2022年11月1日
アメリカ中間選挙 トランプ前大統領 アメリカ

【ショートコラム】トランプ派の“刺客”VS中道のベテラン

11月8日に迫るアメリカの中間選挙。それを前に訪れたのはアラスカ州南部の都市アンカレジ。

連邦議会の上院議員選挙に向けた地元商工会主催の討論会を取材するためです。

注目したのは、共和党の“2人の候補者”です。

討論会での2人の共和党候補者

アラスカ州では独自の選挙制度が採用されていて、事前に党派別に候補者を1人に絞り込まないため、共和党の候補者2人が争う形になっているのです。

このうちの1人は、上院議員の議席を20年間守ってきた中道路線のリサ・マコウスキー氏。

討論会でのマコウスキー氏

もう1人は、トランプ前大統領が支持する新人のケリー・チバカ氏。言ってみればマコウスキー氏への“刺客”として送り込まれた候補者です。

30分ほどの討論会で2人の違いが際立ったのは、その政治手法。

中道路線を掲げるマコウスキー氏は、民主党と協力できるところは協力することで、地元経済の活性化に尽力してきたと、これまでの実績を強調しました。

対するチバカ氏が最も熱弁を振るったのは、銃を保有する権利を認める根拠とされる憲法の修正第2条をめぐる論点でした。これについて、一切修正を認めないと強調していました。

トランプ前大統領の支持を受けるチバカ氏

これは、トランプ氏を支持する勢力と同じ主張で、この点については譲らないという立場を示した形です。

アラスカ州全土に事務所を構えるマコウスキー氏。実績という面でも圧倒的な戦いを進めていけそうなものですが、接戦を伝えるメディアもあります。

新人のチバカ氏が善戦している状況からは、「トランプ派」が広がっている現状をうかがい知ることができるのかもしれません。

ひとくちメモ

アメリカの中間選挙では、予備選挙で各政党の候補者が絞り込まれ、11月の本選は、政党間の争いになるところが多い。

一方で、独自の選挙制度が採用されていると、同じ政党の候補者が争う構図になることもある。

アラスカ州の連邦上院議員選挙もその1つで、所属政党に関係なく予備選挙の得票上位4人が本選に進むという制度が採用されたことで、現時点で共和党2人、民主党1人が争う構図となっている。

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