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福島第一原発 北側で放射性物質上昇傾向

  • 2号機

東京電力福島第一原子力発電所では、2号機のピットと呼ばれる施設から流れていた高い濃度の放射性物質に汚染された水が止まったあとも、海水の放射性物質の濃度は、汚染水が流れ込んでいた地点で依然として国の基準を大幅に上回り、発電所の北にある放水口周辺でも引き続き上昇傾向にあります。
福島第一原発2号機では、ピットと呼ばれる施設から高濃度の放射性物質に汚染された水の流出が続いていましたが、水がしみ出している地下に特殊な薬剤を注入した結果、今月6日の午前5時半すぎに流出が止まりました。
汚染水が流れ込んでいた2号機の取水口付近で、東京電力が8日午前9時に海水を採取して調べたところ、法律で定められた基準値の2万3000倍に当たる、1cc当たり930ベクレルのヨウ素131が検出されました。
この場所で採取された海水のヨウ素131の濃度は、今月2日に基準値の750万倍だったのが、今月6日には基準値の14万倍、7日には基準値の6万3000倍と、数値が下がる傾向にありますが、極めて高い濃度が続いています。
一方、福島第一原発では、今月4日の夜から、比較的低い濃度の放射性物質に汚染された水の放出が続いています。

5号機と6号機の放水口の北およそ30メートルの地点では、8日午前9時15分に採取した海水から、基準値の1300倍に当たる、1cc当たり50ベクレルのヨウ素131が検出されました。
この地点のヨウ素131の濃度は、今月6日には基準値の1000倍、7日午前には基準値の2800倍と上昇していて、今回の数値は前の日より下がりましたが、東京電力は引き続き上昇傾向にあるとみています。
また、沖合15キロの海域での調査は、8日は悪天候のためできなかったということです。
経済産業省の原子力安全・保安院は、「放射性物質が北側の海域に流れ込んでいることも考えられる。海に放出された放射性物質は、どのように流れていくか分からないことも多く、濃度の高い場所でより細かなモニタリングをするなど、監視を強化していきたい」という見方を示しています。

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