出張で訪れた1月のニューヨーク。ことしは暖冬と言われているものの、普段取材をしているロサンゼルスから行くと「やっぱり寒い!」と感じてしまいます。
そんな時、飲みたくなるのが温かいコーヒー。
いまニューヨークの若者の間ではやっているコーヒーショップがあると聞き、さっそく行ってみました。

それが、こちらブランクストリートコーヒー。ミントグリーンの看板が目を引きます。
ここ2年でアメリカ全土で40店舗ほどに拡大。
「おいしいコーヒーを飲みたいけれど、有名チェーンのコーヒーは5ドル前後。毎日飲むにはちょっと価格が高い」
そう感じた20代の起業家たちが3年前に立ち上げたそうです。
さっそく注文してみると、驚きの早さでカプチーノが出てきました。
しかも、おいしい。

どうやって作っているのか見せてほしい、とお願いすると、店員さんが見せてくれたのがこちらの最先端マシーン。安さと早さのカギを握っています。
スイスのメーカーが作っているものだそうで、ボタンを押すだけで、自動でエスプレッソを抽出、ミルクの泡立ても全自動。
店員さんは、というと・・・カップに注ぐだけ、です。
同じような機械はほかにもありそうだけど、何がすごいんですか?と聞くと・・・。

コーヒーの味を決めると言われる、豆を均一にプレスするタンピングという工程を、人がやるのと同じようにできる点がすごい、とのこと。
タンピングやミルクの泡立ては、ふつう、長期間の訓練を受けないとできるようにならない技術なのだと教えてくれました。

つまり、この機械さえあれば、訓練を受けていない人でも「簡単に、早く、おいしい」コーヒーが作れるというわけです。1時間に500杯以上作れるということで、1日の中で最も忙しい朝の時間帯も余裕なんだとか。
話を聞いて納得。
よく見るとお店にはスタッフが2人しかいませんでした。機械のボタンを押してコーヒーを作る店員と会計担当の店員。機械化で人件費を抑えられているから、値段も安く済むわけです。
既存のチェーンより安く、しかもおいしいコーヒーが飲めるとあって、若者の間ではやっているのもうなずけました。すでに、ニューヨークを飛び出しイギリスのロンドンにも店舗を拡大中だということで、人口減少で人手不足が加速する日本でもニーズがありそうです。