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グループディスカッションのギモン(4)知らないテーマが議題に…こんな時はどうしたらいい!?

2023年10月23日

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グループディスカッションに参加したら、提示された議題がぜんぜん知らないテーマだった…。

こんな時は、まずは落ち着いてまわりの議論に耳を傾けるようにするといいんだそう。面接官の経験もある専門家に詳しく聞きました。

(聞き手:豊田俊斗 藤原こと子 本間遥)

知らないテーマが出てきたら…

学生
豊田

グループディスカッション(以下グルディス)で自分がまったく知らない、もしくはあまり聞いたことがないテーマが出た場合はどうすればいいでしょうか。

まず、そのテーマが知らなくて当然なものなのかどうかって判断つきませんよね。

高田貴久さん

なので、まずは様子を見てみると良いと思います。

高田貴久さん
プレセナ・ストラテジック・パートナーズCEO。経営コンサルタントや電気機器メーカーの経営企画などを経て現職。人材育成サービスを提供するかたわら、セミナーなどを通じて大学生向けの就活支援を手がけている。著書に「ロジカルプレゼンテーション就活 面接・グループディスカッション対策」など。

例えば、「アメリカのシェールガス革命が産業界に与える影響について議論しなさい」という議題が出され、それに対する十分な知識がなかったとします。

その時に、誰かが「石油や天然ガスの産出量が増えるから…」みたいな話をしたら、シェールガス革命がどういうものなのかの概要をつかむことができますよね。

それである程度、自分の理解が進んだ段階から議論に参戦しても遅くはないと思います。

あと、様子を見てまわりの誰も知らないような議題であれば、「すいません、シェールガス革命って何でしたっけ」って真正面から質問してても良いと思います。

聞いても良いんですね。

はい。というのも、こうしたことは仕事でも多発するからです。

その業界の人にとってはあたり前でも業界外の人には通じない専門用語とか、実際の仕事でも分からない単語やテーマが出てくることはよくあります。

知らないとまずい話なのかそうでないのかをまず見極めて、聞いても大丈夫そうだと思ったらストレートに聞けば良いと思います。

ある程度の一般常識や直近の時事問題は事前にリサーチしておいて、それでも分からないテーマが出された場合はまずは様子を見る。

それで良いと思います。

面接官も問題を作るのは結構大変で、毎年同じ問題を出したら対策されてしまいますし、何か違うテーマを探したいと思った時に時事問題って出しやすいので、特に時事問題は広く見ておいた方が良いですね。

どんな形で出題される?

学生
本間

グルディスってどんな形の出題形式が多いんですか。

一番多いのは「主張系」ですね。テーマを与えられて、それに対するあなたの考えを主張しなさい、というものです。

例えば、「当社において活躍できる人材はどんな人だと思いますか」だったら、「私はこういう人が活躍できると思います」と主張してその理由を説明する。

そして、「主張系」の議題と並んで多いのが、「どうする系」です。

問題の原因を考えて解決策を導き出すよう、求められるものですね。

この出題形式でありがちな失敗例が、結論から考えてしまうケース。

そうすると、原因と結論のロジックがうまく結びつかない場合が多いんですよね。

まずは、原因についてしっかりと議論しないといけないんですね。

そうです。例えば、「駅前の放置自転車を減らすためにはどうしますか」というテーマが出たとします。

この場合は「どんな人が放置しているのか」、「どの時間帯に多く発生しているのか」などの考察を踏まえて対策を議論しないと、根拠が不十分な答えになってしまいます。

学生
藤原

すぐに結論に飛びつかず、まずは原因について考察する。覚えておきます!

次に頻度が高いのは、「企画立案系」「ディベート系」だと思います。

「企画立案系」は、未来を描かせるテーマですね。

例えば、「当社が学生向けに新しいビジネスを立ち上げるとしたらどういうものがいいですか」みたいな感じです。

この場合は、たとえばそのビジネスに影響を与える政治・経済・社会・技術などの外部環境は何なのか、といったことを考えたり、会社の強みや弱みなどといった内部環境を踏まえたりして、提案をしていくイメージです。

「ディベート系」はどんな出題形式ですか?

例えば、「自動車メーカーのAとBのどちらが優れていると思いますか?」というテーマで、こっちの3人はAチーム、こっちの3人はBチームで議論して、というような形式です。

Aが優れているという立場の人たちはそれをひたすら主張するし、Bが優れているという立場の人たちはひたすらそれを主張する。

答えそのものではなく、その根拠となる主張の論理性を見られます。

どんなテーマや出題形式にも対応できるようにするためには何をすればいいですか?

普段から、目に入ったものについて「自分ならどう考えるか」ということを考えるクセをつけると良い訓練になります。

例えば「主張系」の対策だったら、ハトのフンの問題を解決するにはどうすればいいのか、とか、エレベーターの待ち時間を短くするには…とか。

その上で、誰かに自分の考えを聞いてもらって、論理的な組み立てになっているかを評価してもらうと良いですね。

何らかのテーマについて考えて、誰かに伝えるところまでやってみるということですね。

ビジネスパーソンとしての振る舞いを

ここまで、いろいろなポイントを教わってきましたが、最後に「これだけはやってはいけない」ということはありますか。

ゴールに向かってみんなで進んでいるのに、特定の人の意見を明確に否定したり、各論で小競り合いを始めてしまうと議論が止まってしまいますよね。

なので、たとえ気に入らないことがあったとしても、感情的になることのないよう心がけてください。

あと、言わずもがなですが、基本的な礼節やマナーは意識したほうが良いです。

特に、言葉づかいに気をつけましょう

面接の時は皆さんちゃんと敬語を使って話すんですが、グルディスになったとたん、敬語を使うのをやめる人がいます。

学生同士の議論ではあるのですが、あくまでもビジネスを想定した会話なので、あまり友達同士のような態度をとるのはふさわしくないですよね。

なので、ビジネスパーソンとしての振る舞いを心がけることも大切です。

気をつけたいと思います。ありがとうございました。

撮影:鈴木優 編集:谷口碧

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