大雪に備える 注意したいポイントは?

大雪になると「雪下ろし」「雪崩」による事故のほか、「孤立」が起きやすくなります。雪に不慣れな都市部では「歩行中の転倒」や「車のスリップ」による事故も起きます。注意してほしいポイントをまとめました。
目次
雪下ろし

大雪の際、毎年のように相次ぐのが「雪下ろし」中の事故です。
雪下ろしの注意点
□作業は2人以上で行う
□ヘルメット、命綱を着用する
□はしごはしっかり固定する
□軒先からの落雪に気をつける
□緊急時用に携帯電話を持っておく
□積雪で見えない用水路に気をつける
※ただし、屋根の上に大量の雪が積もっている状況での無理な雪下ろしは危険です。特に高齢者などは、早めに頑丈な建物や避難所に移動することも検討してください。
雪崩

ひとたび雪崩に巻き込まれると、命の危険にさらされます。
雪崩が発生しやすい場所や状況を把握し、近づかないことが何より大切です。
危険性のある場所
□高い樹木が無い急斜面
□積雪にできた亀裂(クラック)
□山の尾根から雪が張り出す(雪庇)
□斜面の積雪がしわ状に変形(雪しわ)
※特に短時間の大雪、気温の上昇や雨が降った際に注意が必要です。
雪崩に備える道具

□なだれビーコンや携帯電話(位置を知らせる)
□ゾンデ棒(捜索に使う)
□スコップ(救助に使う)
スリップ事故・立往生

車のスリップ事故も起きやすくなり、立往生することにもつながります。不要不急の車の利用は控えてください。
スリップ事故や立往生が起きやすい道路
□吹雪で見通しが悪い
□急激に雪が強まる
□冷え込む夜間や明け方
□道路脇などの吹きだまり
□わずかでも雪が積もった坂道
やむをえず車利用の場合
□冬用タイヤやチェーンを装着
□速度を落とす
□急な「発進・ブレーキ・ハンドル」はダメ
□十分な車間距離を取る
□時間に余裕を持って行動
□車に非常用品を載せておく
防寒具・スコップ・水・食料・簡易トイレ

立往生した場合…
□近くの安全な施設へ移動(可能な場合)
□なるべくエンジンを切る(防寒具着用)
□マフラー周りを除雪(排気ガス防ぐ)
※車を離れる場合…
鍵は付けたままか、分かりやすい場所に
エコノミークラス症候群を防止…
長時間同じ姿勢だと血流が悪くなります。
定期的に体を動かすようにしてください。
□足の指を閉じたり開いたりする
□足首を回す
□つま先を引き上げ足首の曲げ伸ばし
□ふくらはぎや足首をマッサージ
□背伸びや上半身をひねる
□なるべく水分も補給
※体調が悪くなったら迷わず救助要請を
ブラックアイスバーンにも注意
気温が低くなると、路面が黒く凍っていないように見えても、表面の水分が凍結した状態になり、スリップ事故が起きる危険性もあるので注意が必要です。
着雪・孤立に注意

木や電線などに雪が付着する「着雪」。落下すると思わぬけがをすることがあります。
電線が切れての停電、折れた樹木で交通に影響が出て、集落が孤立することもあります。
着雪落下の危険場所
□屋根や雨どい
□電線の下
□樹木の枝の下
□高い場所にある看板
孤立に備える
□食料や飲料水を備蓄
□燃料式の暖房器具を準備
転倒事故に注意
雪に慣れていない地域では、歩行中に転倒して思わぬけがにつながることがあります。
注意が必要な場所

□車や人が多く通行する道
□横断歩道
□道路や歩道の脇
□バスやタクシーの乗降場所
□歩道橋
□ビルや住宅の日影
□鉄道や地下街の出入り口
歩行の際の注意点

□滑り止めの付いた靴を履く
□歩幅を小さくする
□靴の裏全体を地面につけて歩く
□両手を自由にし、手袋の着用を
□転ぶときはお尻から
□リュックサックを利用
そのほかの注意点
このほか、特にふだんから雪が少ない地域では以下の建物が倒壊するおそれがあり、事前の対策や建物に近づかないようにすることも重要です。
倒壊のおそれがある建物
□カーポート
□農業用ハウス
□体育館など屋根が大きい建物
水道管の凍結にも注意
低温が予想される場合には、水道管が凍結するおそれがあり、屋外に露出している水道管に保温材を巻いたり、断水した場合に備えて飲料水を備蓄しておく必要があります。
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