トランプ前大統領はニューヨーク出身。
父親の不動産業を継いで実業家となり、ニューヨーク・マンハッタン中心部の高級ホテルの改修事業、さらにカジノ、ゴルフとさまざまな分野に進出し、「不動産王」という評価を築きました。その後、人気テレビ番組の司会も務め、「ユーアーファイアード！＝クビだ！」という決めぜりふで、多くの国民に知られるようになります。
政治経験のない大統領
トランプ氏は大統領に就任するまで政治経験は一切ありませんでした。政治家や軍人としての経験を持たない大統領は初めてでした。
家族は
プライベートでは2回の離婚歴があり、現在のメラニア夫人は3人目の妻です。子どもはあわせて5人います。大統領に就任すると、長女のイバンカ氏やその夫のクシュナー氏を政権の重要ポストに起用して大きな話題を集めました。
大統領時代は
トランプ大統領は2016年の大統領選挙では「アメリカを再び偉大な国に」をスローガンに掲げ、就任後も「アメリカ第一主義」を政策の基本理念に保護主義的な貿易政策を推し進め、国際的な合意からの離脱や国際機関からの脱退を決めました。
またオバマ元大統領への敵対心を隠さず、イラン核合意やキューバとの国交回復などオバマ前大統領の政治的な遺産＝レガシーと評価された代表的な成果を覆しました。
トランプ前大統領は、アメリカ社会の分断をさらに深めたとの批判が根強くあります。特に、おととし1月に連邦議会議事堂にトランプ前大統領の支持者らが乱入した事件は国内外に大きな衝撃を与えました。この事件をめぐっては2020年の大統領選挙で「不正があった」などと主張し、選挙結果を確定する手続きを故意に妨げたとしてトランプ前大統領自身も国家を欺こうとした罪などに問われています。
それでも、トランプ前大統領は岩盤支持層とも呼ばれる熱狂的な支持者に支えられています。背景には、これまで自分たちの声が政府に届かないと感じていた人たちの不満をすくい取った面もあると指摘されていて、2023年10月現在、共和党の大統領選候補者の中で支持率トップを独走しています。
