2023年09月11日
グループディスカッションで、他人の意見を否定したり、場の雰囲気を乱したりして進行を妨げる人と同じグループに…。
こんな状況はできれば避けたいところですが、いざ遭遇してしまった場合はどうすればいいですか?面接官の経験もある専門家に対応方法を聞きました。
(聞き手:豊田俊斗 藤原こと子 本間遥)
グループディスカッション(以下グルディス)を進めていく中で、心がけるべきことってありますか。
ひと言で言うと「大人の対応」なんですけど。
どういうことですか?
グルディスは「この人は入社後に組織人として仕事ができる人なのか」という点を見られていると考えてください。
従って、極めて大事なのが「“みんなで“ゴールに向かって進んでいる」ということを忘れないようにすることです。
高田貴久さん
プレセナ・ストラテジック・パートナーズCEO。経営コンサルタントや電気機器メーカーの経営企画などを経て現職。人材育成サービスを提供するかたわら、セミナーなどを通じて大学生向けの就活支援を手がけている。著書に「ロジカルプレゼンテーション就活 面接・グループディスカッション対策」など。
たとえば、自分をアピールするためにまわりの人の発言を否定したり、議論から置いてけぼりにしたりするような人と一緒のグループになったとします。
この時、その人に対して「君はまちがっている!」と否定的なことを言ってしまうのか。
それとも「もう少し話を聞いてみない?」ということをにこやかに言えるのか。
採用担当者はグルディスでの態度を「会社に入ってからの態度」に置き換えて見ていることがあります。
ムッとするようなことがあっても感情的にならず、グループをゴールに導くことを心がけることができるといいですね。
実際にグルディスに参加した人から、場の雰囲気を壊す人、いわゆる「クラッシャー」がいたという話を耳にすることがあります。
そういう人と同じグループになってしまった場合って、なかなか簡単にはいかないような気もするのですが…。
そうですよね。
基本的にはあまり面と向かっては相手にしないのが理想です。
「そういう考えもあるんだけど、今は目標に向かうためにこっちについて議論しない?」といった感じでうまく対応しながらゴールに向かうことをまずは心がけましょう。
そうすれば、少なくともそれを見ている採用担当者は、軌道修正しようとしている点を評価してくれるはずです。
なるほど。
社会に出てからも、会議で議論を妨げようとする人っていることがありますしね。
これも将来に向けた予行演習のようなものなんですね。
そうです。仕事の場でも求められる対処能力の1つなんですよね。
グループで導き出した「結論」と議論の「進め方」では、どちらが評価において重視されますか?
99%、進め方だと思います。
結論はあまり気にしていないケースが多いのではないでしょうか。
そうなんですか!
面接官は同じテーマのグルディスを何十回と見ているので「大体ここに行き着くよね」っていうゴールがあるんです。
なので、結論はそれほど大事ではなくて、そこに至るまでの議論の進め方が重要になってきます。
どんな進め方が理想なんですか?
例えば10ある選択肢の中から何となくこれ、って結論を出すか。
それとも、10の中からあらかじめ7つの選択肢を除外して、判断の難しい3つの選択肢の中から正解を選ぶのかでは正解する確率が変わってきますよね。
前者は10分の1、後者は3分の1ですね。
そうですよね。
同じ結論を導き出すとしても、7個の選択肢を除外するような議論がなされていた場合には、その議論の内容に価値がある可能性が高い。
一方、前者のように、あまり議論の内容が深まっていないような場合は評価されにくいかもしれませんね。
要は、分かれ道があるごとに「どっちに行くの?」ということを1つ1つみんなで議論してゴールに近づけているかということですね。
なるほど。結論に至る過程をしっかりと意識して議論に参加することが大切ですね。
グルディスの本番の前に何か準備できることってありますか?
日ごろから自分なりに考える訓練をしておくことが大事だと思います。
グルディス当日に「どこからどう考えていいかわからない」状態だと出遅れちゃうので、いろいろな物事に対して自分なりの考えをまとめる力は必要です。
あと、できれば、いわゆる「クラッシャー」の役回りを誰かに演じてもらって、上手なかわし方や当たり障りのない対応についても練習できるといいですね。
心構えという意味でも、否定されるとか、自分の話を聞いてくれないとか、すごく嫌な事を言われるとか、そういうことを体験しておくといいと思います。
準備しておくだけでもだいぶ変わりそうです。
だいぶ変わると思います。グルディスに苦手意識をもっている人が多いのは、単純にそういう機会が少ないからなんですよね。
苦手意識って不慣れから来ていたんですね。
そうなんです。
でも、みんながほぼ同じスタートラインに立っているので、苦手意識を持つ必要なんてないんです。
事前に準備をしておけば少し得するかも、くらいの心持ちでいいと思います。
そういう考え方ができれば、すごく気持ちが楽になりそうです。
グルディスのギモン、次回は「グルディスでの役割」についてお伝えします。
撮影:鈴木優 編集:谷口碧
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