エリザベス女王の国葬を4日後に控えた15日のロンドン。
朝夕はぐっと冷え込むようになり、少し厚めのコートを羽織る人も少なくありません。
午前10時すぎ、肌寒い曇り空のもと、キャンプ用の折りたたみ式のいすに腰掛ける2人の女性に出会いました。

場所は国葬が行われるウェストミンスター寺院の目の前。
参列はできないものの、寺院に移される女王の姿を目に焼き付けたいと、4日間待ち続けるのだと言います。
持ってきた大きな3つのバッグには食料や携帯電話の予備バッテリー、防寒着に加えて厚手の寝袋やテントも。

「イギリスを偉大にした女王に敬意を払い、最もよい場所で最後にさよならを言いたい。
早朝は寒いかもしれませんが、私たちにとっては特別な時間です」

そう話してくれた女性も、何時間も長蛇の列に並んで弔問に訪れる大勢の人たちも、それぞれが亡き女王に思いをはせながら、同じ時間を共有する。
そんな特別な空気感に街じゅうが包まれている気がしました。