまではフォロワーを増やしたいという気持ちはあるけど、有名じゃないからと諦めてしまっている部分もあった。今回、興味を引くコンテンツの使い方があるとわかったので取り入れてやってみたい」と、活用に積極的だ。


永井友理選手

日本ホッケー協会の坂本幼樹事務局長も、「マイナー競技の私たちにとっては、SNSは伝えたいことを伝えるためにぴったりの手段のはずだ。協会としても最大限、選手の発信をサポートしていきたい」と意気込む。


坂本幼樹事務局長

これに対し、モッセーリ氏は「インスタグラムでは選手だけでなくコーチや球場スタッフが、今まで知られていない彼らのストーリーを語ることができる。今後もっと多くの競技のみなさまに同様の機会を作っていきたい」と応じた。


インスタ映えと観光

インスタ映えするスポットに大勢の観光客が押し寄せる時代。インスタグラムの調査によれば、2017年の訪日旅行者の宿泊場所、食事をする場所など旅行計画の実施にインスタグラムが関わっていた割合は9%、金額にして3700億円を超えると推計されるとしている。

インスタグラムは、この観光との親和性の高さを生かして、観光面での発信を一段と強化していくことを検討する。今回の来日でモッセーリ氏は、東京都の小池知事と会談し、東京の魅力をアピールする企画を行っていくことになった。

モッセーリ氏は「世界中の人に、日本のすばらしさを知ってもらうお手伝いをしたい。そうした取り組みを通じてインスタグラムを成長させていきたい」と語った。

写真を投稿し、自分を表現するだけでなく、ビジネスにつながるツール、そして、新しい趣味や世界と出会うツールとして新たな活用が広がるインスタ。ライバルの「tiktok」もスポーツ選手が活用するなど幅を広げているが、ユーザーがこうしたツールをどう使い分けていくのか、その変化をウォッチしていきたい。

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