文化

追悼 2023年 亡くなった著名人(1月~6月)

追悼 2023年 亡くなった著名人(1月~6月)

2023.07.12

2023年も半年が過ぎ、文化や芸能の分野で一時代を築いてきた方々の訃報が相次ぎました。

1月から6月までの訃報をまとめました。

ミュージシャン 高橋幸宏さん(70)

世界的に人気を集めた音楽グループ「イエロー・マジック・オーケストラ」=「YMO」のドラマーで、大ヒット曲「ライディーン」の作曲も手がけました。
シンセサイザーなどの電子楽器を使った斬新な音楽性で“テクノポップ”という新しい音楽のジャンルを築きました。
1月11日、誤えん性肺炎のため70歳で亡くなりました。

作家 加賀乙彦さん(93)

死刑囚が処刑されるまでの限られた日々を描いた「宣告」や、えん罪をテーマにした「湿原」など、精神科医としての経験を生かして人間の内面を深く見つめた小説を書き続け、数々の文学賞を受賞しました。
1月12日、老衰のため93歳で亡くなりました。

ギタリスト  鮎川誠さん(74)

人気ロックバンド「シーナ&ロケッツ」で、妻のシーナさんと共に「ユー・メイ・ドリーム」などの曲で人気を集め「めんたいロック」と言われる福岡発のロックムーブメントをけん引しました。
1月29日、すい臓がんのため、74歳で亡くなりました。

作家 永井路子さん(97)

鎌倉時代を舞台にした歴史小説「炎環」で直木賞を受賞。
「北条政子」や「乱紋」など歴史の中の女性の役割に光を当てた作品を多く発表しました。
1月27日、老衰のため、97歳で亡くなりました。

声優 貴家堂子さん(87)

人気テレビアニメ「サザエさん」で「タラちゃん」の声を50年以上にわたって担当しました。
ほかにも「ハクション大魔王」のアクビや「天才バカボン」のハジメちゃんなどかわいい子どもの役で親しまれました。
2月5日、87歳で亡くなりました。

漫画家 松本零士さん(85)

「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」など、宇宙や冒険をテーマにした壮大な物語と幻想的で美しい絵柄の作品で、その後のSF作品などに大きな影響を与えました。
半世紀にわたって描き続けた「戦場漫画」シリーズでは漫画を通じて命の尊さを訴えました。
2月13日、急性心不全のため、85歳で亡くなりました。

落語家 タレント 笑福亭笑瓶さん(66)

明るい人柄で、テレビのバラエティー番組などで活躍しました。
トレードマークの黄色いめがねやものまね芸などでお茶の間の人気を集めました。
2月22日、急性大動脈解離のため、66歳で亡くなりました。

小説家 大江健三郎さん(88)

大学在学中から注目を集め「飼育」で芥川賞を受賞。
「万延元年のフットボール」「静かな生活」などで知られ、新しい世代の作家として戦後の日本文学界をリードしました。
そして、1994年、日本人として2人目のノーベル文学賞を受賞しました。
核兵器や平和の問題に対しても、文学者の立場から向き合い、広島で取材した被爆者や医師の姿を描いた「ヒロシマ・ノート」はベストセラーになりました。
3月3日、老衰のため、88歳で亡くなりました。

料理人 陳建一さん(67)

マーボー豆腐をはじめとする四川料理の第一人者。
テレビの料理番組では高い調理技術と愛きょうのある人柄で人気を集めました。
3月11日、間質性肺炎のため、67歳で亡くなりました。

俳優 団時朗さん(74)

1971年に民放の人気特撮番組「帰ってきたウルトラマン」でウルトラマンに変身して怪獣と戦う主人公の郷秀樹役を演じ、子どもたちの人気を集めました。
3月22日、肺がんのため、74歳で亡くなりました。

俳優 奈良岡朋子さん(93)

舞台や映画で活躍し、連続テレビ小説「おしん」などテレビドラマのナレーションでも親しまれました。
原爆の悲惨さを描いた「黒い雨」の一人語りの舞台で平和を訴える活動を続けました。
3月23日、肺炎のため、93歳で亡くなりました。

音楽家 坂本龍一さん(71)

音楽グループ「YMO」のメンバーとして活躍。
映画「ラストエンペラー」の音楽では、アカデミー賞を受賞し、国際的にも高く評価されました。
また、東日本大震災の被災者支援の音楽活動にも力を注いだほか、脱原発や非核を訴える活動を行うなど、社会的な活動にも力を入れてきました。
長年、がんの治療を続けていましたが、3月28日、71歳で亡くなりました。

作家 畑正憲さん(87)

動物とのふれあいをテーマに多くの文学作品を執筆し、「ムツゴロウ」の愛称でテレビ番組などでも親しまれました。
1977年には菊池寛賞を受賞するなど、動物文学の第一人者としても知られました。
4月5日、心筋梗塞のため、87歳で亡くなりました。

歌舞伎俳優 市川左團次さん(82)

世話物や時代物から新作の歌舞伎まで幅広い演目に出演し、「助六」の意休などの存在感のある敵役から「身替座禅」の奥方玉の井などの ユーモラスな役柄や女形まで巧みに演じ分ける高い演技力で知られました。
4月15日、肺がんのため、82歳で亡くなりました。

脚本家 竹山洋さん(76)

人間への鋭い洞察力と骨太の脚本で注目を集め、NHKの大河ドラマ「秀吉」や「利家とまつ」など数多くのテレビドラマや映画の脚本を手がけました。
4月12日、敗血症性ショックのため、76歳で亡くなりました。

俳優 高見のっぽさん(88)

NHK教育テレビの子ども向け番組「できるかな」で大活躍。
ひと言もしゃべらず、ジェスチャーを交えて鮮やかに工作を作り出す姿が子どもたちの人気を集め「ノッポさん」として、長く親しまれました。
2022年9月10日、心不全のため、88歳で亡くなりました。

元タレント 上岡龍太郎さん(81)

数多くのテレビのバラエティー番組で司会などとして関西を中心に活躍し、辛口のコメントを交えた切れ味のよい流ちょうな話しぶりで親しまれました。
5月19日、肺がんと間質性肺炎のため、81歳で亡くなりました。

映画監督 中島貞夫さん(88)

仁きょう映画「893愚連隊」で日本映画監督協会新人賞を受賞して評価を高め、「日本暗殺秘録」「日本の首領」シリーズなど実話を基に描く「実録映画」を数多く手がけました。
6月11日、肺炎のため、88歳で亡くなりました。

作家 平岩弓枝さん(91)

学生時代から親しんできた日本舞踊や能、狂言など伝統文化についての知識をもとに、さまざまな作品を発表しました。
代表作の時代小説「御宿かわせみ」シリーズは、ベストセラーとなり、テレビドラマにもなりました。
6月9日、間質性肺炎のため、91歳で亡くなりました。

彫刻家 澄川喜一さん(91)

木材を曲線の形に削り出す「そりのあるかたち」という一連の作品で知られ、東京スカイツリーのデザインを監修したほか、東京湾アクアラインの川崎人工島「風の塔」や国立科学博物館のモニュメントも手がけました。
4月9日、91歳で亡くなりました。

オペラ演出家 栗山昌良さん(97)

日本のオペラ演出の第一人者で、ヴェルディやプッチーニなどの名作オペラの演出を数多く手がけました。
また、「夕鶴」や「金閣寺」など日本の作品の上演にも力を注ぎました。
地方でのオペラの上演に積極的に取り組み、優れたオペラ歌手を何人も育てました。
6月23日、老衰のため、97歳で亡くなりました。

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